Edenに負けるな!486マシンをDVD再生機としてリサイクル   

2003年3月20日




☆生かさず殺さず   
先週の金曜日に東京方面に出張があり、勤務時間後に秋葉に行くことが出来た。

DDRの値下がりも最終局面に近づきつつあるような気がしてきたので、 常々ワッチしてきたメモリ購入に参戦である。 で、PC2700の512MBを1枚と256MBを2枚ゲットしてきた。 購入価格は下記の通りである。

ついにメモリ購入へ
最安値ゲットに成功


さて、日曜日に秋葉ホットラインで最安値をチェックしてみると、512MBも256MBも ズバリ最安値をゲットしているではないか!  しかも、メモリ価格は反騰開始とのこと。

SDRAMの時は原価割れ時点で購入に走ったが、 その後製造原価の半値まで大暴落し大損した経験があるだけに、 今回は敵討ちの心境である。 これで512MB購入を依頼されていた友人にも面目が立つというものだ。

もちろんイラク戦の影響次第では、 価格が再反落する可能性もなきにしもあらずである。 しかし、目先の利益に目を奪われて価格低下を単純に喜ばないほうがいい。

これでDRAMメーカーが倒産すれば、需給が好転して価格が大暴騰する可能性もある。 我々にとっては今の需給はベストであり、 ユーザーの勝手な都合を言わせていただくなら DRAMメーカーは生かさず殺さずの半殺し状態がベストなのである。

と、いつもながらの余談はこれくらいにして、今回は少し話題を変えてみようと思う。

☆やっちまった!   
以前DVDプレイヤーとして余生を送るで 報告したジャンクDVD再生専用機がイカれてしまった。

少し前から接触不良が発生しているらしく調子が悪かったのであるが、 修理をしようと分解テスト中、通電状態で電源ケーブルに蹴躓き、 「パシッ!」っという何やらヤバそうな音と閃光を発して、 マザーが逝ってしまったのである。 通電中にマザーの上にネジが落ちたのが敗因であった。

死んでしまったMediaGXマザーR543


もちろん、修理は試みたがマザーの半導体自体が逝かれてしまったらしく、 再起不能の御烙印となった。DVD再生専用機としてならまだまだ現役だったのに... あぁ〜、もったいない。

幸いJAMMIN' DVD2のボード自体は奇跡の生還を遂げたようなので、 早速2号機の製作に着手した。

☆DVDハ−ドウエア再生の下限を探る   
さて、2号機であるが、あれから1年半たった事もあり、捨てられるPCの スペックも向上した。Socket7ベースのシステムならば、 タダでくれる人がたくさんいる時代である。

だから、MMX-Pentium-233MHz程度のスペックで再生すれば 何ら問題はないのである。(CPUも使い道が無くて余っているし...) が、そこはそれ...それではおもしろくない。

と言うわけで、今回はジャンクのリサイクルで ハードウエア再生の限界に挑むこととしよう。 前回の再生専用機はMediaGXの180MHzを使用していた。 MediaGXのCPUコア部分はCyrix5X86とほぼ同じである。

従って、今回の目標はそれ以下のスペックのCPUを使用して、 実用条件を探ることにする。 (ちなみに、JAMMIN' DVD2の動作補償範囲はPentium-166MHz以上である。 ハードウエア再生と言っても、その程度のパワーは求められる。)

現在たるさんが所有している486マザーは2枚のみ。 GIGABYTEのGA-486AMとGA-486VSである。 GA-486VSはVLバスだからPCIバスのJAMMIN' DVD2は 取り付けられない。 従って、候補は自動的にGA-486AMとなった。

現時点での手持ちCPUはintel486SX-25MHz、intel486DX4-100MHz、 Am5X86-P75(133MHz)、Cyrix5X86-120GP(120MHz)と数だけは揃っている。 (今時何に使うのか?と言われそうだが、捨てる事ができない性分である。)

そのほかのスペックもゴミベースのシステムとした。 なぜならば、このために新たなハードウエアを導入する事は ジャンクのリサイクルという範囲を逸脱してしまうからである。 使用資源はあくまでゴミ(ジャンク)である。

では、そのほかのスペック一覧を書き下してみよう。

パーツ 使用ジャンク 余談
ビデオ 無名ISAバス品 チップはET4000・ゴミ捨て場より生還
電源 ジャンク(ファンレス) PowerGood信号と-5Vを自作で追加
メモリ 4MB-SIMM×4枚 8MB4枚だと起動が少し速くなる。
SCSI AHA1520 プライマリIDE故障のためBOOT用
DVD-DRIVE GD-2500 日立製DVD4倍速
HDD SCSI-100MB IBM製WDS-3100(ゴミ捨て場より生還)
ケース ジャンク サブフレームの無いジャンク品


どうだろうか?  ここまでゴミになると、DVDドライブ以外は秋葉原のジャンク屋ですら 値が付かないものばかりだ。 これなら立派なゴミ減らし環境対策になると思うのだが...

ゴミ(ジャンク)どもの再生法
ビデオは保守時以外は使わないのでISAでも問題無し。
サブフレームが無いので、マザーはL金具とネジで取り付け。


なお、SCSI-BOOTとなっているのはGA-486AMのプライマリIDEポートが 死んでいるためである。 (そう言えば、前回のMediaGXマザーR543もFDDポートが死んでたっけ?) イカレポンチなマザーでも、使い方によっては十分役に立つというわけだ。

では、早速再生状況を確認してみよう。 今回はCPUの種類が多いので、まずは30分物の短編DVD1本でテストである。 テストに使用したのは、「ウルトラセブン」。 その、第29話「ひとりぼっちの地球人」1)とした。

また、1年半前の実験時にデータを取った組み合わせはそのまま結果を流用し、 あるCPUの低クロックでOKだった場合は同じCPUのより高いクロックでは 最初の数分を見て問題なければOKと判断した。 (今回はなんせCPUとクロックの組み合わせ数が多い。 仕事も忙しいので、その程度の手抜きは許してくだされ。)

使用CPU コマ落ち頻度 リモコンコマンド
Cyrix5X86-120GP コマ落ちごくわずか 2回に1回の割合で無視
Am5X86-P75 コマ落ち発生 2回に1回の割合で無視
intel486DX4-100 コマ落ち多し リモコンをしつこく押さないと...
intel486DX-50(40MHz駆動) コマ落ちわずか コマンド完全無視
intel486SX-25(33MHzOC駆動) コマ落ちかなり多し コマンド完全無視
intel486SX-25 パラパラマンガ コマンド完全無視


う〜ん、困った。手持ちの486ではいずれも力不足のようだ。 コマ落ちだけなら何とかなりそうだが、 モニタやキーボードも外してリモコンだけで使うDVD再生専用機なので、 リモコンが効かないってのは致命傷に等しい。

テレビの横に置いて使うためには、モニタ・キーボード・マウスといった パソコン装備はなるべく不要にしておくのが基本だから、これでは不合格である。

そこで、この結果を解析して対策を考えてみよう。

以前にも述べたことを含むが、ここから2つの事がわかる。 一つはコマ落ちに対してはCPUパワーよりもバスクロックが効くと言うこと。 (486DX4-100と486DX-40のコマ落ち頻度が逆転している事に注目。) もう一つは、今回使用したCPUではいずれもCPUパワー不足で リモコンのコマンドが通りにくいと言うことである。

☆SCSIでボトルネックの解消   
コマ落ちに対しては、PIO転送でもPCIバスを40MHzで 駆動できるCPUを使えば良い事がわかった。

と言うわけでリモコンコマンド無視の対策である。 しかし、486クラスでは2番目に高速なCyrix5X86-120GPを 使用してもダメということであれば、CPUの換装による演算パワーのアップ という手は使いにくい。

そこで、今回のリモコンコマンド無視のボトルネックを解析してみよう。 大体の推測は DVDプレイヤーとして余生を送る で報告している。 つまり、486マザーではチップセットがDMA転送をサポートしていないため、 CPUがPIO転送にかかりっきりになってしまう事がボトルネックである。

だから、CPUをPIO転送のくびきから解放してやればリモコンの コマンド無視も減ると予想される。

しかし、486時代のマザーでDMA転送をサポートしているマザーは、 たるさんの知る限り無い。(存在するという噂は聞いたことがあるが...) そこで、DVD-DRIVEをSCSI接続に変えてみた。 どうせ、BOOTドライブはSCSIでなければならないのでSCSIカードは必須である。 今やUSBに押され気味だがSCSIカードはムダにはならない。

ところが、さすがにAHA-1520ではDVD-DRIVEをJMMIN' DVD2が認識できなかった。 ハードウエアデコーダーのドライバがISA接続のDVDまでは 考えて作られていないようである。AHA-1520ではさすがに古すぎたようだ。

というわけで、AHA-1520をBT-950Rに交換である。 SCSI-RAIDも組める高級品を486マザーに入れるのはちょっともったいないが、 これでうまくいったらDC-390辺りを中古で買ってきて、後日入れ変えればいいだろう。

では、徐々にCPUパワーを減らしてどこまで再生できるか試してみよう。

使用CPU コマ落ち頻度 リモコンコマンド
Cyrix5X86-120GP コマ落ちなし コマンド無視なし
Cyrix5X86-120GP(100MHz駆動) コマ落ちなし コマンド無視なし
Cyrix5X86-120GP(75MHz駆動) コマ落ちなし コマンド無視なし
Am5X86-P75 コマ落ちなし コマンド無視なし
intel486DX4-100 コマ落ちなし コマンド無視なし
intel486SX-25(33MHzOC駆動) コマ落ちなし コマンド無視なし
intel486SX-25(25MHz駆動) コマ落ちなし コマンド無視なし


なんだぁ〜!? 486SX-25でも問題ないのか?  SCSI恐るべし!

コマ落ち確認のため、実写物より再生負荷の高いアニメでも 試してみたが、特に問題ないようである。

ランダムアクセスではそれほどのアドバンテージを示せないSCSIドライブであるが、 DVD再生といったシーケンシャルアクセスでの性能とCPU負荷率の低さでは 他の追随を許さないようだ。 IDEでのPIO転送と違ってSCSIはこういう用途には非常に効率がいい。 だから、25MHzという低いPCIクロックでもコマ落ち問題が発生しないのである。 (もちろんDVD-Driveの性能にIDE4倍速、SCSI6倍速と差があることもある。)

今回のマザーでは25MHz以下の設定が無いため、これが最低性能のCPUとなる。 というわけで、SCSI駆動とすることで、 486SX-25MHzといった超ショボいCPUでも問題なくDVDを再生できる事が確認できた。 (ただし、DVD再生には問題ないが、SX-25ではOSの起動時間でイライラする事は 覚悟しておいてほしい。マジで遅い!)

では、最後にこの状態でたるさんとっておきの「ノスタルジア」2) を鑑賞し、長時間動作テストを行って完了である。

☆まとめ   
DVD-DriveをSCSI接続にすることで、コマ落ちもリモコン無視も無くした状態で DVD再生専用機を作ることができた。 しかも、必要CPUパワーをMediaGX-180MHzから、なんとintel486SX-25MHzまで 格段に下げることが出来たのだ。 (さらに、クロック周波数が低いためファンレスでも十分な冷却が得られる。)

SCSIでCPU負荷を下げられる事は誰でも知っている話でとくに目新しい訳ではない。 が、結果だけ見ればかなり満足できる。 なぜならば、単純なクロック周波数で1/7以下、i486とCyrix5X86のIPC差を考えれば 実質1/8〜1/9程度のCPUパワーで再生できてしまう事を意味する訳だからね。

再び動き出したDVD再生専用機
写真はCyrix5X86-120GPだが、486SX-25MHzでもコマ落ちなし。
ただし、SX-25ではOSの起動が遅いけど...(^^;)


画質に関しても、概ね良好である。たるさんはPCマニアであって AV系マニアではないので、このリサイクルDVD再生機が AV系マニアの厳しい審美眼に耐えられる画質かと言われればさすがに自信はない。 しかし、たとえ「ノスタルジア」といった映像美系DVDでも、 普通の家庭用TVに接続して鑑賞するレベルならば DVDプレイヤーと遜色ない画質で鑑賞できる。

S/P DIF端子(同軸)もあるので5.1chサラウンドにも対応しているし、 S端子もあるから、目の肥えたマニアでなければこの機能でとりあえず十分だろう。 (今回の目標は、実用上十分な性能をいかにジャンクな品でリサイクルするか... だからね。)

さて次は問題点だが、2つある。 一つはリモコン・コマンドの処理が完了する前に次のコマンドを送ると、 ハングしてしまう場合があるという事。 リモコンキーの連打はできない。

もう一つは起動時間の遅さだ。(PCである以上DVDプレイヤーには勝てない。)

到達最低スペックは下記の通りである。

パーツ 使用ジャンク 余談
マザーボード GIGABYTE製GA-486AM プライマリIDE故障品
CPU intel486SX-25MHz ファンレスで静か!
電源 ジャンク(ファンレス) PowerGood信号と-5Vを自作で追加
ビデオ 無名ISAバス品 チップはET4000・ゴミ捨て場より生還
メモリ 4MB-SIMM×4枚 8MB4枚だと起動が少し速くなる。
SCSI BT-950 もっとショボくても問題ないはず
DVD-DRIVE DVD-303S パイオニア製DVD6倍速
HDD SCSI-100MB IBM製WDS-3100(ゴミ捨て場より生還)
ケース ジャンク マザー取り付け用サブフレーム無し
注:ただし、OS起動時間の遅さを考慮して最終的には CPUをCyrix5X86-120GPに戻した。

今、巷ではEdenを使ったDVD再生機が流行である。 ソフト再生になるためEPIA-E533での再生はコマ落ちが酷かったらしいが、 新顔のEPIA-MC933では高クロック化とMPEG2再生支援回路を搭載したことにより、 非常になめらかに再生されるようになったらしい。 Edenは発熱も少なく、ホームサーバーにも向いた優れものである。

しかし、廉価版DVDプレイヤーが\1万円台前半で買える時代に、 EPIA-MC933(約\18000)の購入は、たるさんのような貧乏人には財政面で辛い。 ハードに凝り出すと、資金が尽きてDVDソフトを買えなくなってしまうからである。 (Jammin' DVD2は今でもジャンク屋で時々見かけるが、\3000程度である。)

というわけで、ハードウエアの支援を借りれば486機(しかもSXの25MHz)でも DVD再生が十分可能であるということは覚えておいて損はないと思う。 なんせ、Jammin' DVD2とDVD-Drive以外はタダ同然で集められるパーツばかり である。

さて、こうなるとさらにショボいハードウエアでも試したくなる。 例えば、386マザーでもCyrixから出ていた1次キャッシュ付きのCPU (Cyrix486SLCだっけ?)を載せれば、ひょっとして十分再生可能なのではなかろうか?  おっと、386時代にPCIバス付きマザーは無かった。さすがに無理な注文ですな。




1)
たるさんは特に特撮マニアという訳ではない。これを使ったのは、この回に たるさんの母校がロケで使われたからである。 (なんせテスト鑑賞回数が多いので、こうでもしないとやってられない。)

いや〜、大学の敷地をポインターが走る走る。 しかも、うれしいことにロケだけでなくミニチュアセットの母校まで出てくるのだ。 ウルトラセブンとプロテ星人の戦いで懐かしの校舎が踏みつぶされる シーンは圧巻であった。(内輪ネタですみません。)

2)
英語能力ゼロのたるさんが英語字幕版を買ってしまおうかと悩んだこと 幾千万回。我慢に我慢を重ねて待つこと数年、昨年末 ようやく日本語字幕版が発売された。v(^_^)

この映画は「映像詩」と表現されるほど映像が美しい。 このため、ジャギーやブロックノイズといった画像のあら探しには最適である。 人間とは恐ろしいもので、自分の好みの映画ならばすぐにアラが目に付くからだ。

ちなみに、余談だが「たるさん」の名の由来はタルコフスキー監督作品の すばらしさにちなんで付けたものだ。

−注意事項−
この記事を参考に自分でDVDプレイヤーを作ろうと考えている方々へお願い致します。
お約束になりますが、すべて自己責任で行ってください。
問題が発生した場合でも責任は一切負いかねます。