初夢コラム(旧年の予想の当否編)   

2003年1月1日




☆旧年中の予想の当否(大外し編)   
さて、去年は新年に前年度の予想の当たりはずれと、 新年大ボケ長期予想を書いていたのであるが、 今年もまず去年の予想の総決算をしてみたい。

まず、大外しした予想から決算してみよう。 1)

なんと言っても外したのは、DRAMの秋葉原価格から見た景気予想である。 まず、あれから秋葉原DRAM価格と日経平均株価の連動性がどうなったかをグラフに加えてみよう。

SDRAM価格と株価の連動性
連動性こそ損なわれていないが、図中の○部で予想したトレンドは見事に外れた!

図を見ていただくとわかるのであるが、秋葉原SDRAM価格と景気の連動性こそ 失われていないものの、景気回復予想自体は見事にはずれてしまった。 あれ以降、肝心のSDRAM価格自体が急降下を開始してしまったためである。 (当然、遅れて株価も同様に急降下してしまった。)

秋葉原SDRAM価格の推移から景気回復を予想した時点(図中楕円部)の 秋葉原SDRAM価格上昇は株価の先見性を示せなかった数少ない部分であり、 それ以外の部分は両者ともに下降トレンドで一致している。

つまり結論としては、秋葉原SDRAM価格は 景気の先行指標になるという仮説は間違ってはいなかったが、 その秋葉原価格の推移がまったく予測できなかったため、 大失敗したということだ。 つまり、おおざっぱなトレンドでしか 秋葉原SDRAM価格からの景気予測はできないという結論である。

次に失敗したのはCrusoeネタであるといえよう。 たるさんは256bit化された次期Crusoe(TM8000のこと)の能力を 否定的に予想した。 atom数が増えれば増えるほど、並列化のオーバーヘッドが増すため、 CMS負荷によるロスが増えてトータルの処理時間が短縮できないと 考えたためだ。

しかし、発表によればTM8000の能力は噂によればすばらしいそうだ。 (たるさんは2倍の周波数で動くPen4よりさらに速いという あの性能は今でも信じられないのだが...)

まあ、この件については後日テーマアップしたいと思う。

☆旧年中の予想の当否(引き分け編)   
次に、メモリの予想であるがDRDRAMの敗北から始まるという予想は的中したが、 DDRの高速化が意外に進展しDDRIIへの離陸が遅れてしまっている。 この現状では、DDRII以降メモリのシリアル化が進むという予想の当否も そのまま後日へ延長となりそうである。

世間はDRDRAMの失敗にこりて、シリアルバス化は懲り懲りという風潮であるが、 たるさん自身はシリアルバス化は時代のトレンドと考えており、 自説を曲げる必要はないと考えている。 そもそもATAやPCIがシリアル化する中でメモりバスだけが パラレルであるという必然性が無い。 究極の姿はメモリバスの光ファイバー化だからだ。

というわけで、この予想については引き分け延長戦突入である。

また、UWBに関しては当否を決着するほど情報が入ってきていない。 未だ発展途上の技術であり、今後もワッチしてゆくつもりだ。 というわけで、これの決着も後日とさせていただきたい。

☆旧年中の予想の当否(ズバリ的中編)   
Hyper-Threadingネタにおける、 「HyperThreadingの本質は分岐予測ミスとキャッシュミスのペナルティー減に もあるのであって、Out-Of-Order機構の非効率性改善だけで すべてを説明するのは実情の1/3も説明していない。 」 という主張はズバリ的中したようだ。

たるさんはそのことをしつこく指摘してきたが、 雑誌記事でも、2002年版パソコン技術の年鑑(ハードウエア編)でも、 ようやくそのことに触れられる記事が増えてきた。

キャッシュミスのペナルティー減(メモリレイテンシの遮蔽)は プリフェッチ機構による先読み効果と並んで、 メモリレイテンシの問題を解決する切り札となるだろう。

Hyper-Threadingは低く評価されすぎていると思うし、 また、たるさんにはAMDが同様のSMT技術を導入するのも 時間の問題のように思えるのである。

次に、Baniasでは電源問題がより深刻化するという指摘も的中したようだ。

なぜならば、太陽誘電というメーカーがBanias用に専用の 電源対策部品を開発したというニュースが伝わってきたからである。

同社では、この部品を採用することでBaniasの電源問題を 解消できると主張しているが、このような主張をすること自体が Baniasの電源問題が深刻化している事実を証明している。

雑誌が言うように 「Baniasは消費電力が少ないから電源問題は発生しにくい」ならば、 このような対策部品は消費電力の大きいHyper-Threading対応の Pentium4にこそ必要なパーツだ。 少なくともBaniasで必要になるはずがない。

電源問題は絶対電力の大きさだけでなく、負荷変動の大きさにも 慎重な対応が必要である(つまり、Baniasでも電源問題は深刻)という たるさんの主張は的中したのである。

また、地球シミュレータに関するコラムは予想記事ではないが、 その後Web記事で今年のTop500に関する記事 (例えば TOP500に見るスパコンのトレンド(1) 世界1位はこの5年で演算性能27倍に) が出ており、内容的にたるさんとまったく同意見である事が確認された。

すなわち、地球シミュレータの圧倒的性能と、 ASCI Whiteの理論ピーク性能と実効性能の乖離についての意見である。

その記事では理由は不明とされていたが、ASCI whiteには 性能のボトルネックが存在することが指摘されている。 これは、たるさんの記事では「ネットワーク結合網の効率の低さ」 として解説した内容と同じである。

☆たるさんの予想能力   
というわけで、たるさんの予想能力は今のところ、 2勝2敗2引き分けの五分五分といったところだ。

去年に比べると的中率が悪いのであるが、まあ、トリ頭故に こんなところが妥当だろうなぁ。

そうそう、忍者の隠れ里的サイトであった当サイトも 何者かによってついに発見され、 旧年中に1万アクセスを越えるに至った。 (特に今年後半のアクセス増加は一体なんだったのだろう?)

これで織田信長に攻め滅ぼされた伊賀の里みたいに、 反対意見のカミソリメールやらヨタ記事に対する抗議やらが殺到するのでは? と思ったが、総じて暖かいご指摘が多かったのはうれしかった。

こんなタコサイトをご愛顧していただけるのもありがたい話である。 基本的にはホラ話・よた話中心であるが、 技術への関心は失わないようにネタ選びするつもりである。

また、トリ頭が考える技術ネタなんぞ他人から見たらお笑いネタかもしれないが、 そこはそれアマチュアの放言として書き込んでゆく予定である。 (ただし、仕事の関係で12月に続き1月は苦しいが。)

というわけで、皆様、今年もよろしくお願いします。




1)
技術系素人予想コラムでは、予想を間違えても 間違いをいっさい認めないWebがある。 自分の予想は百発百中とでも言いたいのであろうが、 見苦しいことこの上ないと思う。

「予想の当否をはっきりと見極められない予想は科学的とはいえない。」 と科学史家トーマス・クーンも言っている。 ここではそのような見苦しいまねはしないのでご安心を。