演算性能の電気料金化がもたらすもの。(PCマニア氷河期到来)   

2012年9月9日



☆接阻峡温泉で癒しの週末。   
まずはいつもの余談から。

週末状況なのであるが、最近は記事が書けていなかったのにはじつは理由があった。 今年は5月頃から超激務状態になり、 しかも資格試験だけではなくTOEIC(英語大の苦手なんです。)とか、 専門分野外の講習とか... 7〜8月に至っては夏風邪で寝込んだ2日間とお盆休み中の家族日帰り旅行を除いては 事実上の休日ゼロ状態。 去年、あと1科目まで課目合格した資格試験も、 全然勉強する時間が取れないので今年は捨てざるを得ない状況だし...

そうそう、資格試験と言えば、この激務状態発生以前では、 去年環境計量士の濃度分野に合格したこともあって同試験の振動騒音分野にチャレンジしていたのである。 この場合は去年の合格証によって一番苦手な法規分野が科目免除となるので あとは濃度測定分野に代えて振動騒音分野を勉強すればよいし、 こちらは自己意識受験なので戦闘モードに入る事ができたからだ。

で、結果はと言うと32/50問で合格。1) この時はまだ激務状態では無かったし、 久しぶりの良い話なので今回はしっかり一息入れてOK。 ということで仕事疲れと勉強疲れを癒しに温泉に行っていた。

で...直近は余談を書く写真など1枚も撮れていない状況なので、その時の写真を掲載。 癒し先であるが、旧居で仕事があったので、ならば懐かしの寸又峡温泉か接阻峡温泉 にしようと思った。どちらの温泉に入るか悩みながら車を走らせていたのだけれど、 寸又峡温泉は過去に友人から誘われたこともあったので、先に行くのは接阻峡温泉と思ったね。

接阻峡温泉で一息。
すばらしくお肌ツルすべとなる良泉である。周囲はまさに山奥の秘湯風景。

この接阻峡温泉、いかにも秘湯という山奥にあって、仕事疲れ、勉強疲れの癒しには最適。 温泉は典型的な炭酸水素ナトリウム泉で、お肌ツルすべ。 泉質という意味では当サイトも自信を持ってお勧めできる良泉だ。 浴槽は数人で満員という小さなものだけれど、山奥の秘湯なのでこれでも激混みとなる事は無かった。 (料金がたったの\300というのも非常に良心的。 この泉質ならば\500でも誰も文句は言わないと思うのだけれど...)

温泉の窓からは近くの風景が見えて、 温泉街とは言っても寸又峡温泉と違って規模は小さく周囲は民宿数件と農家のみ。 コンビニよりも小さい個人商店があって小売り商品を売っていたのが、なんだか昭和を感じさせたね。 「楽しむ」というよりはむしろ「癒す」という意味で、とても良い観光地であった。

千頭駅でSL見物。
当然のことながら観光客はSLマニアが多く、到着後もSL撮影に殺到していた。

で...当サイト自身はSLマニアというわけではないのだけれど、 せっかく大井川鉄道の終着駅付近まで来たのだからと、帰り道では千頭駅でSLを見物した。 当然ながらSL自体にはSLマニアがたくさん乗車しているようで、 終着駅であるにも関わらず下車したお客は駅外へは出ず、次々とSLを撮影していた。 これだけ山奥だとローカル客だけで鉄道経営を成り立たせるには難しい乗客数だろうから、 SLで観光客を引きつけるというのは温泉街ともタイアップした創意工夫の成功例と言えるだろうね。

超円高で国内観光にも激震が走っているわけだが、 SL観光+レトロな癒し温泉という接阻峡・寸又峡温泉は、 今だからこそのお勧め癒し観光地なのではないだろうか?

☆究極のタブレット、究極のクラウド時代は来るのか?   
と言うわけで本題へ。 今回はタブレットとクラウドの今後について考えてみた。

当サイトのタブレット・クラウド予想ネタとしては数回前に こんなコラムを書いていた。 ただ、当サイトの最終予想はほぼすべての演算性能をクラウドから借り受ける事になるだろうと想定していたのだけれど、 現段階ではクラウドはまだ補助的存在であって演算能力の主役ではない。 この状態が今後も永遠に続くのならば当サイト予想は間違いであるという事になる。

だが、当サイト自身はこの予想にほぼ完全な的中度を確信しており、 タブレットのクラウド依存化進行は当たる当たらないの問題ではなく、 いつどれくらい当たるのかという問題だと思っている。 と言うのも、直近の半導体業界の動向が当サイト予想の進行を証明しているからである。

いくつか例はあるが、たとえば こんな記事 が参考になるだろう。 当サイトが過去に予想したタブレットの究極の進化形は、 クラウドでのこの方向性とタイアップする事が大前提なのである。

この方向性は、ハードルこそ高いが当サイトの主張を成立させるためには必須アイテムとなる。 この技術が完成した後には、クラウドによる直接かつすべての演算依存が可能となるからだ。 (また、この用途ならばGPGPU用途での仮想化ができなくても致命傷にはならないからね。)

もちろん、これはデータ通信量の肥大化を招くため現段階では最適解とは言えない。 現状だとデータ処理コストよりもデータ転送コストの方が断然高価だから、 通信量を最小化できるステージでのクラウド依存という方向性が最適となる。 つまり、現段階ではグラフィックはパーソナル部分でやらせた方が良いだろう。 その意味では当サイト予想が直近で的中する可能性は低いと思う。

ただ、当サイトが約10年前に書いた予想とは「10年」という予想期間が示しているとおり、 短期予想ではなく長期的な予想である。 つまり、時代のトレンドとしてパーソナルからクラウドへの切り替えが確定すれば予想的中となる。 では、その切り替えはどの段階で発生するのだろう?

分岐点はクラウド化によるデータ処理の高度化・低コスト化メリットと データ転送情報量の肥大化によるデメリットのバランスがどこで逆転するか? およびクラウド対応した仮想パーソナルアプリがユーザーの既存キラーアプリを 完全に置き換えられるようになるのがいつか?という2点の話だと考えている。

データ通信におけるバンド幅の増大は、以前書いたとおり当サイト的予想通りには進行しておらず、 10年前よりペースは鈍っている。つまり、予想が完全に的中する段階は当初の推測よりも遅れると考えている。 ただし、通信業界でもデータ通信量の爆発的増大に対する対策が今後の大問題として定説化しつつあるようだから、 当サイトの予想的中へ向けての方向性が今後急激に進行していくだろうと考えている。

当サイトの以前の予想では低パワー・高バンド幅型の通信が主流になると ここで書いていたわけだが、 幸いにして低パワー・高バンド幅型は1基地局あたりの設置コストが 高パワー・低バンド幅型の基地局よりも安くできる。 もちろん基地局数は増えてしまうのでトータルコストとしては難しい話ではあるのだけれど、 携帯電話と違ってパーソナル間での通信が成立するかどうかは問題点とはならないから、 自分の使用圏内で基地局ができれば何の問題もないからだ。 (サーバー側が基地局外で通信できないなんて事は原理上発生しないですからね。)

☆ちょっと愚痴。PCマニア氷河期到来。   
で...このような時代になったら、もうPCは物理的にはパーソナルでは無くなってしまう。 なんと言えば良いか、パーソナルの仮想化とでも言うのですかね?

その時代がやってきたら、PCは見かけ上はパーソナルなままなのだけれど、 実態はクラウド中にほぼすべての演算性能を吸い取られている事になる。 パーソナル部分はデータ通信の圧縮・解凍や暗号化と、万が一データ通信ができなくなった場合の 非常用最小演算性能部分のみとなってしまうだろう。 そうなったとしたら、圧縮・解凍や暗号化は専用ハードウエア化した方が高性能で低消費電力だろうから、 PC部分の演算性能は今までの性能向上ペースが不要になってしまうだろう。

いや〜、こんな話を書いていても、パソコンマニアとしてはこれは認めたくはない。認めたくはないけれど... クラウド部分の性能さえ上がれば、PC部分の性能はそれほど上がらなくても良いなんて時代がやってきたら... いや、これはやってくる来ないの問題ではなく、いつ来るかという時間の問題なわけだが... それは我々パソコンマニアにとって永遠の氷河期到来ではないか...

自作PCが無くなってしまうからといって...クラウドのデータセンターへPCマニアが出かけていって、 自作クラウドを作らせてくれるのか?  いや、そんな事があるわけがないですよね。 (まぁ、自宅にパーソナルクラウドを置くという手は一応あるわけだが...)

あぁ、書いていて悲しすぎる悲劇の当サイト予想である。 当サイトは約10年前にこんな記事を書いて、 演算パワーの電気料金化を予想していた。 この話は10年も先の予想なので自分自身でもこの予想が的中するかどうか当時はあまり自信が無かった。 なので、それほど悲観的には書いていないわけだけれど、 「パーソナル」なる状態が物理的に実現されていた時代から仮想化される時代への変化には ハードウエア系PCマニアはついて行けないのである。

友人のPCマニアからは「だから、ハードじゃなくてソフト系の趣味にしておけば...」 なんてずいぶん前から言われていたわけだけれど... しかも、ハードウエア系のPCマニアはそのマニア趣味スキルが仕事で生かせるケースはあまり無いわけだが、 ソフト系マニアに移行しておけばそのスキルはクラウド化された業務形態でも直ちに役立つわけだけれど...

この時代、プログラミングスキルが全く使い物にならない業界はほとんど無いわけだし、 ソフト系PCマニアにとってはクライアント仮想化にスキルがより柔軟に生かせる時代になるわけだしね。 (一応、当サイトも低ランクとは言え情報処理系国家資格は持ってはいますが...)

趣味をスキルアップに結びつけるやり方は「好きこそものの上手なれ。」を生かした 上手なスキルアップ戦略ではある。 当サイトも、専門分野が化学でありながらコンピュータ系や無線系の知識を少しだけ持っている事が それぞれの分野の専門家をつなぐ「技術の通訳」としてリストラを防いでくれた経緯が過去にはある。

でも、趣味は決して仕事ではなく、あくまでも趣味ですからねぇ。

☆演算性能の電気料金化がもたらすもの。(市場が増えても利益は増えない。)   
おっと、愚痴ってしまったが、本題へ戻って... このような時代となると、PCの自作とはたとえて言えば いわば「私は電力会社から電気なんて買いません。全部自家発電します。」 なんて言っているようなものである。

サーバーはユーザーを複数で使い分けられるから、 PCでは使わないときには電源を切って稼働率が低下する状況を 常時稼働する状態に持ち込む事でコストを下げられるし、 そもそもクラウドはPCよりも格段に大規模だから単位演算性能あたりの 投資金額はPCよりも安くて済む。

つまり、通信コスト問題さえ解消できれば、PCよりもコスト面でも安くできるわけだ。

CPUもPC向け設計からクラウド向け設計へと徐々に移行していくのだろうし、 そうなるとwintel的な成長戦略は崩壊してGoogle EarthならぬGoogle ARMなんて言われる時代になるのでしょうかね?  なぜって、現状ではARMはintel製品群よりもシングルスレッド性能が低くて このままではPC用途では必敗の状況なわけだが、 演算性能がクラウドに吸い込まれてしまえばPC側では一定の性能さえカバーできれば あとは一切問題ないわけだしね。

あっ、でもその場合はクラウドでも一定のシングルスレッド性能が必要となるから、 クラウド側では現状のARMではダメだね。intelはそちら方面でのARM阻止による復権を狙うだろうし、 ARMはシングルスレッド性能アップに本気で取り組んで行くことになるだろう。 勝負所がPC向けからクラウド向けに変わっていく事がここから予想できるわけだ。

ともあれ、演算性能の電気料金化が進行する状況は、 たとえて言えば一般家庭の手作りご飯を格安外食店が取り込んでいった状況のようなものであろう。 最初に発生するのは「絶対性能」から「単位演算性能あたりの価格と消費電力」への評価基準の移行。 そして、これが行き過ぎると、その昔格安牛丼屋で発生した過剰低価格化による勝者なき消耗戦状態となり、 業界そのものが成長力を失う状況となる。

ではGoogleのようにユーザーの検索関係で利益を出す方向性とタブレットによるユーザーの取り込みを 連携させれば高利益は維持出来るのであろうか?  これは単純な販売とは違って短期的には正解であろう。 ただし、とは言っても無限の付加価値を生み出すわけではないから、 タブレットの低価格化が進むとそこが負担となって意味が減っていく。 (それなら、そこを他社任せにする方向へと転換して行けばよいのかな?)

営業形態的には、プリンタにおける「低価格赤字プリンタ+高価格黒字インク戦略」とか、 カミソリにおける「低価格赤字カミソリ+高価格黒字交換刃戦略」みたいな考え方、 つまり、「低価格赤字タブレット+クラウド高利益吸収戦略」も考えられるのだけれど... コンテンツ部分は新規需要を作り出さない限りは一定期間後に急成長から急飽和状態に移行することが 既にわかっているわけだし、検索情報を利用する現状の営業形態は一定条件内では上手く行くだろうが、 これは既存の推定範囲を逸脱できないと思われるし... 当サイトでは新規急拡大を維持する手法を思いつけないわけ。

つまり、アップルなどは、今でこそブランド力と高付加価値化で非常に良い業績を出してはいるが、 そもそもこの方向性ではいずれコスト競争時代に移行する事は明白である。 今の状況に油断しないで、「次世代の付加価値とは何か?」を考え出して行かないと、 タブレットやクラウドに対して「あの成長時代はどこへ行ってしまったのだ!」 と言われるような、低利益時代への急転が発生すると思われる。 要するに演算性能の電気料金化は短期的には急成長をもたらすけれど、長期的には飽和衰退要因なのである。

前回は当サイトが約10年前に出現を予想していたタブレット+クラウドという話を 検証していたが、この結果から、今回はさらに10年後の予想をしてみよう。

当サイトのさらに10年後の2022年の予想とは?  タブレット+クラウドというPC形態は今後急拡大を遂げるが、 この急成長は意外に短期間(4〜5年?)で収束を迎えるだろうと考えている。 4〜5年というのはドッグイヤー感覚で言えば一見長く思えるのだけれど、 従来型PCの発展期が何年続いたかを考えれば全然短い期間ですからね。 (PC-9801時代はもう30年も前のこと。つまり、従来型PCの発展期は30年も続いたのである。 ドッグイヤー的進歩の速さをもってしても発展期が30年も続くなんて、驚異的としか言いようがない。)

その後は想定外の低成長時代を迎える事になるだろう。 10年後のタブレット+クラウドは今で言う電卓みたいな存在になっており、 誰もが使う普及率を誇ってはいるだろうが... 製造会社や運用会社は絞られ、さらに勝ち組生き残り企業であっても今のような高利益企業ではなくなっていると思われる。 電卓の残存2社は勝ち組ではあるが、でも今となっては高収益企業ではないですからね。 (Google等は「新規展開」ではなく「本業回帰」によって高利益を維持する方向へと転換する事になると思われる。 この時代でも本業ならば儲けられると当サイトは考えている。)

究極のタブレット、究極のクラウドが出現すればこの状況は阻止できるか?  とんでもない! それはこの状況をさらに拡大推進するだけなのである。 市場拡大はイコール利益向上となるわけではない。 競争激化による低価格化が市場を拡大する場合は、売り上げ増大・利益低減という状況になる事が結構あるのだ。

この当サイトの予想が外れる可能性はたった一つしかない。 それは、第二のジョブズがこの世に現れてポスト・タブレット+クラウド時代を作り出す 画期的ブレークスルーを成し遂げ、次世代の付加価値を作り上げる事である。 直近の急成長に油断して次世代開発を見過ごすようなことは、決してあってはならないのだ。



1)
去年は自分の専門分野である濃度分野で33/50問の正答率だったので、 一応合格したとはいえその筋のプロとは言えない面目丸つぶれの状況だった。 だが、今回は全然専門外の振動騒音分野で32/50問で合格。 しかも、今年は試験問題の難易度が非常に高かったようで、 合格基準点が過去最低の23/50問と正答率50%以下でも合格の状況だった。 (この基準点でさえ合格率は18.9%。)

今回は自分の専門分野外なので得点が何点でも合格さえすれば素直に嬉しいわけだけど、 専門分野と専門外分野で正答率が1問分しか違わないとは... またしても、とても複雑な気分であった。

環境計量士(振動騒音分野)に合格。