仕事疲れを祭りで癒す。(亀崎潮干祭)   

2012年7月8日



知多半島は山車祭りの本場。   
さて、今回は久々のお祭りネタで一息。 PCネタ優先で話を先延ばしにし続けていたGWネタ。 亀崎潮干祭である。

この亀崎潮干祭、お祭りは愛知県の半田市亀崎で行われる。 半田市は知多半島の根本にあり、知多半島は山車祭りに関しては全国でも本場中の本場。 半田市に限らず周囲では各種山車祭りが行われる。 お祭りマニアにとっては垂涎の地域なのだ。

当サイトの場合は平日に行くにはちょっと遠いので、実家に帰るGWでとなった訳だが、 GW中のお祭りなので道路も渋滞が予想され、対応策として今回は電車移動。久々にJR武豊線を使用した。 (知多半島への電車移動は、その昔半田市住吉町で技術講習を受講したとき以来のこと。懐かしいねぇ。)

駅前からは会場の海岸際まで一息の意味を込めててくてくと歩くことにした。 目的地は神前神社とその前方にある海浜。 駅前こそそれほど混雑してはいなかったのであるが、目的地に近づくにつれて人がどんどん増えていく。

と...旧市街を神社に向かって歩いていたら、観光客の数がさらに増えた。 「おっ、山車が近いのだな!」と思っていたら、その先に予想通り山車が見えてきた。 到着してみると、GWという事もあって周囲はかなりの混み具合。 自動車で見学に来る人たちのために臨時駐車場も準備はしてあるのだけれど、 この状況だとやはり公共交通機関の利用が最適解と思われる。

神社の近くでは山車が止まっていて、観光客が写真撮影中。 危険防止のため見せ所の海岸では山車に近づけない事は当サイトもわかっているので、まずはここですべての山車を撮影した。

亀崎潮干祭の山車。
ここ知多半島は山車祭りの本場である。

その後、一息入れていた山車がついに動き出した。 この山車祭りのハイライトは「海浜曳き下ろし」。 以前紹介した三谷祭りと同様に山車が浜を移動するのである。

ここ亀崎では伊勢湾台風の大災害の経験もあって防潮堤が強化されているが、 そのため過去には海浜曳き下ろしができない時代もあったそうである。 しかし、海浜曳き下ろしは祭りの看板だけに、 山車が海岸に移動できるように防潮堤に山車通過用のゲートが追加工事され、 祭りのために砂浜が再現されたのであった。

というわけで、海岸は観光客で激混み状態ではあったが神前神社近くにある亀崎海浜緑地に山車が到着。

祭りの見せ場、海浜曳き下ろしへ向けて山車が海岸へ。
山車祭りではあるが、見せ場は神前神社直前の海岸で行われるのである。

砂浜でのきわめて難しい山車操作が海浜曳き下ろしの見せ場。   
今回は山車が三谷祭りのように海の中に突入する訳ではないが、海岸の砂浜をわずかに海中に浸かって動く。 舗装道路と違って砂浜なので、当然のことながら山車の操作は難易度が極めて高い。 まして、自動車と違ってあの形状なのだから重心がかなり高いはずで、 いい加減な操作をしてしまえば横転だってあり得るだろうからね。

今年の海浜曳き下ろしは4台目まではきわめて順調で、 まるで舗装道路を動いているような挙動で順調に動いていった。 見学者から見れば当たり前の動作に思えてしまうところがまさに腕の良さだけれど...


砂浜での山車の操作は通常の舗装路とは格段に難易度が違うはずだが...
スムーズに回って海浜で整列開始。

と思っていたら...

重量が重くて重心が高い山車は海中移動の難易度が極めて高いという現象は、 今回のお祭りでもラストのラストで事が起こった。 海中移動は4台目までは順調であったものの、 最後の5台目の山車は海中で進行方向を変えるのに大きく手間取ってしまったのである。

一度車輪が砂浜に埋まってしまうと動かしにくくなってしまうため、 突如引っ張っても引っ張っても山車が動かない。 砂浜で山車が動けなくなると、引っ張るごとに山車が揺れてさらに車輪が砂に埋まってしまう。 山車が揺れれば揺れるほど砂浜に埋まって車体がロック状態になってしまうのである。

他の山車の人たちは依頼がない限り助けに行けない決まりになっているそうで、 最後は動けない山車から依頼が出て、他の山車から救援に多くの人たちが集結。 人員数が一気に増えて、「ヨイサー、ヨイサー!」のかけ声の下で山車が強烈な牽引力で豪快に動き出した。



重量の重い山車は砂に埋まりやすいので、操作は大変。

一度埋まってしまうと動かすごとに沈んでいき、悪循環に...ここぞ、まさに腕の見せ所である。

おぉ、見事に山車の再起動達成である。 これには観光客も感動で、山車が動き出すと周囲から大きな拍手が鳴り響いていたのであった。

と言うわけで5台の山車が海岸に集結。 この難易度の高さ、まさに祭りでの腕の見せ所ですね。

新聞の1面にも掲載されるお祭りの見せ所。
神前神社のご神前にある広場で人形技芸奉納も。

この亀崎潮干祭、翌日には中日新聞の1面に写真が掲載されていたりもして、 認知度も結構高いようである。 お祭り会場である海岸も結構な人だかりであり、特に写真撮影に便利な防波堤は結構な混み具合であった。 (当サイトの写真にも反対側防波堤の激混みぶりが写っているが、当サイト側もこれに近い状況。)

余談だけれど、今でこそ周囲は近代的な工業地帯であり、お祭りイメージとは一致しないのだけれど、 元々は漁業メインの町であった。このため、お祭りでも「串あさり」が売られていた。

串あさりとはアサリを串刺しして天干した保存食。 その昔は各家庭で普通に保存食として作られていた町の名物であったが、 工業化が進むにつれてアサリが捕れなくなっていったので、 最近では取扱店も1店舗までに減っていた。 だが、お祭りでの町おこし商品として復活させたのだとか。

寂れた田舎町ならば町おこしもわかるのだけれど、 周囲がこれだけ工業地帯として発展しているのならば町おこしが必要かのかな?と思ってしまうのだけれど、 実際には町おこしと言うよりは文化の継承に近い話なのだろう。 技術の進歩によって保存食が干し物という時代は終わりかけている訳だが、 だからといって町の食文化が消え去ってしまうというのも文化継承という意味での大きな損失なのだからね。 (それに、味はかなりおいしいらしいし...)

ともあれ、この日は前日に行こうと思っていた垂井曳山祭が大雨で行けず、この祭りと日程が被ってしまった。 このため、残念ながら人形技芸見物までは時間が回せなかったのがちょっと残念。 この後は岐阜県垂井へ移動したので、次回の余談は垂井曳山祭の話かな?

と言うわけで、無茶苦茶な仕事で仕事疲れの当サイト。それをお祭り見物で癒したGW。 工業地帯として発展している半田市亀崎で古風な文化継承を楽しんだGWは、 久々の癒しの原風景だったのでした。