通信における「It's the Bandwidth.」の時代。   

2012年3月25日



まずはいつもの余談から...と言いたいのだけれど、 今回も週末に遊びに行ける状況ではなかったので、今回は余談は無し。 PCいじりもちょっとできなくて、資格試験が終わったにも関わらず久しく秋葉原にも行けていない。

と言うか、自作PC界も長期凋落傾向が止まらない。 地元ショップでのPCパーツ扱いは取扱製品数が大幅に減っているし、秋葉原ショップも漸減が続いている。 書店に行ってもPC系雑誌は隅に数冊あるだけで、売れ筋の置き場はタブレット系の趣味雑誌になってしまっている。 今に始まった話ではないとは言え、ちょっと悲しいねぇ。

まぁ、写真が一切無しでも悲しいので、ここでカメラを持って最後に秋葉原に行ったときの写真を掲載。 (携帯の写真だと話にならない位に画質がボロボロなので...) と思ったのだけれど...デジカメを見てみたら肝心の秋葉原では写真を撮っていなかった。

で...このときは秋葉原だけではなく池袋や江戸川橋周辺に行く用事があったので、 メタボ対策として秋葉原からてくてくと歩いていた。 その際に、久々の東京景色を思い出にと撮影していたので、秋葉原に代えて観光風景を掲載。 (このサイトの読者様ならば秋葉原風景を見ても見飽きている方々が多いだろうし...) 江戸川橋から池袋に行く途中で撮影した懐かしの東京カテドラル聖マリア大聖堂と護国寺である。

懐かしの護国寺と聖カテドラル。
これ以前にこの前を歩いたのはもう十年ほど前のこと。

☆10年前の当たった予想、当たらなかった予想。   
と言うわけで本題へ。 今回は当サイトの過去の予想の内で、予想が外れた部分に注目して再考してみる事にした。

当サイトの過去の予想の内で約10年前に書いたことには、当然のことながら当たった予想と外れた予想がある。 当たった予想で結構自慢できそうなのは、クラウドという言葉すらなかった時代にクラウドの出現を予想できていたこと。 (当時はグリッドコンピューティングが時代の覇者になると経済評論家たちに言われていた時代。) もう一つはタブレットという言葉すらなかった時代にタブレットの普及を予想できていたこと。 (当時はタブレットという言葉すらなかったので、当サイトでは「携帯ライクなモバイル情報端末」と書いていた。) この2点は2002年1/8〜2003年1/2のコラムに10年後の予想として書いていたから、実現時期もほぼ正確に読めていた。

ただ、もちろんのこと全ての予想でこのような的中度を誇れるわけではない。 当サイトが今最大の予想ミスだと思っている点を掲げてみよう。 それは、通信バンド幅が想定通りに伸びていなかったことである。

当サイトは2002年1/2に10年後(つまり2012年頃)のPCをこう予想していた。
「−たるさんの鬼が笑う予言−
10年後のPCは、携帯ライクなモバイル情報端末となる。 パソコン本体はスーパーコンピュータから演算能力をレンタルする方式となるであろう。」


この予想は見ての通りタブレットそのものなのであるが、前提条件がクラウドからの演算能力のレンタルなのである。 現状のタブレットは、まだそこまでクラウド頼りにはなっていないが、 これは時代がまだ当サイトの予想にまで届いていないだけの話。 タブレットがクラウドから演算能力を借りる割合は今後増えることはあっても減ることは一切ない。 かのアップル自身もタブレットとクラウドとの連携を今後深めていく事を宣言しているわけだし、 当時はボロクソに言われたこの意見も、現段階ならば異論を唱える人はほとんどいないと思う。

しかし、この方向性が成立するためにはクラウドからのデータを常時安定に伝送できる必要がある。 この場合のボトルネックは当然のことながら通信バンド幅である。 上記記事を書いた約10年前には実は通信バンド幅の増強ペースが今よりも格段に早くて、 当サイト自身も「このペースならば、10年後にはスパコン(クラウド)からの情報伝送方式でも問題ないだろう。」 と考えていたのだ。

ところが現状は通信バンド幅の増大が思うようには進んでおらず、その結果タブレットどころかスマホベースでさえ バンド幅ボトルネックが発生しようとしている状況なのである。 何のことはない、当サイトがよく言う無能評論の典型例「現状の延長線上に将来のトレンドを読む。」 という大ポカをバンド幅予想に関しては当サイト自身がやってしまっていたわけだ。

☆これからこそが、まさに「It's the Bandwidth.」の時代。   
と言うわけで、ここから一つの予想ができる。 つまり、タブレット+クラウドという時代のトレンドが続いた場合、 一番の問題点は通信バンド幅不足であるという事だ。

ただ、問題は通信バンド幅問題はタブレットの作り手側が解決する問題ではないという点である。 (データ圧縮という手法では、一定の改良はできるだろうが抜本的改善は不可能。) たとえば現状ではアップルやサムスンがタブレットを作っても、彼らが通信バンド幅改善の設備投資をする訳ではない。 日本の場合は通信業者である。

もちろん定額制をやめれば基本的には通信量の増大は通信業者にとって収入増につながるわけだから長期的には良い話ではある。 ただ、彼らから見ればタブレットの普及による急激な通信バンド幅の増大は 設備投資計画を突如大幅に覆される迷惑な一面もあるのだ。 (通信量の急増による通信トラブルが発生したときに、その通信量を急激に増やした製品が主因と考えるべきなのか、 通信業界の設備投資に対する予測能力不足が主因と考えるべきなのかは、非常に難しい問題である。)

では、バンド幅増強に有利なシステムとはどのようなものだろうか?

通信の数が増えるならば基地局が多くできる低パワー高バンド幅タイプが良い。 また1局のバンド幅が増えるのならば、シャノンの定理から考えれば パワーを上げるよりも帯域幅を増やす方が有利であるから、局数を増やす必要がある。 (通信周波数全体での帯域幅は法的に周波数範囲が決められているため、 同一帯域幅で1局あたりの帯域幅を増やすためには基地局1局あたりのユーザー数を減らす必要があるから。) この場合は、ハイパワーのままだと基地局間で電波が被ってしまうから、やはり低パワー高バンド幅タイプが良い。 つまり、局数の増加についても、1局あたりのバンド幅増大についても、 基地局を低パワー化して局数を増やした方が有利なのだと思う。

つまり、原理原則から言えば携帯電話系のハイパワー長距離技術よりもWiMAX系の短距離系手法が優れている訳である。

当サイトはこのように思っている。 つまり、通信バンド幅の確保や通信数のアップに対応するためには、基地局数増加というデメリットを許容してでも ユーザー数・バンド幅需要の増大に対応しやすい低パワー高バンド幅タイプの通信方式が欠かせないという事である。

また、この場合は基地局間を結ぶのは有線通信であるから、 無線だからと言って有線の負荷が小さいと言うことはなく、有線通信帯域幅の影響度も大きいという点である。 (幸いにして日本の有線通信は諸外国よりも成熟しているが、今後の通信量の伸びを考えればそれでも苦境が訪れるはずだ。)

と言うわけで、有線・無線を問わずデータ通信量の爆発的増大にいかに備えるかが 今後のPC系用途での最大の課題のような気がする。 つまり、今後の時代のトレンドはまさに通信における「It's the Bandwidth.」の時代なのだと考えている。