回転寿司店で考えたこと。(廉価でも高収益は実現可能。)   

2012年1月31日



☆鹿島神宮と塚原卜伝。   
まずはいつもの余談から。

掲載内容としてはちょっとタイムラグ開きすぎではあるのだけれど... お正月の余談は実家から行った関鍛冶伝承館再訪の件であった。 だが、関鍛冶伝承館は神社仏閣ではないので今年の新年は別途成田から初詣に行ってきた。 で、去年は成田山新勝寺なわけだが、毎年同じ写真というのも何なので今回は新勝寺以外が狙い。 成田近傍で新勝寺以外の古刹名刹と言うと、佐原の香取神宮、鹿島の鹿島神宮辺りが有名だ。

どちらにしようかと考えていたのだけれど、 当サイトは大学時代に夢想神伝流居合道を習っていたし、 旧年年末にNHKで塚原卜伝由来のBS時代劇をやっていた事もあって、 剣豪由来の鹿島神宮に行くことにした。 ここ鹿島神宮は塚原卜伝由来の鹿島新当流で有名な、いわば剣の聖地でもあるのだからね。

剣術の聖地、鹿嶋の鹿島神宮へ。
初詣で本殿は激混み状態。

ここ鹿島神宮を訪れたのは約10年ぶり。 到着してみると相変わらず良い意味で古風で、写真の通り参道がいかにも神社という風情。 東日本大震災で大鳥居が倒れてしまったりと被害も大きかったらしいのだけれど、 懸命の努力で復旧も進んで風情も復活。 到着日は初七日ギリギリの最終日だったのだが、それでも結構な混み具合。

鹿島神宮の奥宮。
風情のある参道を歩いて奥宮まで行くと...奥宮はいかにもという風情。

本殿と違って奥宮はさすがにそれほど混んではいなかったので、しっかりとお祈り。

で...せっかく居合道を習った者が剣の聖地・鹿嶋に来たのだからと、 ちょっと離れてはいるが塚原卜伝の墓も訪問。 建物は最近造られたものなので当時は墓石のみだったはずで、 「いくさ参戦37回、真剣勝負19回を行ったにも関わらず6つの矢傷以外には生涯かすり傷一つ負わなかった。」 という実力者の割には質素なお墓であった。 (逆に地位や名声へのこだわりのなさを感じるね。) 剣の道を究めた剣聖のお墓なのだからと今年の実験目標達成と資格試験リベンジの達成をお祈りしておきました。

剣聖、塚原卜伝の墓。
その名声の割には意外に質素なお墓でした。

その後はと言うと、塚原卜伝のお墓で試験合格のお願いを祈願したのだからと、 鹿嶋市立図書館まで行って今年最初の初修行ならぬ初試験勉強。 「天は自らを助くるものを助く。」という言葉もあるわけだしね。 (この図書館は鹿島神宮のすぐ裏手にあるので、神宮からの徒歩移動が十分に可能。)

む〜、まずいぞ。各種公式、もう忘れてしまっている。 もちろん公式は基本式から計算で導き出すことは出来るのだけれど、 資格試験ではその時間的余裕は無いし... 記憶力皆無の当サイトにとっては、公式暗記は最大の弱点なのだ。

まぁ、正直に言うと最低4時間は勉強しようと思っていたのだけれど、 集中力が続かず2時間保たずに帰り支度が我ながらちょっと情けないというか...

☆脱ルーティンワーク化。原点へ戻れ作戦は有効か?   
と言うわけで本題へ。 今回は鹿島神宮の帰り道で回転寿司屋に行ったので、 そこで回転寿司を食べながら脱パソコン衰退期ネタを考えてみた。

さて、PCが情報産業の中心点から外れはじめているというPCマニアにとって残念な時代、 いわば「PC時代の終わりの始まり。」になっているという話を当サイトが書いたとしても異論を唱える人は居ないと思う。 なぜそのような時代になったかというと、人によっては「ジョブズのブレークスルー」、 人によっては「三つのウォールによるCPU能力アップの停滞」。

そして当サイトもこの二つの意見を否定はしないが、 当サイトが考えるメインの理由は「ユーザー需要のルーティンワーク化」である。 情報産業に限らず、すべての産業で用途のルーティンワーク化が始まると絶対性能向上から高効率化と低価格化への トレンド転換が発生すると当サイトでは考えているからだ。

前回、当サイトではルーティンワーク化を避ける手法としては高性能需要の新規開発しかないと書いたわけだが、 残念ながら新規のアプリがどんなものかを提案する事が出来なかった。 そこで、問題が停滞したときに考える方法を思い出してみた。

大学時代に教授から教わったこととして、 問題点が解決できないときにすることの基本とは二つあって... 一つは「原点に戻れ。」もう一つは「異分野に学べ。」

まずは「原点に戻れ。」ですか... PC産業の原点って、そもそも何なのだろう?

PCがまだDOSベースだった頃の原点とは、趣味性であろう。 しかし、PCの趣味性を復帰させたとしても、それでPC需要が劇的に伸びるとは思えない。 下手をすれば逆にガラパゴス化が進むだけである。 我々PCマニアから見ればこだわりのネタではあるが、 ルーティンワークで情報機器としてPCを使用している人たちから見れば、 どう見てもそれは「どうでもいいこと。」だよね。

では、視点を変えてPCマニアでは無い人たちから見た原点とはどこだろうか?  これには2つあって、一つはWebやメールに代表されるインターネットへの接続、 もう一つは仕事でのワープロや表計算ソフトの使用。

まずはネットだが... む〜、これは負けパターンの典型例ではないか。 タブレットはネットにつなぐことでPCを追い込める存在なのだ。 今の日本にこんな住居環境に住む人はまず居ないので意味はないが、 断言するがネットにつなげない環境ですごす人たちにタブレットが普及する可能性は万に一つもない。 (アップル自身も今後クラウドとの連携を強めていく事を宣言しているわけだしね。)

一方、ビジネスユースではタブレットの進行は意外に遅いというのが当サイトの予想ではある。 ルーティンワークで定型的な情報のやりとりをするのにはタブレットは適しているが、 業務自由度という意味ではPCに負けている。 (差は詰まるとは言え、将来もPCを抜くことはない。)

しかし、だからといってPCが復活できるかというと... ビジネスユースでPCでしか出来ない新規需要があるのか?  旧需要でタブレットでの置き換えが困難なものは結構あるが、 だからといってそれは完敗を防ぐだけの話で、復帰を意味するものではない。

需要という観点から見ると、PCとタブレットの関係はインターネットとテレビ放送の関係に似ていると思う。 ネットが無かった頃にはテレビの支配力は絶対的。しかし、今は大苦境。 特に利益をコマーシャルから得ていた民放のレベル低下は明白で、 これはコマーシャルというビジネスモデルが崩壊しかかっている事を示しているように思える。 (当サイトは元々テレビを見ない方だったこともあるが、最近では民放に限れば1日平均20分すら見てないですぞ。)

もちろんネットがあればテレビは不要というのは過大評価で、 今までが独占過ぎただけの話ではある。 (もし、ネットが先に存在してテレビが後から出てきたのだとすれば、 逆にネットの需要をテレビが奪っていく事になっていたはずだ。) テレビの停滞はテレビ本来の需要が残る事によって徐々に収まっていく。 だが、その際には放送局数は減っている可能性が高い。 (これは新聞でも同様。ネットがあれば新聞は不要という意見は明白な誤りだが、 だからといって従来の過大評価が許されるハズもなく、今後新聞社数は微減するだろう。)

結局の所、タブレット対PCの戦いは、PCが先に情報機器を制していたために PCに適していようと不適であろうと使われていた市場から PCに適していない市場が奪われようとしているという事だと考えている。 意外にシンプルな話だね。 つまり、この結果から一つ断言させて頂こう。 タブレットはPCの需要に置き替わっては行くが、PCが消えて無くなってすべて置き換わる可能性は皆無である。

ただ、それはPCの絶滅はないと言うだけの話で、復活の糸口にはならないようだ。 問題点の克服手段として「原点に返れ作戦。」は通用しないみたいだね。

☆脱ルーティンワーク化。「異分野に学べ作戦。」で考えてみよう。   
では、「異分野に学べ作戦。」で考えてみよう。

異分野作戦には意味が二つある。 一つは異分野の市場そのものを取り込むという考え方。 もう一つは、異分野で成功したやり方を真似て取り込むという考え方。 まずは前者で考えてみよう。

参考になるのはPCとゲーム専用機と携帯の関係。 まず、個人向けゲームは黎明期にはPCから発展した。 しかし、ゲーム専用機がPC市場からゲーム市場を奪っていった。 懐かしの初代プレステ時代だね。

そのゲーム専用機が今は苦境に悩まされている。 モバゲーに代表される携帯系への消費動向の変化である。

この変化、どちらも旧市場から専用用途を奪うという形で成立しているが... 参考になるのはPCはゲーム市場を奪われても発展していったが、 ゲーム専用機はゲーム市場の奪還無しに再起無しという状況であることだ。 要するに、PCは汎用用途からゲームという一部の専門用途を奪われただけなので異分野の成長で助けられたが、 ゲーム専用機はもともと異分野が無いので専門用途奪還が必須であることだろう。

しかし、今のPCがタブレットにルーティンワークを奪われていくと、 残念だがもはやゲーム専用機と戦った頃とは違って他の成長分野が見つけにくい。 つまり、現状はゲーム専用機と携帯系ゲームとの戦いと同様な状況になっているわけ。 要するに、PCは過去にゲーム専用機にゲーム市場を奪われているが、 この時代は成長期だったから問題が致命傷にならなかったのだ。

う〜ん、異分野に学べ作戦の前半戦だが、 ゲーム専用機の苦境からPC界の苦境が予測できるという残念な結果しか出てこない。 (逆に言えば、もし今でもPC界が成長期ならば、タブレットが普及しようとも苦境は訪れないということ。)

えっ、だからその成長期を維持出来る要因を考えろって?  いや〜、難しいですよ。

では、作戦を変えて異分野で成功したやり方を真似て取り込むという考え方で行ってみよう。 今、情報機器分野以外での成長分野というと何が代表例だろうか?

モバイルゲーム産業? 二次電池産業? エコカー?

☆回転寿司店から学ぶもの。   
当サイトが考える異分野での成長分野の参考例はと言うと... 考えながら食べている、そのまさに回転寿司なんて参考にならないですかね?

回転寿司というと昔は安かろう悪かろうの典型例であり、 当サイトも初期にはほとんど利用しなかった経緯がある。 しかし、時代は変わった...

今の回転寿司は昔と比べると味が結構良くなってきており、 かといって値上がりしているわけでもない。 つまり、コストパフォーマンス的には結構良くなってきていると思う。 (そんなわけで、今では当サイトも結構行っている。) どんなに安くても不味ければ店は流行らないという点は、 タブレットの普及期が「今」である事と同じ原理である。

回転寿司の時代背景は勝ち組と負け組が明確化していること。 (つまり、勝ち組では常勝サイクルが回っているという事。) 勝ち組はスシロー、くら寿司、かっぱ寿司の三系列。 当サイトは場所柄からかっぱ寿司の場合が多いのだけれど、これらの回転寿司店では 脱「安かろう悪かろう」の具体策がよく考えられていると思う。

たとえば、一つは特級レーンの設置。 回転寿司なのだから寿司は回転でぐるぐるというわけではなく、 ちゃんと速攻で注文できるところが良い。 これは、PCで言えばターボブーストみたいなものである。 継続的に速い必要性はそれほど多くはないが、PCでも回転寿司店でもある程度の瞬発力は必要なのだ。

また、寿司ネタもよく考えられている。 具体例が「サーモンカルパッチョ」という寿司。

初めて見たときには「寿司でカルパッチョ? なにそれ! 正気?」 という印象だったけれど、食べてみて寿司とカルパッチョの相性の良さにはビックリ仰天。 これ、イチゴ大福と同様で、一般常識的にはゲテモノだけれど良い意味で予想を裏切ってくれた。 (その後しばらくは当サイト的な定番メニューとなった。)

おもしろいのは、当サイトがサーモンカルパッチョにはまった頃から、 他のネタでのカルパッチョが次々と現れては次々と消えていったということである。 つまり、おそらくは当サイト同様にサーモンカルパッチョにはまった人が多くいて、 それで他の××カルパッチョを次々と試してみたが、 サーモン以外には思ったほどの人気が出なかったと言うことなのだろう。 (ちなみに、サーモンカルパッチョは定番ネタとして今でも必ず回転している。)

この回転寿司店の素早い顧客需要調査体制は非常に良い参考例となる。 もはや我々PCマニア層は半導体産業の先行指標的存在ではないのであるから、 これら回転寿司での素早い人気探索体制と同様の市場調査指標を新たに見いだすことが重要である。

従来のPC業界がなぜタブレット危機に陥ったのかというと、 以前も書いたことがあるけれど、要するに大間産クロマグロを無理矢理回転寿司店でも売ろうとしていたわけ。 でも、PCマニアならば大間産クロマグロ相当の高級パーツでも買うけれど、 一般ユーザーがそれを願ってやまないと考えるのは問題だ。 どんなに宣伝をしたとしても、回転寿司店で大間産クロマグロが売れないことは誰でもわかることである。 つまり、(とても残念な事ではあるが)PCマニアはもう半導体産業にとって市場の先行指標ではない。

要するに、無理して大間産クロマグロを売ろうとするから、 回転寿司を売るライバル店が現れて丸ごと市場を奪われるのである。

しかし、高収益を得ようとした場合には大間産クロマグロを売るしか手はないのであろうか?  いや、そうではないと...回転寿司店は大間産クロマグロは扱ってはいないが、 それでも時代の本流となりつつあり、なおかつ十分な高収益体質であると...

それは顧客の要求に応える応答性の早さ、顧客の要望を的確に捉える情報収集力。 収益体質を決めるのは商品価格だけではない。 顧客需要を瞬時に把握し、瞬時に求める製品を具現化すること。 また、低価格化で生産量を増やし無駄を抑えて経営効率を高める。 当たり前のことではあるが、これが重要なのだ。

半導体産業は典型的な規模の経済が働く産業である。 つまり、仮に売価が少々高くなってもライバル企業に市場シェアを奪われれば、 明らかにマイナスがプラスを上回りますぞ。 (仮にマルチコアが全然売れていなくても、ARM参入を阻止できてタブレットがx86で作られていれば、 そちらの方が結局は高収益だったということはサルでもわかる。 まさに、ここが経営判断の抑え所なのだ。)

ちなみに、当サイトの好きなサーモンカルパッチョから学ぶものがあるとすれば、 それは今まで全然同じコアに乗せることのないと考えられてきた異分野の回路を チップに混載する事であるかもしれない。 もはやデスクトップのようにディスプレイとPCが別途ケーブルで接続という方式は主流ではなくなるのだから、 LCDコントローラを直で統合して液晶パネル側にCPU毎載せるとか、考えられないですかね? (いや、これはさすがに愚考か!? ちょっと思考が暴走しすぎかも。)

ともあれ、高価なものを売るだけが高収益化の手法ではないという点を回転寿司店から学ぶことが、 PC業界復活の最短コースだと思う。 PC業界からサーモンカルパッチョが売り出されれば、 ユーザーの喜びとメーカーの喜びが一致することは間違いないからだ。

ちなみに、その日の夜は久々の飲み会。 回転寿司も良いが、久々に沖縄料理を食べて沖縄旅行を思い出した夜であった。