古式ロケット飛べ!(朝比奈大龍勢祭り)   

2010年10月18日



☆早朝5時に始発電車で関東から...   
さて、さて。 信じがたい円高にもかかわらず仕事が忙しい。 さすがにストレスが溜まってきたので今回は息抜きネタ。 隔年開催の朝比奈大龍勢祭りが今年は開催年。 ここ静岡に出向になったからには興味深いお祭りとして是非行ってみたかったのだが、 隔年開催なので去年は行けなかったお祭りなのだ。 これは見過ごすことはできないね。

しかし仕事が忙しく、今回のお祭り時には当サイトは開催日早朝までここ静岡ではなく関東某所に出張中。 こんな時に限って出張日時も仕事内容もきつくて、 ビジネスホテルを早朝5時にチェックアウトして朝一番の始発電車に乗って東京経由で静岡へと戻る事に。

というわけで本題なのであるが、この朝比奈大龍勢祭りは日本でも開催地域が5カ所しかないという 結構珍しいお祭り「龍勢祭り」の開催地の一つなのだ。何が珍しいかは、追々内容をご覧頂くとして、 会場は静岡県藤枝市の市街から少し北へ移動した里山で行われる。 現場はそれほど大きな平地があるわけではないので、自家用車での乗り入れは禁止。 岡部の小中学校の運動場が臨時駐車場として無料開放されており、 そこから循環バスで会場への移動となった。

開催開始時刻に行きたかったのだけど、このような仕事都合なので到着は開催開始30分後位だったかな?  臨時バスも何台も循環していたのだけれど、次々と満席。 これは会場の混み具合も凄いだろうなと思っていたが、実際かなりの激混み状態であった。

ただ、人気祭りだけあって町側の対応も手慣れており、激混み状態とは言ってもストレスが溜まるような感じではない。 周囲は癒しの里山という雰囲気で、写真の通りコスモスが美しい。 祭りの開催日でなければ物静かな日本の原風景が広がる地域であろう。

朝比奈大龍勢祭りの開催地・藤枝市岡部町
見ての通りコスモスが満開で、心遣いの効いた開催会場であった。

☆古式ロケット打ち上げ!? 朝比奈大龍勢祭り。   
到着してみると、会場はある一点を中心に円周上に一定間隔の立ち入り禁止区域を設置して設けられていた。 その中心位置に設置してあるのがこの木製の塔。

この塔の上で、何やら設置作業中である。 結構細かい作業が必要なようで、また、作業内容のチェックも厳しそうだ。 設置されている本体は何やら巨大なロケット花火のような形状をしている。

到着時には、この木製の塔で何やら設置作業中。
この巨大なロケット花火のようなものが、本題の朝比奈大龍勢の本体である。

で...設置作業が終わって作業員が塔から降り始めると、放送で口上が始まった。 これがなかなか味のある口調で、また、流派ごとに内容も様々。 口調を文章で説明するのは難しいが、たとえば... 「おおりゅう〜せい。おお〜りゅう〜〜〜せい〜。里〜山の麓に響く〜龍の歌〜〜。」なんて感じですかね。 (なので、動画にも口上部分を含めてみました。)

で、口上が終わりかける頃、ついに本体に点火。 古式ゆかしきロケット...大龍勢、飛べ! (下記の画像をクリックすると動画として鑑賞できます。)

粋な口上に続いて、ついに点火。
この画像をクリックすると動画として鑑賞できます。

(立ち入り禁止の綱が視野入りして、ちょっと邪魔ですけど。)

ロケットというと最近では「はやぶさ」の帰還がつとに有名だけれど、 こちらの古式ゆかしきロケットもなかなかの迫力だ。

特に燃焼が始まって本体が上昇開始した時点から一気に上昇していく迫力は文章では表現し難く、 花火とは全然違う迫力がある。 (花火だと上昇すること自体には心理的に燃える要素が少ないけれど、龍勢だと上昇中に「上がれ!上がれ!」という気分になる。) 周囲の方々も龍勢の上昇には応援しまくりで、熱気がこもっている様子。

大龍勢が上昇を開始。龍のごとく天空を駆け上っていく。
「行け〜!」という気分になって、なかなか燃える光景である。

この朝比奈大龍勢、元々の由来には諸説あるが、一番有力な説では戦国時代ののろしが起源だったのだそうだ。 お城の間で敵の情報をやり取りするのろしが進化して、現在のようなロケット形状になったのだとか。 それが戦国時代が終わって家康公が駿府に来た事をきっかけに、五穀豊穣を祝う祭りにと変わっていったそうだ。

龍勢本体には「連」と呼ばれる地域別の流派があって、流派ごとに秘伝の技が組み込まれている。 当サイトはさすがに各地域の流派までには詳しくないので詳細までは把握していないが、 たしかに、朝比奈大龍勢は花火が飛び出したり、カラーの煙幕が上がったり、 たくさんの小型パラシュートが飛び出したり、バラエティがある。 この秘伝の技が見せ場の一つなのである。

上昇の頂点よりわずかに落ち始めた瞬間に「曲」と呼ばれる各種の仕掛けが作動。
朝比奈大龍勢最大の見せ場は、この秘伝の技をいかにタイミング良く100%動作させるかという点にあるだろう。

そして、なんせ1発毎に手作りなので、当然失敗もある。 最近は打ち上げ失敗は少なくなってきているのだそうで、 当サイトは昼の部の3/4位を見たがその範囲では点火と共に発射台で爆発してしまうような失敗は無かった。 だが、当サイトがいない時間帯には発射台で点火と同時に暴発してしまったものもあるそうな。

ただ、パラシュートが地上付近でようやく開いたり、龍(本体につながる大型のパラシュート)が 現れなかったりといった失敗例は見かけた。 地元の方々は当サイトよりも祭りに慣れているので基準が厳しいらしく、 花傘(パラシュート部分に付いている花火が場を盛り上げる。)や龍(カラー煙幕を噴射しながら宙を舞う。)の 動作地点がわずかにずれただけで満点は出してくれない様子。 当サイト的には問題なしの成功例に見えるのだけれどね〜。

仕掛けが作動せず、そのまま落下する場合も...
全部手作りなので100%成功とは行かない。再来年にリベンジですね。

ともあれ、よくある花火ではなく龍勢という古式ゆかしいロケットを打ち上げるこのお祭りは、 打ち上げ開始から終了までその経緯を全て楽しめるお祭りである。 当サイトも理系出身の技術者ということもあって、打ち上げの瞬間には結構心が踊る。

また、このお祭りは視点を変えると楽しみも変わる傾向があるので、 正面、サイド方向、遠距離の高所からと、場所を変えながら楽しむのも一つかと思う。 (サイド方向から見たときは、煙幕を吊した小型パラシュートが煙を吐きながら10mほどしか離れていない 場所に落下してきた位で、落下中には自分の場所へ突っ込んでくるのではないかとハラハラしてましたけどね。)

最後に、少し離れた場所からの動画を掲載しておこうと思う。 到着直後は発射台の近くに行けば行くほど迫力あるのかな?と思っていたのだけれど、 高所遠方から見た方が挙動を把握しやすいという面もあって、こちらの迫力もなかなかである。 (下記の画像をクリックすると動画として鑑賞できます。)

少し離れた高所から見るのも味がある。意外にお勧め。
この画像をクリックすると動画として鑑賞できます。

ちなみに、急ぎ旅であったため準備の手際が悪かったのであるが、 座れる場所が少ないので折りたたみの座椅子があると居心地が良くなる。 また、動画撮影の場合は立ち姿で撮影すると結構手が疲れて画像が揺れるので、 カメラ固定用の三脚は必須。(当サイトは持っていけなかったので、かなり苦労した。)

朝比奈大龍勢祭りは隔年開催なので次回は再来年になってしまうが、 もし再来年も静岡出向中であるならば次回は是非夜の部に行ってみたいと思った。 (地元の人によると、本来は夜の部の方が見応えがあるのだそうだ。)

それにしても、男気と熱気と勢いのある見応え満載のお祭りなのでした。 かなりお勧めできますね。