日本の原風景(四谷千枚田)   

2010年6月27日



☆見上げる緊迫感と見下ろす癒しの風景。   
さて、仕事都合により更新が大幅に遅れている。 リーマンショック対策の景気刺激効果と言うべきか、当サイトが勤める分野は意外にも景気が急速に回復。 当然生産効率アップが求められ、当サイトもこのご時世なのに仕事量としてはとても不景気とは思えない状況だ。

というわけで、PCネタはしばらくは更新が遅れそう。 今回も放っておくと6月中は更新無しとなってしまう。 なので、GWとその後の帰省途中で息抜きに行った四谷千枚田の話で息抜きネタを書いてみた。 (最近息抜きネタが多めだけど、ネタ自体は結構良いと思ってますから...)

日本の原風景・四谷千枚田。
棚田百選にも選ばれた素晴らしい棚田。

四谷千枚田は愛知県新城市の鳳来寺山から県道32号を北側に行った途中にある。 最初は下道ぶらぶら帰省の途中で一息入れるために寄っただけなのだが...

行ってみると、まず山々と棚田の一体感が素晴らしい風景を作り出している事に感動する。 特に、何というか山々の迫力が圧倒的で、その山に連なる棚田が緊迫感にあふれているのである。 棚田というと緩やかな和みの風景という印象があるけれど、 ここ四谷千枚田は下から見上げると一般的イメージとはちょっと違う。 風景に緊迫感があるのである。

四谷千枚田は山々との一体感が素晴らしい。
風景に緊迫感があって、初見の印象は強烈である。

実際、この棚田には悲しい歴史がある。 明治時代に鞍掛山とその隣の通称貧乏山と呼ばれた山から山津波が発生。 死者11人の大惨事を招いた歴史があるのだそうだ。 それ以来、山津波を防ぐ意味もあって、村人が1枚1枚棚田を作っていったのだとか...

この棚田はそのほとんどが石垣作りであり、このことからいかに急斜面に作られているかがわかる。 棚田と行っても他地区では土作りの棚田も多いからね。

まさに棚田の名にふさわしい石垣で作られた田。
棚田は1296枚あり、まさに千枚田である。現在耕作されているのは850枚。

初回訪問はGW帰省の途中。 近くには観光客向けの駐車場があって20台ほどだが車を止めることができるので、 棚田の一番下から歩いて登る事にした。

てくてくと登っていくと、石を積んで作られた棚田はまるで古城の石垣みたいな印象である。 最近のものは石垣に似せたコンクリート製の部分も一部あるが、地衣類などが育っていて風情のある 古い石垣部分は本物の手作り石垣であった。

石造りの棚田には緊迫感がある。
まるで古城の城跡みたいな印象であった。

いやいや、登っていくと想像以上に急勾配であった。 これはいい体力作りになるね。

そして、登って行くにつれて眼下の風景が素晴らしくなっていく。 下から見上げる棚田には急峻な山々の緊迫感があるが、上から見下ろす棚田には癒しの風景がある。 遠くに見える山々が素晴らしい。仕事疲れも吹っ飛ぶね。

上に登って見下ろす風景は緊迫感が薄れた癒しの風景となる。
仕事疲れを癒すのにはもってこい。

初回訪問はGWなので田植え前であった。なので、棚田の中にはレンゲの花が美しい棚田が何カ所かあった。 化学肥料が主流の現代で、レンゲを使った有機農法は貴重だ。

また、激しい土石流の名残ともいうべきか、所々に巨石が棚田に埋まっていた。 我々は観光客だから風情があって良い風景だけれど 実際には耕作し難くなるだろうし、落石の可能性を考えたら扱いは難しいだろうね。

ところどころに巨石が落ちている。
レンゲの花畑は癒しとなる日本の原風景。

☆田植え後に日本の原風景を再度訪れてみた。   
で...訪れる前は一度訪れて終わりかと思ったが、 印象がかなり良かったので帰省途中の経路をこちら経由に変更し再訪問。 足助の山道を帰るのはちょっと遠路だけれど、少し遠回りする意義は十分にある。

2回目は6月中旬で、田植え後である。 やはり、棚田といえば稲が植わっていないとね。

棚田といえばやはり稲が植えられていないとね。
頂上部分にはNPO法人棚田ネットワークの看板があった。

頂上まで登るとNPO法人の看板が立てかけてあった。 当サイトのような観光客が棚田に来たといっても、棚田を耕作している農業者には観光収入がある訳ではない。 なので、一応お礼の意味を込めて宣伝しておくことにした。

棚田は本来農業のための稲田なんだけれど、ここ四谷千枚田では土石流予防という公共的な意義も十分にある。 見ての通り、ほったらかしの単なる山谷だったら大雨が降れば間違いなく土石流となる地形だ。

だが、棚田は平野部の広い稲田と比べたら大型機械は入れにくいだろうし、 生産効率は間違いなく低いだろう。 放っておいたら耕作放棄地になってしまい、土石流予防の意味合いは無くなってしまう。 実際、高齢化の進行により耕作放棄地は少しずつ増えているようだ。 棚田自体は1296枚あるのだけれど、耕作されているのは850枚だそうだ。 つまり、その差446枚は耕作放棄地になってしまう。

この棚田には土石流予防の意味がある。
棚田の存在が急速な水流の変動を和らげて、土石流の発生を防ぐ。

というわけで、棚田が耕作放棄地化しないようにするためには アイディアを絞らなければならない。 根性論では何ともならないだろうし、棚田に経済的意義を持たせるためには 棚田でとれたお米が棚田ブランド米として高値で売れるように工夫するのが一番だろうと 当サイトでは考えているのであるが、どうだろうか?  (魚沼産コシヒカリみたいなステータスを得ることができればベストなんだけれど...)

ともあれ、そんな真面目な話を別にしても、棚田は風情があって良い。 なんといっても、日本の原風景だものね。

棚田は日本の原風景。
田や石垣に根付く花々も美しい。

棚田には花菖蒲などの花々が咲いている箇所があったり、 黄鶺鴒がいたり、蛙の鳴き声が素晴らしかったり、等々...観光スポットとしてお勧めできる。 ただし、繰り返しになるが観光客が来ても棚田の所有者が儲かる訳ではないので、 見学者より農作業者優先である。(車は指定の駐車場以外には置かないなどの注意が必要。)

田植えも終わって原風景の風情もワンランクアップ。
棚田にはやはり稲が植えられていないとね。

ここ四谷千枚田は棚田百選でもかなり有名な棚田の一つで、 棚田好きのサイトならば見逃すことのない名所らしい。 当サイトは写真が相変わらず下手でアート的な写真は手元には無いが、 アマチュア写真家のサイトならばアート作品的な写真がたくさん見つかる良い場所である。

これならば、1〜2回行っただけ飽きることもなく、次回は秋の収穫期に黄金色の棚田を撮影してみたいものである。