うだつの上がる町並みにあやかる。(美濃祭り)   

2010年4月15日



☆美濃市・うだつの上がる町並み。   
さて、今回は息抜きネタで一息。 岐阜県美濃市で行われた美濃祭り見物である。

今年は仕事都合でGWに家族旅行へ行けない可能性もあるので、週末に帰省して日帰り旅行でチョイ家族サービスとしての祭り見物。 本当は一泊旅行のハズだったんだけど、「美濃市ならここ(実家)から十分日帰り圏内だよ。」 との一声でとりあえず今回は日帰り旅行。当サイトはドライバー兼案内人である。

いつもならば下道ぶらぶらドライブなんだけど、そんな事情で今回は高速利用。 もっとも、美濃市は東海北陸自動車道の美濃ICで下りれば一発なんで、ドライバーとしての負荷は少ない。 また、お祭り当日は美濃市役所の駐車場が無料駐車場として開放される。 (実際は人気の祭りなので市役所駐車場は満車だった。だが、市が近くの小学校を臨時に解放して満車に対応してくれた。) お祭りでは駐車場確保に苦労する場合が多いのだけど、臨機応変な対応には好感度高しである。

さて、駐車場(小学校運動場)から見えるのはごく普通の住宅街なんだけど... とことこと旧市街へ歩いて行くと...

これは味わいのある古式ゆかしい町並みである。
水運拠点として栄えた昔の豪商の流れを汲む。

ほぉ〜、これは味わいのある古式ゆかしき町並みだ。 まるで幕末時代劇の撮影セットみたいな感触。 ここ美濃市は「うだつの上がる町並み」で有名なのである。

美濃市の看板は「うだつの上がる町並み」
「うだつ」とは古来の防火壁。

「うだつ」とは何かといえば、それは古来の防火壁のことである。 写真の旧家の間に瓦屋根の壁があるのがおわかりいただけると思うけれど、 これが「うだつが上がっている」状態。

うだつは隣家からの延焼を防ぐ防火壁なので、うだつが無くても普段住むだけならば困ることはない。 うだつのありがたみは火災が発生しないとわからないので、 収入に余裕が無い人は建築費を削減してうだつ無しで家を建ててしまう事になる。

だが、現代のように消防技術が発達していなかった時代には、万が一の事を考えてうだつを上げておくのが賢明な措置。 なので、貧乏でうだつを建築できない人が面目が立たない状態を「うだつが上がらない。」と例えるようになったわけだ。

美しい曲線を描くうだつ(左図)と、いかにも防火壁のうだつ。(右図)
屋根の曲面に合わせた優美なうだつを持つ小坂家。(左図左端)

それにしても、このうだつ。 家々によって皆雰囲気が異なるのがおもしろい。 現代と違って規格化されていないので、一軒一軒雰囲気が違って個性があるのである。

たとえば、上左図のうだつは尾根部分が非常に美しい曲線を描いている。 とても優美だ。一方、上右図はいかにも防火壁の高い白壁が美しい。

ここ美濃市は、長良川の水運を生かして江戸時代には多くの豪商が軒を並べていた。 特に美濃の特産品は美濃和紙。 美濃和紙は薄くても破れにくいのが特徴だそうで、美濃和紙を求めて全国から多くの商人が行き交った。

で、主力商品が和紙なので当然の事ながら火災は天敵だ。 これらの豪商は当然火災から商品(美濃和紙)を守る必要があったし、 それ以上にうだつを上げて経済力をアピールすることが商談をまとめる上で重要だっただろう。 このため、うだつの上がる町並みができあがったというわけである。

うだつの町並みも味があるけれど、レトロな看板も味わいがいい。
当サイト的には、このレトロさがたまらなかったですな。

それにしても、うだつも雰囲気があるけれど、当サイト的には上右図の 食料品店の看板(ただし看板は食料品店ですけど、お店は喫茶店。) が何ともいえず味があって良い雰囲気だったね。 「味の素」のレトロな書体に癒されますなぁ〜。

☆花御輿、まるで満開の桜並木のような可憐さ。   
で...てくてくと歩いて行くと...所々に山車が飾ってある。 そう、本日は美濃祭りの開催日なのである。 家族サービスとは言っても、せっかくだからと本人のお楽しみもこっそり仕込んであるのだった。

浦島車(右図) 馬つなぎ石は豪商の町として栄えた証拠。(左図)
荷馬を留めておく金具付きの置き石。

行った当日は4/10で、山車祭りは4/11。 なので山車は展示のみだけれど、これもなかなか味があってよい。

美濃市と言えば美濃地方と飛騨地方の境界地点であり、平野と山間部の境目。 なので、海とは一見縁のない内陸地域。 だけど、長良川の水運で栄えた豪商の町だけあって、なんと舟形の山車があった。 以前紹介した千葉県館山とかでは当然の山車なんだけど、内陸部では珍しいね。 (ちなみに、近くの長良川に行くと古来の灯台とか現存日本最古の吊り橋なんてのがあります。)

靱車(左図)と舟山車(右図)。内陸部で舟形の山車はちょっと珍しい気がする。
美濃市は古来長良川の水運で栄えた町だからだろう。

ところで、市役所の駐車場が満車で小学校の運動場が臨時駐車場になっていると書いたけれど、 ここまでの写真には意外に観光客が写っていない。 それには訳があるのだ。

実は、山車祭りが4/11ならば、この日4/10は花御輿の当日。 当サイトの到着時刻には花御輿が旧市街から離れた場所に移動中で、 観光客はこちらへ集中しているというわけ。 家族ももちろん花御輿見物を望んでいるので、見所へ案内。

旧名鉄美濃駅跡に向かって歩いて行くと...
とてつもない観光客で道がいっぱいいっぱい。歩くのにも一苦労。(右図)

お出かけ前にネットで検索して入手したお祭りの案内書には、 花御輿の推定到着時刻が書いてある。 それに従って、長良川鉄道美濃市駅に向かって歩く。 旧名鉄美濃駅跡に行くと花御輿が昼休み中で、まるで満開の桜並木のように美しい。 ただし、周囲は写真の通り観光客で大混雑。 やはり皆様こちらへ来ていたのね。

旧名鉄美濃駅跡に到着すると花御輿がお昼休み中で、まるで満開の桜並木みたいだった。
ところで、担ぎ手の皆様がかなりお疲れなご様子なのには理由があったのである。

この花御輿、基本的には桜色だけれど、一部に白や紅のものもあってバリエーション豊富。 さすがは美濃和紙で有名な町だけあって、花はすべて紙製である。 また、花を小さく少なめにすることで軽量化した子供御輿や、 「め組」のはっぴ姿が粋な女御輿もあったりして、個性的。 花御輿は満開の桜をイメージして作られるものらしく、この季節に合ったとても春らしい雰囲気である。 (これには家族も満足の様子。)

☆ダイナミック! 花御輿パワー炸裂。   
で、花御輿だから女性的に優雅にゆったりまったり町を巡っていくのかと想像していたが...これが間違いの元だった。

まず、子供御輿が先行して抜け出し、次に太鼓を持った男たちが派手に打ち鳴らしながら歩き始めた。 「花御輿がお昼休みだから、太鼓の演奏で観光客にサービスしてくれているんだな?」なんて 勝手に思い込んで、太鼓のあとをついて行くことにした。

すると、一休みしていた花御輿が気がつくと後ろから近づいてきて... 当サイトは交差点付近で前後から挟み撃ち状態になってしまったのである。 (あとでわかったのだが、この交差点が花御輿最大の盛り上げどころ「総練り」の会場だったのだ。)

太鼓のあとについて行ったら、交差点で挟み撃ちに...
交差点では花御輿同士が豪快に競い合う。

花御輿は「オイサー、オイサー」のかけ声と共に、 ものすごい勢いで練り歩き始めたのである。 それはもう荒ぶる魂とも言うべき状態で、凄いことになっている。 「そうか! だから(安全確保のため)子供御輿が先に抜けていったんだ。」と気づいたものの、もう手遅れ。 当サイトももう身動きとれない状態で、交差点からの脱出さえ困難。

担ぎ手には樽酒が一気飲み状態で振る舞われて、もうアクセル全開状態。 交差点にさらに次の花御輿が入ってくると、競り合いもさらにレベルアップ。 「オイサー、オイサー、オイサー、オイサー」 当サイトも写真撮影中にあちこち揺れまくり。 (あとで動画も掲載しますが、当サイトもしっかり転びそうになってます。)

花御輿にはブレーキ役らしき担当者もついているのだけれど、 観光客が巻き込まれて怪我をしないようにする手配で精一杯。 花御輿自体にはブレーキをかける余裕が無い。(というか、仮に余裕があったとしても、とてもブレーキをかけられる雰囲気ではない。) 担ぎ手も、この瞬間のためにエネルギー充填120%状態にしてました的な雰囲気で、 もう目の輝きからして違う感じである。

とにかくダイナミックとしか言いようがないすばらしい大迫力である。 前方を撮影していると、後方から一気に別の花御輿が近づいてきて御輿の花が当サイトの顔に触れる事もあった位で、 この様子は写真では伝わらないので動画を掲載してみた。 興味のある方は下記の写真をクリックしてみてください。 (サイトのファイル容量に制限があるのでかなり圧縮してあります。なので画質がイマイチなのはご容赦を。)

花御輿の練り歩きは一言で言えば「ダイナミック!」
この画像をクリックすると動画として鑑賞できます。

いや〜、これなら花御輿の担ぎ手が休憩中に皆様お疲れのご様子なのも納得。 あれだけ豪快に練り歩いたらもう30分もしないうちにみんなヘトヘトだろうに。

それにしても、この豪快さには当サイトもパワーを頂いた。 頭が悪くて会社でうだつが上がらない当サイトも、花御輿で頂いたパワーにあやかってバッチリいい研究成果を出したいものである。

というわけで「会社でもうだつが上がりますように。」と縁起を担いだ、当サイトも家族も大満足な小旅行なのでした。