正統派の奇祭(三谷祭り)   

2009年10月22日



☆Windows7、ホッと一息の売れ行き状況。   
さて、PCマニアの注目はWindows7の発売なんだろうけど、当サイトも久々のフラッグシップ更新の計画。 Corei?も既に購入済みなんだけど、この時期に及んでVistaで組んで7へアップグレードというのは手間がかかるだけで無駄足。 この時期ならば最初から7で行こうということで、ちょっと時間待ち状態だった。

その7、この報道記事 を見る限り深夜販売はかなり順調だったようで、PCマニアとしてはまずはホッと一息。 我々PCマニア間では「もはやOS更新で盛り上がる時代は終わった。」との意見もあったし、 Vistaがあれほど酷評される状況ではもはやOSはユーザーの期待を担っていない可能性もあった。 「良い予想は当たらないが、悪い予想は必ず当たる。」というマーフィーの法則も、 今回は良い意味で外れたようである。

ただ、ちょっと懸念事項もある。当サイトは発売当日のバカ売れぶりが最近では売れ行きの指標にはならないことに気付いている。 あのVistaも発売開始の深夜販売では多くの人々が列を作ったし、 iPhoneやPS3における発売当日のバカ売れぶりとその後の急激な失速を思い出していただければ簡単にご理解いただけると思う。 ここ数年来の傾向として、発売開始当日の売れ行きは必ずしも商品のその後の継続的な売れ行きの先行指標にはならないのである。

と言うわけで、油断は禁物。最近は秋葉原も次々とPCショップが店じまいしていて悲しい。 その意味で、PC業界活性化のためにも今後も順調に売れ行きを伸ばして失速に至らないように期待したいところだ。

ところで...当サイトの環境は秋葉原とは違って超田舎暮らし。ここ静岡では7の深夜販売は無い。 仕事の都合で平日の行動圏内にはPCパーツショップはないので、DSP版を買おうと思ったら週末待ち状態。 インストールして使ってみてWebサイトを更新するまでにはちょっと時間があるので、今回は息抜きネタで一息とさせていただきたい。

☆正統派山車祭りにして、天下の奇祭。   
さて、その息抜きネタであるが、先週末に天下の奇祭として有名な三谷祭りに行ってきた。

この三谷祭り、当サイトの故郷・愛知県の蒲郡市で行われる。 今までは勤務地が千葉県だったので実家でのお祭りには盆暮れ正月にタイミングが合う祭りしか行けなかった。 だが現在は勤務地が隣県の静岡となった上に高速道路利用が週末\1000となったため、これぞ好機と出撃することにした。

この三谷祭り、天下の奇祭として有名である。 しかし、町を練り歩いている山車を見てみると、特に変わったことはなく下記の写真通り普通の山車祭りに見える。

今回のお祭りは愛知県蒲郡市の三谷祭り。
この写真だけ見れば普通の山車祭りに見えるけれど...

天下の奇祭と言えば、ここ愛知県は奇祭の宝庫。その名にふさわしいお祭りが多い。 たとえば、稲沢市の国府宮はだか祭りとか、 南知多町豊浜の鯛祭りなんかが有名だね。1)

では、何が奇祭なのか...それはお祭りに行ってみるとよくわかる。

当サイトがお祭り現場に到着したのはAM10:30頃。 その直後、ドン、ドン、と大きな号砲が打ち上げられた。 渋滞と駐車場確保に想定外の時間を取られてしまったので、タイミング的には既にギリギリ。 「おっ、そろそろか? 急がねば...」当サイトも目的地に向かって足を速める。 目的地は若宮公園前の海岸。

到着したタイミングはかろうじてセーフという状態。 まさに祭りのハイライト・海中渡御が行われる直前だったのだ。

☆祭りのハイライト「海中渡御」   
海岸に到着すると海の上には漁船が多数。 周囲は三河湾を一望する絶景。 湾内に船が集まるお祭り? つまり、船祭りなのか?  ...いやいや、さにあらず。主役は船ではない。

そこに山車が到着し、海岸へ向かう。 防波堤が一部なだらかな斜面になっている部分があり、 そこへたどり着くといったん山車を止めて力を溜めている。

と...次の瞬間、なんと山車がそのまま海中に向かって突撃!

漁船がたくさん海上に待ち受けているが、船祭りではない。
と...なんと、山車が海に向かって突撃。

この三谷祭り、なんと山車が海中を渡り歩くのである。 下の写真通り、海中渡御では山車が海の中。 山車を引く男たちもずぶ濡れ状態。 それにしても、よくもまぁ、あれだけ大きな山車が海中に進んで沈没しないものですなぁ。

三谷祭りのハイライト・海中渡御
山車が海中に突入し三河湾を練り歩く。まさに天下の奇祭にふさわしい。

この海中渡御、渡るのは山車1台ではない。 まず最初に渡御した山車は上写真のとおり上区の剣山。

しかし、これだけではない。次に西区の恵比寿の山車が続く。

続いて西区の恵比寿山車も海中に突入。

さらに、北区の三蓋傘が続いて海に突入。

ぱっと見、これだけ大きな山車が海中に突入したら、自重で横転・水没してしまうように見える。 そうでなくても車輪が砂浜にめり込んだら、まず間違いなく山車が動かせなくなる。 しかし、砂浜に埋没するわけでもなく、波に揺られて横転するわけでもなく、 安定して海中を練り歩けるのはかなり不思議な感じがするね。 (単純に山車を引いているように見えるけれど、じつはかなりのスキルが必要なのかもしれないけれど。)

三番手は北区の三蓋傘。

というわけで、じつはこれらの山車には海中を行動するための仕掛けがある。 たとえば山車の車輪は写真の通り超幅広のもの。 接地面積が大きく、車輪が砂浜に沈み込むのを防いでいる。

また、車輪は木製なので、幅広だとそれがそのまま浮き袋の役割を果たし、 接地面積効果以外にも浮力で荷重そのものを減らす効果もあるのだろう。

また、山車を押す部分は横方向に長く広がっていて、 下からの車輪の浮力で不安定になりがちな高重心構造に対する安定化装置の役割を果たしている。

もちろん水面付近に相当する部分に浮きを付ければさらに安定的に浮力を得られるけれど、 それでは山車の美しさが損なわれてしまう。 粋で神聖な美しさこそが山車の見せ所なんだから、ダサダサな浮き袋付きの山車なんてナンセンスである。 その点で、この構造こそが外観的な美しさを一切損なうことなく海中渡御を可能にしているわけだね。

海中渡御の裏には通常の山車とは違う創意工夫がある。
右図の車輪の幅を見ていただければ、通常の山車との違いは歴然。

そして、4番手は中区の花山。 この山車は海中渡御する山車の中では一番大きく見える。

このサイズではいくら木製とは言っても総重量は間違いなくトン単位。 これが海中に突入していくのだから、まさに祭りのハイライトにふさわしい迫力だ。

4番手は中区の花山
特に大きく重心が高そうに見える花山の山車だが、上手くコントロール。

☆皆々様、海中渡御、お疲れ様でした〜。   
とは言っても、そこはそれ海中での引き回し。 一切不安定要素無しという訳には行くはずもない。 海中を進む山車は地上と違ってバランスが取りにくく、 写真の通り時々山車が傾いて見えることがある。

海中は当然砂場なのでアスファルトの陸上と違って足場としては最悪に近い状態のハズ。 これぞハイライト。ここが腕の見せ所。頑張り所だね。

海中を進む山車はバランスが取りにくく、時々傾く。おっとっと。(左図)
しかし、精魂込めての海中渡御も上陸間近。お疲れ様でした。

この海中渡御、本来渡る場所は現在より西方に当たる場所なのだが、 戦後の護岸工事で海岸が無くなり、山車が降りられなくなってしばらく中止されていたのだとか。 その後、場所を現在の海岸に移して再開することになったそうだ。

最後の山車は東区の若宮丸。
小型だが、舟形の品格あふれる山車。これがトリを務めるのかな?と思ったら...

で、最後に残ったのが東区の若宮丸。 大きさは他の山車より小さいが、優美な舟形の外観が特徴である。 海中渡御の最後を締めくくるのにふさわしい山車だと思っていたら... なんと、若宮丸は海中渡御をせずに上陸した他の山車の最後尾に陸路合流したのでした。

当サイトは祭りの背景までは調べていなかったので、この理由については不明。 小型の山車では山車が水没してしまうからなのか、 何か祭りのいわれがあってのことなのか、いや〜ちょっとわかりません。

ともあれ、若宮丸はお祭り風情漂う祭り囃子を奏でながら、 陸路帰路についたのでした。

それにしても、天下の奇祭だけに海岸は人・人・人。 上陸地点の写真を見ていただくとわかりやすいのだけど、 山車を見やすい地点は人・人・人なので、少し離れて望遠レンズで撮影するのがベスト。 人混みの中では脚立が必要だけど、海岸の砂浜や護岸部分では脚立が役立たない。

ただ、海中渡御はAM10:45頃開始なのだが、海岸は南向きなので基本的には逆光条件なのが素人には写しにくい。 逆光を避けようとすると、海中渡御の開始地点か上陸地点か、撮影箇所を変える毎に 人混みの中を走り回るという無粋な作業が必要になる。 タダでさえ混雑しているのだから、ここは撮影条件はあきらめて素直に祭り自身を楽しむのが正解だろうね。

ともあれ、正統派の山車祭りなのに、その運営は山車が海中に突撃するという天下の奇祭。 正統派にして天下の奇祭・三谷祭りは一度見に行って損の無い、粋で風情があってアトラクション的にも楽しめる 当サイトお勧めのお祭りである。



1)
珍奇という意味での奇祭だと愛知県にはもっと凄いのがあって、 たとえば田縣神社豊年祭なんてのがそう。 こちらはさすがにリンクを張りまくる訳にもいかないような気もするので、 気になる方はご自分でググってみてください。 いくらお祭り好きとは言っても、このお祭りの見聞録はちょっと書きづらいですなぁ。