初志貫徹かニーズマッチか?(i7かi5か、楽しく悩む日々。)   

2009年6月28日



☆これもまた時代の流れか...最後の古炉奈情報。   
まずはいつもの余談から。 古炉奈の閉店の件だけど、静岡出向中で秋葉原に行けなくなっている当サイトのために、 PC仲間から写真が送られてきた。最後の機会を楽しみに古炉奈に行ってきたのだそうだ。

という訳で、ご本人の承諾を得て写真を転載。 (携帯からの撮影なので画質がイマイチなのはご容赦を。) この店頭入り口の雰囲気、懐かしいね。

PC仲間から頂いた古炉奈の写真。
この入り口の様子がとても懐かしい。

お店は廃業が決まって以降大盛況なのだそうで、 やはり古くからのマニアには大激震なのだろう。 当サイトも閉店までに一度行きたかったのだけど、 静岡から新幹線では往復の交通費が軽く1万円を突破してしまう。 週末1000円のETC利用高速経由でもガソリン代を考えればやはり1万円近い。 ボーナス未使用とは言えこの大不況で金額激減だし、貧乏人にはちょっと厳しい金額だ。 結局、行けないままに閉店となってしまった。

そうそう、そういえば400人待ちだったETCがようやく愛車に搭載となった。 3月中旬に予約して6月中旬搭載だから約3ヶ月待ち。 友人にはETCは天下り税金泥棒たちの稼ぎ口となっているわけなので問題は多いが 渋滞対処方法としての基本概念そのものは良いと思うと言われたが当サイトも同意。 もっとも、選挙で民主党政権となってしまえばETC取り付け費用だけ無駄金となってしまう訳。 どうなります事やら...

まぁ、この性格の大ボラふきが古炉奈に行けないことでいろいろと周囲に気を遣っていただいているわけで、 PCマニア情報網とは言ってもドライな人物は少数派。 古式ゆかしい人情味に溢れているありがたい情報網とも言える。 古炉奈での最後のコーヒー、楽しみたかったんだけどね。 また一つ時代が変わっていった感じ...

☆i7はサーバー向けと証明できたi5との差違。   
という訳で本題へ。 今回のネタは購入を宣言したCore i7ネタだ。

このi7、購入を宣言した訳だけど、購入費用が高額になるという欠点が災いして 他の購入品より後回しになっていた。その上、急遽静岡出向が決まってしまい、 引っ越し準備など重なって身動きがとれない状況が続いていた。 SSDネタやNanoネタは引っ越しが決まる前に購入していたのでネタが書けたのだけど、 i7はこれから購入なのだ。

で...PCパーツショップの少ないここ静岡で購入先を探していたところ、もう時間がかなり経ってしまい、 こんな記事がネットに掲載されてしまった。

i5が今年第3四半期に... あぁ、ゴタゴタしている間にここまで来てしまった...

格好付けるならば「先ずその言を行いて、 しかる後にこれに従う。」の言葉もあるんで i7を買うと宣言した以上初志貫徹してi7を買うべきなんだろうけど、 この記事を読むにPC用途ならばi5で何ら問題ないような... (というか...i5ですら能力過剰な気も少々...)

当サイトの過去の主張に従えば、PC用途で一番大事な事はシングルスレッド性能である。 この主張に従えば、i5でもターボモードならばi7最上位と同じ動作周波数となるということは、 つまりこれはPC用途では(マルチスレッド対応ソフトを使わない限り) i7とi5の性能差がほとんど無い事を意味する。 これが悩みどころのタネなのだ。

ちょっと意外だったのは、メーカー公認のオーバークロックがシングルスレッド性能向上の 本命になるとは思っていなかったが、実際にはそう簡単な話では無さそうだという点だ。 当サイトがシングルスレッド性能重視派であることはご愛読者様には皆様ご承知だろうけど、 にもかかわらず今までこの技術を当サイトで大きく取り上げたことはなかった。 それは、この技術は補助的なテクノロジと当サイトでは考えていたからである。 問題点を緩和する効果はあっても、問題点を解決に導く本流ではないだろうと思っていたのだ。 (ちょっと現状認識を変える必要性があるかもしれない。)

と言うわけで、i7とi5のシングルスレッド性能には大差がない。 違いはメモリのチャネル数や下位機種ではHyper-Threadingの有無という事になるが、 これらはサーバー用途やHPC用途で生きる仕様である。 メモリのチャネル数もHyper-Threadingの有無も、おそらくはPC用途ではあまり意味のないオーバースペック状態となる。 つまりメモリバンド幅はPC用途ではそもそもオーバースペックなので 2チャネルでも実質的には何の影響もないし、Hyper-Threadingはシングルコアでは非常に重要と思うが、 そもそもコアが4つもあってはHyper-Threadingが動作する場合自体が非常に希である。 (現実には無いよりマシという程度の効果になってしまうと思われる。 コアが4つもあってさらにHyper-Threadingを搭載するというのは、 スレッドが尽きることがないサーバー向けだから必要な仕様だ。)

このi7とi5のスペック差を見るにつけ、i7はサーバー向けであるという当サイトの主張に 間違いが無かった事を証明できていると思う。 i5はi7から`メモリバンド幅やHyper-Threadingといったサーバー向け仕様をそぎ落とし、 一方PC用途では重要なシングルスレッド性能は i7最上位と同じに事実上の強化を行うという手法であり、 PC向けの設計思想としては当サイトも「なるほど。」と同意できるものである。 逆にターボモードはサーバー用途ではあまり意味が無い機能であろう。 (ただし、コア数はクアッドコアでもオーバースペック状態で、 多くの一般ユーザーではデュアルコア+Hyper-Threadingで十分。 そうなるとi5どころかi3待ちとなるが、当サイト的禁断症状からおそらくはタイムオーバー。)

で...立場が非常に厳しくなったのがAMDだろう。

AMDはPC用よりも稼ぎが大きいサーバー市場で善戦してきた。 それは、キャッシュがよく効くためFSBがボトルネックになりにくいPC用途と比べて、 サーバー用途ではオンチップメモリコントローラの威力が発揮しやすいからだ。 (元々コア自体はCoreMAのような「短距離走で速いコア」ではなく、 高負荷になるほどCoreMAに対して善戦するタイプの「長距離走で速いコア」なわけだし。)

しかし、オンチップメモリコントローラはAMDの伝家の宝刀では無くなってしまった。 むしろバンド幅では逆転負けを喫している。 とすると、このままでは最後の牙城を切り崩される訳で、対抗策は非常に重要だ。

しかし、問題は本命対抗のBulldozerが大幅に開発遅延してしまったことで、 おそらくはコアの基本アーキテクチャが従来通りのIstanbulで対抗せざるを得ない期間が長くなる。 Istanbulの強化ポイントは、メモリバンド幅、消費電力、価格(コアサイズ) の3点がメインに絞られると思っているが、これらは抜本的改革ではなく改良ベースと予想している。 もちろん、サーバー、HPC用途ではコア自体ではなくアンコア部分が重要なので一定の対抗策は有効ではあると思うけれど、 これだと逆転された立場を同レベルに戻すことで精一杯なのではないだろうか? (i7の場合は、コアは既存のコアの改良版だがメモリシステムは抜本的に変わっている。 しかし、Istanbulでは元々以前からオンチップメモリコントローラ搭載だ。当然、改善幅は高めにくいハズだ。)

☆差別化は必要な機能で行わないと...   
という訳で何を買うべきか楽しく悩んでいる。 悩みどころは以下の3点。

  1. i7を買うと言った以上、言を曲げずにi7を買うかどうか?
  2. ソケットの違い。
  3. 価格レンジの違い。
1.は個人的な問題だから省くけど、逆に言えば非PCマニア層で通常用途ならばi3が適しているというのが当サイトの考え方。 (Windows7の軽さ次第の面もあるが、Atom系はメインマシン用途には少々非力。) 同スペックのデュアルコア版が販売されればそれが一番適していると思うが、 商売上は「コア数に比例して性能が上がるのだ。」という誤った考え方を曲げる気はないだろうから、 デュアルコア版が発売されるというだけでも少々驚いたものである。 本来ならば、これを機会に全製品をクアッドコア化したかったハズであろうからだ。 (GPU混載の場合はダイ面積上やむを得ない面もあるのだろうけど。)

結構重要なのが2. 当サイトはCore 2時代にモバイル版のTシリーズを買ったが、 これは消費電力面で正解であったものの、ソケットがマイナーなため LGA775の様なCPU換装に対するフレキシビリティーは無かった。 つまり、今後のCPUの改良を見据える上でLGA1366はLGA1156よりちょっと不利な立場だ。 当サイトは消費電力が低いというCoreMAのメリットを平均的なPCマニアよりも高く評価しているため このソケットの選択となったわけだが、一般論としてマイナーソケットを推奨できるかというとかなり微妙だ。 製品の良否とは別にPCの世界では主流であること自体が価値を持つ場合があるが、ソケット形状はその典型例だと思う。

3.は...intelの価格付けはちゃんと市場を見据えているというか... どちらかが飛び抜けて優位にならないようにしっかり練られた価格体系になっている。 i5のスタンダードがi7のローエンドと同じ価格帯という記事内容が正しいとすれば、 PCを趣味として楽しむ分には一方的にi7にした方が良いとも言い切れない。 むしろ、ターボモードでの動作周波数を考えればi7のローエンドよりは i5のスタンダードを選択するのも立派な戦略だ。 (PC用途ではサーバー用途よりターボモードの寄与が大きく、逆にコア数やバンド幅の寄与は小さいから。) さらに、この理屈からすると本当に必要な性能という意味ではマルチスレッド対応アプリを使わない限り デュアルコア版のi3でもハイエンドを狙えば十分と思われる。 だが、発売開始時期は当サイトのようなPCマニアが待ちきれない時期になるように ちゃんと対策が練られているというわけだ。

発売当初、i7はその意味で価格がかなり高価になるのが難点だった。 CPUが高価なだけではなく、メモリが高く、マザーも高かった。 要するにセット買いしようとすると、すべてのパーツが高かった。 当時はDDR2がDDR3より超お買い得価格だったので、余計に高価さが目立ったものである。

しかし、ここに来てようやく割高感も薄まってきたようだ。 DDR3の容量単価はDDR2の2倍程度に収まってきたし、マザーも廉価版が発売されるようになった。 当サイトは貧乏人なのでマザーは廉価版で妥協する予定。 昔好きだったフライトシミュレータも最近はほとんどやらないので、 GPUはT7200に付けていた奴(NX7900GS-T2D256EZ)でとりあえずごまかす予定だ。

そうなると、サブプライム不況で暴落したボーナス金額でも購入金額が何とか有効射程距離内に入ってくる。 と言うわけで、無理せずに買える予算金額になりつつあるのであった。

余談だけど、i3の差別化がGPUの機能差で行われるというのは、 ユーザーにとって良いか悪いかを別とすれば、商売としては正しい方向性であろう。 最近のCPUはコア数で差別化していたわけだけど、マルチコアがPC用途であまり効果的でない以上は この差別化は実質的には意味をなさない。ユーザーにとってメリットのない機能で過度に重くなったVistaが ユーザーから見捨てられた現状を見るにつけ、一般ユーザーといえどバカではないし、宣伝通り踊らされる立場でもないのである。 (Vistaが発売前にどれほど持ち上げられていたかを考えれば、クアッドコア以上のマルチコアも 持ち上げれば持ち上げるほど現実と乖離して、かえって失速感が増大するだけである。)

つまり、このまま単純にクアッドコアからマルチコア化を進行させてオクタコア化しても、 Vistaのようにいずれユーザーが買わなくなるだけであると気づいたのだろう。 だったらデュアルコアのままでユーザーが意味を見いだす機能で価格に差をつけようという戦略であり、 商売としては正しい方向性だと思う。

当サイトの今後の予想としては、クアッドコア化の進行がPC雑誌の考え方よりもかなり遅くなることを指摘しておきたい。 おそらく今後1〜2年たってもクアッドコア以上のマルチコアはPC用途としてはPCマニア向けポジションのままだろう。

ここでちょと注意しなければならないことがある。 それは、秋葉原での売れ行きは事情は特殊で、一般市場の需要動向を反映していないことだ。 明らかにマニア市場であり、一般市場よりかなり上位スペックが売れ筋となっている。 たとえば、一般市場では数量的な主流ではないi7-920が秋葉原では一番売れているCPUだったりする。 しかし、一般メーカー製のパソコンでi7-920が一番の売れ筋なんて言おうものなら笑われる。

つまり、秋葉原需要を見ているだけでは市場動向を見誤る。 自作市場でクアッドコアが当然の時代になっても 一般ユーザー向けの数量的な主役はデュアルコアのままなのが市場の実態と考えるのが妥当。 クアッドコア以上のマルチコアは基本的にはサーバー・HPC用途であり、 マルチコアが生きる何らかのキラーアプリが出現しない限り ハイエンド志向のPCマニア層以外に主流として普及することは無いと当サイトでは考えている。

それよりはむしろデュアルコアのままGPU混載が進んでCPUの優劣はオンチップGPU性能&機能差でランキングされる時代が来ると思う。 コア数という意味のないスペック差よりはずいぶんと正しい評価法へと進化するわけであるから、当サイト的にもOK。 このパラダイムシフトが起こったとき、コア数に比例して高性能と言い続けてきたマスメディアは今後もその言を曲げないのであろうか?  もしそうならば、このままではいずれハシゴを外される形で前言を翻すことになるのではないかと当サイトは危惧している。

という訳で不況脱出購買宣言の主役・フラッグシップマシンの購入ネタだけど、 i5まで待つかi7で行くか楽しく迷っている。 初志貫徹のi7か、PCニーズとのマッチングがよいi5か... i7で行くなら予算の関係で920がほぼ確定。 しかし、920だとターボモードの動作周波数や消費電力では同一価格帯のi5に負けてしまう。 i5ならば秋口まで待つことになるが、仕事や引っ越しのストレスを SSDやNano程度でごまかし続けてきただけに、禁断症状に秋まで耐えられますかどうか... それに、PC用途ではあまり役立たないとはいえ、バンド幅の重要性を強く主張してきた当サイトが 低バンド幅廉価バージョンであるi5を選ぶというのも話の筋が通っていないような?  むむむ、悩ましいところだね。

ともあれ、サブプライム不況で金額激減とは言えボーナスは未使用のまま。 今しばらくは当サイト的フラッグシップに向けて楽しく悩ませて頂こう。



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サブプライム不況には底入れの兆しが見えるが、低消費電力化の流れはしばらく続きそうだ。 なぜならば、x86としてはズバ抜けた低消費電力性を誇るAtomだが、 組み込み用のRISCプロセッサが相手の場合はまだまだ低消費電力性に磨きをかける必要性があるからだ。 事実、 これがIntelの次世代Atom「Lincroft」の実チップだという記事を見ればわかるとおり、 次世代Moorestownや次次世代Medfield のアピールポイントはほとんどが低消費電力性に関するもので性能面のアピールは少ない。 (SoC化により低コスト性も高いだろうが、こちらは強く主張すると顧客に買い叩かれるのでさっと流しているのだろう。)