2008・山あげ祭り再訪   

2008年8月12日



☆今年も山あげ祭りに行ってきた。   
お盆休み直前となったので、帰省する前にサイトを更新しておこう。 最近はちょっとコアなネタが続いたので、今回は息抜きのお祭りネタ。 お祭りネタは当サイトにとって夏休みの恒例でもある。

実は今年も山あげ祭りに行ってきたのだ。

このお祭り、前回行ったときは約100kmの道のりを3時間以上かけて移動したハードな長距離移動がボトルネックだった。 なんせ距離が距離だけに一度きりと思っていた。だが、祭り自体がすごく良かったので、 どうしても去年と違った演目を見てみたくなったわけだ。

演目を調べてみると、今年のメイン演目は「将門」。他に一部「吉野山狐忠信」とか。 あらすじを見てみると、直感的に「なかなかいいじゃないですか〜」という感じがする。 ただ、仕事の関係で残念ながら公演が連続する土曜日には行けそうもなく、日曜日だと演目間のギャップが4〜5時間と長い。 う〜ん、困ったな。どうしましょ。

と...悩むことは無かった。前日が何かと忙しかった関係で、当日の日曜日の朝は目が覚めてみるとなんともう8時近い。 久々に寝過ごし。朝目が覚めたら目覚まし時計のSWがOFFのままで、「やや、やってもうた〜」という感じである。 (平日でなかっただけまだマシと思うべきなのか?)

というわけで、見るのは午後2時からの特別公演「吉野山狐忠信」に自動的に決定。

去年一度行っているので、今回は往路もぶらぶらお気楽ドライブである。 田舎道を流しドライブするのは仕事疲れのいい気分転換になるので、筑波山は西側経由ではなく今回は東側のフルーツラインを選択した。 これが正解で、人口密度が低い地域にも関わらず道はそこそこ広いし、東側から見る筑波山・加波山は気分も新た。 里山風景を楽しむことが出来た。

車を2時間半ほど走らせて那須烏山に到着し、駐車場も運良く確保。 ぷらぷらと烏山市街を楽しんだ後で公演場所である山あげ会館前に移動した。

到着時にはもう準備万端でした。
右図はPM2:00からの演目では出番のないガマ。(演目が「将門」の時に滝夜叉姫が妖術で操る役。)

山あげ会館前では日曜日は演目間のギャップが開いているので準備ももう万端に終わっていて、 あとは開演を待つばかりの状態だ。 御拝の後ろでは、今回は出番のないガマ(演目が「将門」の時に滝夜叉姫が妖術で操る役。) が観客席からは見えないところにひっそりと置かれているのがおもしろかった。 地元の人曰く、「日曜になると皆さん作業にも慣れてくるので、山もあっという間に組み上がる。」のだそうで...

ただ、待ち時間中にも御拝の中からは演奏が聞こえてきて、開演を待つ観客に配慮している様子。 この暑さの中延々1時間以上の演奏で観客に気遣いしているわけで、 別段給料が出る訳でもないだろうにホント頭が下がります。

御拝の中では開演を待つ観客のために随時演奏が行われている。
準備が終わると機材がすべて山に行ってしまうので、御拝を横から見るとこんなに奥行きが短くなるのね。

☆吉野山狐忠信   
今回見た演目は吉野山狐忠信」。去年紹介した「戻り橋」に比べると派手さは無いけれど、 親子の情愛をしみじみ語る滋味深いお話なのだ。(派手さなら4時間前に開演の「将門」がお勧めと思う。)

さて、開演時間は午後2時だったけど、パラパラと小雨が降ってきたので主催者側が気を利かせてくれて、 開演が15分早められ1時45分開演となった。 と言うわけで、この先は「吉野山狐忠信」の話になるわけだけど... お約束としてネタバレに敏感な人はここから先は読まない方が吉なのでご注意ください。

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演目は「吉野山狐忠信」
親子の情愛を描く滋味深いストーリーである。

登場人物は静御前と佐藤忠信(の偽者)。 源義経と兄頼朝の兄弟仲が悪くなり、義経が頼朝の追討から吉野山に逃れた所から話が始まる。 義経を慕って静御前が吉野山へ向かうが、お供の佐藤忠信と途中ではぐれてしまう。

忠信が見つからないので、静御前は鼓を打ち始める。すると...どこからとも無く白狐が現れた。 狐たちは鼓に合わせて踊っている。

佐藤忠信とはぐれてしまった静御前は鼓を打ち始める。
すると、どこからとも無く白狐が現れ、鼓に合わせて踊り始めた。(左)
そしてしばらくすると、何事もなかったかのように佐藤忠信が現れた。

そして、なおも鼓を打つと何事もなかったかのように佐藤忠信が現れた。 だが、何となく忠信の様子がおかしい。 実は静御前の持つ鼓は狐の皮で作られたもので、 目の前に現れた忠信はこの鼓(変わり果てた両親!)に合いたい一心でやってきた子狐が化けた偽者だったのだ。

背景の山々が一瞬にして吉野山の桜風景に。
言われてみれば吉野山は日本三大桜名所の一つ。
満開の桜で、子狐の万感の思いを表現しているのであろう。

このとき、変わり果てた姿とはいえ両親(鼓)に再会することが出来た子狐の万感の思いを表すかのように、 背景の山々が満開の桜に一瞬で切り替わった。 両親に会えたとは言っても親狐は鼓の皮に変わり果てているわけで、 桜のはかない美しさが子狐の喜びと悲しみの入り交じった万感の思いを表現しているんじゃないかな。(たぶん。)

静御前が忠信の前に見事な甲冑を並べる(恩賞?)が狐忠信は興味なさげな様子。 で、甲冑の上に鼓を追加すると...

甲冑には興味なさげだが、鼓が甲冑の上に置かれると...
忠信(子狐)の衣装が替わって...

狐忠信の衣装が上半身入れ替わって、喜びが表現される。

以下、この辺りは古語がよくわからない部分もあるので間違っているかもしれないけど、 おそらく情に厚い静御前は忠信が狐の化身なのを承知で、 建前上は忠信への恩賞という形で鼓を子狐に返したというストーリーなんじゃないかな。 (間違っていたらすみませんけど。)

静御前がいなくなると...
鼓を返してもらった狐は本来の姿に戻り、桜吹雪の中、万感の思いで山に帰っていく。

このあと静御前はお堂に入って去って、狐忠信一人となる。 すると、子狐は忠信に化けるのを止めて白狐本来の姿に戻り、 子狐の万感の思いが表現される。

狐忠信のときは狐っぽい人間の様子だったのだが、ここではもうキツネそのもの。 キツネの決めポーズが演じられて、最後には桜吹雪が舞う中、吉野山に帰っていくのでした。

ラストシーンは子狐たちがキツネの決めポーズをとって幕。
終了後、お祝いの一品が振る舞われる。脚立を使っての後方からの撮影なんでゲットできず。残念〜。

と言うわけで、去年見た「戻り橋」と違って派手さは無いけれど、 この「吉野山狐忠信」は両親を慕う子狐の嬉しくも悲しい物語なのでした。 (だって、両親に再会できたとは言っても親狐は鼓の皮になってしまっているんだものね。)

このあと、ありがたいことにお祝いの一品が振る舞われるのだが...今回は脚立の上での写真撮影なので観客席の一番後方だし、 得意の空中ジャンプキャッチとかは出来ないのでゲットできず。残念〜。

そして、次回の公演に向けて早速山が降ろされて分解されていく。 作業は早い。山はあっという間にバラバラになって移動していく。

山が降ろされて分解され、次の公演場所へ...
解体作業はホンの一瞬の出来事。作業は素早い。一番上には今回は出番の無かったガマが乗っている。

当サイトの住所が変わったとは言っても、那須烏山への距離は誤差範囲しか近くなっていない。 ブラブラと筑波山麓を抜けてドライブするのは楽しいとは言っても、遠いことには変わりがない。

しかし、その遠距離感をはね除けて行くだけの価値があるお祭りである。 来年こそは「将門」見物かな?(寝過ごさないように前日は早寝しよ。)

...と言うわけで、皆様も良い夏休みを。