「足で稼ぐ」がネットを出し抜いた日(息抜きネタ、引っ越し記)   

2008年3月31日



☆あぁ..秋葉原出撃ゼロ・お祭り見物ゼロ・お花見ゼロ。   
読者の皆様、お世話様です。

この3月は秋葉原出撃回数ゼロ、お祭り見物ゼロ、旧居のある成田市を日本人の心のふるさとである桜前線が通過中だが、 この状態ではおそらくは桜見物もゼロ...という非常に悲しい週末が続いている。 自室も引っ越しのための荷造り開始で荒れ放題。(もっとも、友人によると引っ越しが無くても普段から荒れ放題という説が有力らしいけど。) PC関係はというとVistaにSP1を当てた位のことで、ほとんどいじっている暇がない。

ちなみに、SP1はまあまあ良い出来になっていて、正直今までのVistaはあまり褒める気になれない代物だっただけに、ちょっとホッとしている。 酷評は物事の評価で一番楽な評価で、正直酷評だけならサルでもできる事と思う。だから、出来ることなら酷評なんてやりたくはなかったのだ。

というわけで、今まではPCマニアにさえ避けて通られていたVistaだが、ようやく少しずつ動き出すのかもしれない。 (ただ、PC雑誌のSP1評価はまたも一部雑誌で提灯記事が出ている。確かに良くはなっているが、まかり間違っても劇的向上じゃないよ。 あまり持ち上げるとユーザーの期待はずれ感を誘発しかねないから、実際通りボチボチ良くなっているという書き方の方が良いのでは?と思うのだけどね。 実際そういう書き方のPC雑誌もあるし、それなりに良くなっているのは事実なんだから。)

そんなこんなで、年度末の仕事の締めと引っ越し作業で全然暇無し状態なのだが、 3月に更新1回も無しというのも読者の皆様に申し訳ない。 3月中に更新するなら今日が最後のチャンスだし、明日(4/1)掲載したら全部ガセネタと思われてしまうので、手抜きネタで少々お茶を濁すことにしてみた。 (今回はお茶濁し手抜きネタなんで、「中身が無い。」なんて苦情メールは寄せないでくださいな。いや、正直中身無いです。)

☆ネット情報と生情報。   
ところで、この引っ越しなのだが... 引っ越しに関してネット情報と生情報の関係について考えさせられる事があったので書いてみようと思う。

皆様は情報収集の手段としてネットをどの程度利用しているだろうか?  世の中にはいろいろな意見があって、「ネット情報は今や実世界の生情報を凌いだ。」という意見もあれば、 「本当に必要な情報はネットなんかでは手に入らないよ。」という意見もある。 そういえば「ネットがあれば新聞なんて不要。」と暴言を吐いたIT系犯罪者がいたっけかな? (ちなみに、当サイトはネットがあっても新聞は必要という見解。実際に新聞をとっている。 新聞なんて所詮ゴミ情報と酷評するのは簡単だが、情報経路の多様性と複数ソースの比較検討を重視しているからだ。)

引っ越しに関しても今やほとんどの方々はネットで検索してから不動産屋に出かけるようである。 不動産屋で自分の順番が回ってくるまで周囲の状況を観察していたのだが、 候補物件ゼロで飛び込み来店するお客様は少ないようだ。(が...想像していたよりは多かった気もするけど。)

当サイトも当然ネット情報を頼りに候補物件を探してから来店するわけだが、 これがどういう経緯を辿ったかというと...

まず、ネットで公開される情報量は実世界の生情報より少ないという事実。 当サイトがPCマニアであるという性質上、ネット公開情報の取りこぼしはそれなりに少ない方だと思うのだが、 ネット上で得た物件情報を持って不動産屋に行くと、結構未知の物件が出てくるのである。 (ネット上に公開されている物件は、リアルな物件数の半分程度と思われる。)

また、平均的に見ると情報品質もネット情報は生情報よりも低い。

たとえば、ネット情報は情報の精度がどのように低いかというと、 決まってしまった物件の情報抹消がやたらと遅い、地図情報がでたらめ、間取り図がでたらめ、同じ物件が別物件扱いで複数掲載される、 等々...いくらでも問題点を指摘できる。

情報更新速度の点で言うと、新規契約に直接結びつくため新規物件は超速でネット掲載されるのだが、 不動産屋によっては決まってしまった物件の消去がやたら遅いのである。 実際に不動産屋を訪れて「申し訳ありませんが、この物件は契約済みです。」と言われてから、 ネット情報がいつ消されるのか監視していたのだが、訪問以来2週間経っても3週間経っても物件情報が抹消されないでいる。(ちなみに、現在進行形である。)

契約済み物件も「枯れ木も山の賑わい。」で来店のための客寄せパンダになると思っているのかもしれない。だが、 このような行為は下手をするとガセ情報で客を釣る行為に写りかねないので、会社の信用確保のためにも早期の抹消が肝心だろう。 (店頭掲示広告の場合は決まってしまった物件には「成約御礼」のシールが貼ってあるけど、「枯れ木も山の賑わい。」のつもりならネット上でも あれを貼ればいいのに。)

こうした遅延を修正させる最良の方法は、契約完了物件の消去時間の早さが不動産屋の信頼度に比例すると我々消費者が認識することだろう。 その陰にはノルマ達成至上主義があるのだろうから、下手に良識に訴えるより、もくろみとは逆に業績に不利益になる事を認識させるのが重要である。 不明朗な客引き行為まがいの抹消遅延が契約に結びつかない事を不動産屋に認識させることが是正への最短コースだと思う。

地図情報もでたらめである。 ○○駅から徒歩10分が、実際は徒歩20分なのは不動産業界では常識の内。ひどい物件になると 徒歩10分が車で10分行っても全然たどり着けず、あとで自分のパソコンで再確認したら地図ソフトは徒歩2時間弱という判定を下したという事例もあった。

また、間取り図も同様で、誤った物件情報がネットにはたくさん掲載されている。 間取りの東西南北が鏡像のように対称なのは「不動産業界の常識ではこれは情報ミス扱いではなく、もう普通にあること。 不動産業界の常識は世間の非常識。」と慣れてしまったが、 メゾネット形式1)の物件で1階の階段と2階の階段が結びつかないのにはもう怒りを通り越して笑ってしまった。 上下の階段を論理的に正しく結びつけると、階段以外の2階があり得ない状態で空中に浮遊しているのである。 (中空の階下が別の人の部屋である可能性はゼロではないが、この場合はメゾネット形式のメリットがほとんど無くなってしまう。 また、実地に見聞してみたが実際間取り図の間違いだった。)

当サイトは会社での仕事は速いほうだが、正確性には欠けるおっちょこちょいな側面がある。 だが、この程度の情報信頼性で問題ないのなら、不動産業界で喰っていく自信はありますぞ。 当サイトの職場でこの程度のミスを繰り返していたら、期末には間違いなく自分の机が無くなっている。 3月は不動産屋にとって極端に忙しい時期なのでミスが多いのに同情の余地はあるにせよ、 残念ながらそれくらい間違いが多いという事だね。

問題は、ネット上に誤情報が溢れかえっているので「ネット情報は信頼できない。」という認識をユーザーに与えかねない懸念があることだろう。 原因はいろいろと考えられるだろうが、主因は「責任体制の不明確さ。」だと思う。 不動産屋に直接訪ねたときに、たとえば徒歩10分の物件が実際には徒歩1時間だったとしたら、当サイトはその担当者は2度と信用しない。 しかし、ネット情報の不正確性は責任体制が不明確なので、問題があっても苦情の行き先が無く、結局放置される事になる。

しかし、これはとても残念な事だ。 時代のトレンドで言えばネットで検索なんてのはもう常識なのだから、ネットで検索して1回だけ物件を実地検分すれば安心して即契約... という状態に持って行けるかどうかは、不動産業界全体の活性化を左右すると思うのだけどね。

というわけで、「酷評だけならサルでも出来る。」と言ったハシから酷評してるわけ。 でも、それを承知でも酷評せざるを得ないのが不動産系のネット情報だと思った。 この業界では情報量の面でも情報の質の面でも実空間の生情報がネット情報に勝る場合が多かった。

一方、生情報はというと平均的にはネット情報より上だけど、ばらつきは大きい。 つまり、やる気のある社員に当たるかどうかでかなり違ってくる。 当サイトの場合、いろいろと不動産屋を回ったが、 持って行ったネット物件から同じ条件のネット未掲載物件を探し出してくれたことが決め手になった。

探し出してくれた数件の候補の内、当サイトが選択した物件以外の物件は数日後にネットに掲載されることになるのである。 つまり、結果としてネット情報を出し抜いた事になる。

当サイトより先に寮を出て賃貸アパートに引っ越している友人に良い物件を見つけるコツを聞いてみたのだが、 「こまめに不動産屋を回って足で稼ぐしかないですよ。」と言われ、 「えぇぇ、今時足で稼ぐのか?」と思ったが、不動産業界に限れば実際この意見は正しかったのだ。

当サイトが推奨する賃貸物件の探し方だが、ネット情報はきっかけ位に考えて、まず誠意とやる気のある不動産社員を見つけるのが得策という結論になった。 「将を射んと欲すればまず馬を射よ。」だね。

というわけで、3月に入るとネット情報を元に1回だけ実地検分して賃貸契約...というプロセスは早々に放棄して、 足で不動産屋を回っていた。そして、これが勝利につながった。

今の旧居から車で行ける範囲が引っ越し候補地域なのは不幸中の幸いで、 これが新幹線だの飛行機だの使わなければ行けない遠隔地への転勤だと、 おそらく一発勝負で物件を決めなければならない。 ネット情報が真に威力を発揮するのはこういうケースだが、 先に述べたとおり残念ながら現段階ではこのレベルには到達していないようだ。

☆実空間と仮想空間。   
で、物件探しの際に友人に言われたのは「FTTH対応物件がおまえ向き。」という意見。 一応PCマニアなんだし、「そうだよね〜。」なんて思っていたが、現実はそれほど甘くはなかった。 どこに引っ越すか...は、とりあえずプライバシーとして、 ともかくも引っ越し先でFTTH物件を探すのは大変なのだ。

まず、FTTH対応だと無条件で町の中心部が対象になるので、同じ家賃だと日当たりとか周囲の騒音環境とかの物件条件が悪くなる。 家賃に糸目を付けない金持ちならば賃貸アパートではなくFTTH対応マンションとかに入居すれば良いわけだが、 高所恐怖症なので3階以上の物件は不可だし、そもそも貧乏人の当サイトにそんな金はもちろん無い。 (日本経済を支えているのは間違いなく製造業なわけだが、なぜ国を支えている業界が国内だけしか競争力のない業界より給料が安いのかねぇ。本当に不思議だ。)

つまり、FTTHという仮想空間の快適性と日当たりとか騒音という実空間の快適性が天秤にかけられるわけ。 職場から同じ通勤時間でも、それが町の中心部へ向かう方向なのか、さらに田舎に向かう方向なのかでFTTHとADSLの違いが出てくる。 いろいろな物件を探していくと、これが見事なまでに反比例関係にあって、ADSL物件だと安い家賃で日当たり良好だったり間取りが一部屋分多かったりする。 (もちろん、FTTH未開通地域は買い物などの利便性も悪くなるわけなので、FTTHそれ自体が直接家賃に強い影響を及ぼしているわけではないだろうけど。)

で、当サイトが下した判断は実空間優先。 脳内で実空間と仮想空間の区別が付かなくなるような、どこぞのアニメのような世界ならばいざ知らず、 現時点でのセカンドライフの出来の悪さを想像するまでもなく現状レベルでは仮想空間は実空間の代理にはなり得ない。そういうわけで、 FTTH(+買い物の利便性)をあきらめる代わりに、日当たり良好、窓から眺望良し、同程度の家賃で町の中心部の物件より一部屋多しという物件となった。

ちなみに、「そんなこと言うのなら56Kbpsモデムでしかネットにつなげない環境でも我慢できるのか?」と言われそうだが、 そもそもそんな地域には賃貸アパート自体が存在しないのでご安心を。 超デジタルデバイド地域にはそもそも会社も仕事もなく、従って賃貸アパート需要も無い。 逆に言えば、賃貸アパートの多さは大雑把には人口密度に比例するわけだから、 賃貸需要に比例してADSLからFTTHへとIT系インフラも整備されていくわけだね。

ともあれ、仮想空間条件が実空間条件より優先されるのはPCマニアですら起こりにくいと思った。 ネットは物件条件の1条件に過ぎず、実空間の条件全体と比較される存在ではないだろう。 光に比べれば低速とは言ってもADSLで必要最低限の帯域は確保できるわけだし、 実空間の風通しはネット上の風通しより重要なのだ。

☆なんと...「足で稼ぐ」がネットの裏をかいた。   
というわけで、ネット上の情報が生情報を凌ぐのはそもそも情報ソースが根本的に最初からネット上にあるものに限られるというのが、 今回の結論。情報を処理して扱いやすくする事(典型的なのは検索)はコンピュータは得意だけど、 不動産の場合は物件そのものは100%実空間にしかなく、その情報もまず実空間で入力されてからネット上に公開される。 その段階で人間はすべての情報をネット上に移しきれないので、どうしても情報が一部欠けてしまうのだ。 また、生情報には局所性があって、たとえば旧居である成田の物件を探す場合は成田の不動産屋を回ればほとんどを網羅できるだろう。

このような背景がある場合は、ネット情報が生情報を超えるのは難しいと思う。 ネット情報が効果的に機能するケースとは、実空間では広範囲に離散している情報を集約して扱う場合とか、 生情報が最初からネット情報のケースとか、要するに最初から情報がサーバー上に乗っかっている場合なのだろう。 ネット上で検索サイトがロボットを使っているように、将来的に技術が進歩して 実空間で「不動産物件情報取得ロボット」が空き賃貸アパートの物件情報を偵察して回る時代でも来ない限り、 「足で稼ぐ」レトロで時代遅れな方法がネットという近代装備の裏をかく意外に有効な手段であるのかもしれない。 (少なくとも今回はそうなった。)

というわけで、今回のお話は内容が全然無いけれど、まぁ、たまにはこんな話も余談として息抜きしてみた。

ところで、引っ越しの荷造りなんだけど、これを機会に最近はほとんど行かなくなったスキー装備一式を放棄したり、 メタボでウエストの合わなくなった衣服を捨てたり... (昔はこんなにウエスト細かったのか?と思うと我ならが悲しくなる。) おっと、10年以上前のPC雑誌が本棚の奥から発掘されると、ついつい読みふけってしまうな。 いかん、いかん。

しかし、本棚4つ分の本どうするんだ。 しかもそれでも収まりきらないので奥行きの短い本は1ラックに前後2冊押し込んであるから重量は通常の本棚の1.5倍位あるし。 (つまり、通常の本の並べ方なら本棚6つ分。) 今まで住んでいた寮は重量鉄骨構造だからそれでもOKだけど、引っ越し先は通常の木造建築。 建築基準法の耐荷重は1mあたり180kg。床が抜けなきゃいいけどね。 それこそ本なんて不動産と違って情報だけの存在なんだから、本来はネット上に移動させるべき存在なのに... 我ながらなんか方向性が間違っていないか?

うぅ、段ボール箱が重い!



1)
普通のアパートは1つの物件が同じ階層にある。 たとえば1階の2DK物件とか2階の1LDK物件と言った感じ。 しかし、メゾネット形式は、たとえば2DK物件だとしたら1階がDKとバス・トイレで2階が2部屋といった具合に 1階と2階が階段でつながった構造で1つの物件となる。

メリットは2階から見た階下がすべて自分の物件なので、子供が2階でドタバタ走り回っても 階下から苦情が来る可能性が少ないことや、吹き抜けなどの開放的な部屋割りが可能になること。 デメリットは部屋とDKとの移動が階段経由となる不便さと、 どうしてもウナギの寝床的な細長い間取りになりやすいこと。