キーボードも新たに。(2007年年末決算)   

2007年12月30日



☆「飲むヨーグルト」はお嫌いなご様子。   
この年末使い慣れたキーボードがついに壊れた。

ちなみに、今まで使ってきたのはFILCO製のMajestouchという奴である。 このキーボードはマニアの間でいわゆる「茶軸」として知られているドイツ製メカニカル・スイッチを採用しているキーボードだ。

当サイトは一応PCマニアなので複数台のPCを所有している。 しかし、すべてのPCに高級キーボードを買っているだけの財力は無い。 そこで、メールやWeb更新に使うメインマシンにだけ高級キーボードをおごり、 それ以外はジャンク品や新品でも\1000クラスの動けばいいって奴をつないでいるわけだ。

Majestouchは当サイトで唯一そこそこ高級なキーボード。 マニア間で一番評判の良い製品は東プレ製のRealforceシリーズだと言われているが、 残念ながらこれは価格も最も高い部類である。 Majestouchはこれにかなり近いレベルのタッチで、しかも価格はRealforceシリーズの半値程度。 当サイトに限らずコストパフォーマンス派の間では評価が高いキーボードとして知られている。

秋葉原でキータッチを試したのであるが、当サイトは打鍵圧力が極めて高い打ち方をするので、 ストロークが短いキーだと指の関節が疲労して長時間打てない。 パンタグラフ型のキータッチは世間的には評判が良いのだが、その意味で当サイト流の打ち方には適さない。 また、「黒軸」のような押せば押すほど反力の強くなるタイプは当サイトとは相性が悪く、 「茶軸」系の押し込んでいくと途中でスコンと抜けるクリック感のあるタッチが好みである。 ストロークが深めでスコンと抜けるタッチのMajestouch(茶軸)は 当サイトにとって予算内で買える最上級のキーボードのようだ。 (深夜にタイプしたりする事もあるので、唯一の弱点は比較的カチャカチャうるさい事かな?)

ところが、当サイトの環境はキーボードにとってはかなり過酷である。 打ち込み文字数もそうだが、なんせコーヒーやらウーロン茶やらを時々ごちそうしているのがまずい。 特に今回はヘルシー指向で「飲むヨーグルト」をご馳走したのが致命傷になったようで、反応が不確実なキーが出てしまったというわけである。

Majestouchはメンブレン型のキーボードに比べると経時変化の少ないキーボードであり、当サイトの過酷な使い方で 2年以上保ったので結構長持ちだとは思うのだけど、形ある物はいつかは必ず壊れるのが宿命

というわけで仕方なく\1000キーボードで入力しているのだが、安物は所詮安かろう悪かろうである。 キートップが妙にグニャグニャして不安定で使いにくいね。 新年一番には早速同じキーボードを買いに行かなくては...

当サイト愛用のFILCO製Majestouch(茶軸)
コストパフォーマンス抜群の当サイトお勧めキーボード。
だが、「飲むヨーグルト」をご馳走したのがまずかったようだ。

というわけで、今年も年末がやってきた。 今年は25回の更新を行い、そのうちPCネタは15回の更新。 更新回数としては想定通りだけど、購買ネタや見学記ネタを加えても 余談の比率がちょっと高かったのが反省点かな? (今年の最後は息抜きネタ2連投で水増し状態だし。)

今年は去年と違って仕事が超激務ということは無かったのだが、 時間がとれれば更新回数が増えるかというと、結局秋葉原に行ったり、お祭りに行ったり、日帰り温泉旅行に行ったりで、 去年行けなかった所に出かけていて、意外に自室にいる時間が無かった。

たとえば、ぶらぶらドライブ片道100km(那須烏山市、山あげ祭)なんかは、実際にすごく良かったお祭りである。 なので、個人的には是非にも紹介したい気分ではあるのだが、そもそも当サイトの読者はたまの息抜き以外にそのようなネタを希望していないわけである。 息抜きはあくまで息抜き、本題を飛び越えてしまっては意味がない。

更新回数にしてもそうだ。 内容については読者の皆様各者各様のご意見があるかとは思うけれど、 このペースを守るべきなのか、月二回の更新回数にこだわらずに内容を精査した方がいいのか、迷うところではある。 (去年は激務だった分、結局意地になって更新していたわけだね。)

今回の年末決算であるが、未だネタの当否が判断できないものが多くなってきた上に、 前年のベスト・ワーストの2個だけの方がメリハリがあってわかりやすいというご意見もあったので、 今回からは毎年ベスト・ワーストで行ってみたいと思う。

☆内容的なワーストと対応的なワースト。   
まずは最初にワーストから行ってみようか。 今回のワーストは内容的なものと対応的なもので2つに分かれる。

まず、内容から行ってみよう。

これはおそらくCPUは人が作る。では無いかと考えている。 理由は論点が明確ではなく内容が散漫だからである。 要するに「何が言いたいのかよくわからん。」というわけだ。

何となくエッセイ調の散文となっているわけで、軽く読めるというメリットはあるが、話があちこちに飛びすぎているという問題点がある。 この文章は決して論文ではないのであるが、少なくとも技術を扱う文章である限り最低限の論旨の明確化は必須であろう。

当サイトのような技術を扱うアマチュアサイトの書き方というのは論文を書くのとは別の意味で難しい。 正確を期すべく書いていくとほとんど論文調になってしまい、正しくはあっても読んでいて読みやすくもないし楽しくもない。 だったら、レベルの高い原著論文に直接当たった方がよほどためになるわけである。

この点を改良するために参考になるのは経済誌の文章かな?

経済だって学術的に見れば経済学という学問でもあるから、本気で書けば正確さと引き替えに難解な文章になる。 しかし、経済誌の文章は一定の精密性と引き替えに読みやすさの点で洗練されている。 論文は読み手も同レベルのプロという大前提で書かれているので、イントロダクション以外ではアーティスティックな表現が入り込む余地がなく1)、 内容のレベルが難しいという点が無かったとしても、その筋の専門家以外の一般人には取っつきにくい文章なわけだ。

当サイト管理人である「たるさん」は典型的な理科系人間なので、正直言ってエッセイストのような巧みな文章表現というのは苦手。 (だったら、せめて論旨の明確化だけでもちゃんとやれっ、と言われればその通りなのだが...) 難しい話を扱ってそれなりにわかりやすい表現となる場合が一部あるのは、 正直言って本人が理解できるレベルまで話のレベルを落とさないとそもそも本人が内容を理解できないためではある。 だが、それが例外的にうまく行く場合もあるが、このワーストの例はうまく行かなかった例の典型だろう。

文頭でジョークを放って笑いを取り、難解さを緩和し、わかりやすい具体例から入って徐々に論旨を明確化し、最後には難しい結論を易しく説き明かす... というのが理想だろうね。

では対応面からはどうだろうか?

対応的には脳みそのシワ、さらに+1本(プロのサイトで取り上げられた件)であろう。 これがワーストなのは「内容が...」という訳ではない。 (内容については反論のままである。) 問題点は「文章表現が...」という意味である。 相手が名の知られたプロだけに下手に出たわけだが、下手に出すぎたらしい。 当サイトは改訂前バージョンに不快感を持ったすべての方々にお詫びしたい。 (もっとも、ため口口調で書いたら「思い上がり過ぎ。」とか言われていただろう。日本語は難しい。)

当サイトはアマチュアには珍しくスパコンネタを扱う。 事の当否やレベルは別として、そういうネタを扱うアマチュアサイトが無いために 当サイトは一定の人気を得ている。だが、それ故にプロ間でもそれなりに目立つサイトになりつつあるようだ。

通常PCマニアはintelやAMDのCPUについて速い遅いをベンチマークして評論しても、 そのことをWebに書くことでゴードンムーア氏から直接リンクされて批判される事を覚悟して書いている人はほとんど居ないだろう。 それは、内容がプロと同レベルではないという無意識の自覚によるものである。 しかし、分野は違うとは言え今回はこのあり得ない事が起こってしまったわけである。 本当にビックリした。

しかし、この議論はこちらから挑んだわけではないし、 学問の世界では直接に論争を挑まれて反論しないことは、相手の主張を認めたことと同義である。 もちろん自分の書いた内容が学術レベルで通用するとまではうぬぼれてはいないつもりだが、 自分の主張が正しいと信じるならば相手が誰であれ反論はしなければならないわけだ。

というわけで、当サイトは「メモリバンド幅が性能を決めるアプリケーションでも P4 のほうが ES の 4倍価格性能比が良い。」という主張は この論理が成り立つのはノード数が少ない場合のみであり、 スケーラビリティーの観点から見て次世代スパコンやESレベルのノード数では正しくないと反論させていただいた。 (この反論は今でも間違っていないと思っている。)

ともあれ、議論と言うものは相手が誰であれ平常心をもって、という事は肝に銘じておきたい。 幸いにしてこれで免疫はできたので、次回このようなことがあれば相手がセイモア・クレイやフォン・ノイマンであっても 冷静に対応・反論できると思う。

☆意外、液晶テレビ購買ネタが一番人気。   
さて、では今年のベストは何だろうか?

読者の皆様からの反響度・人気度から言うと、何と大画面液晶テレビを購入して思ったこと。なのである。 これはとても意外な結果だ。

実はこのネタは当サイト的ネタとしてはかなりの変化球だ。 こういうネタを扱うサイトは多いのであるが、逆に扱うサイトが多いだけに競争は激しい。 ちょっとやそっとで読者を引きつけられるネタではないのである。

逆の例がスパコンネタで、こういうネタをアマチュアのサイトで扱っている例は極端に少ない。 もちろんアマチュアとは言っても論理思考は無い知恵を絞ってベストを尽くしているつもりではあるが、 おそらく読みやすいアマチュア向けサイトとして競争がほとんど無い事がこういうネタが人気ネタである理由だと思っている。

ではなぜこのような競争の多いネタで反響が大きかったのか?

実はご感想を頂いた方々にその筋のプロの方々が多かったことが原因として考えられると思う。 このネタでのご感想の中で4人もの方が直接・間接に大画面パネルの製造に関わっていた方だった。 プロの方からのご感想メールが多く含まれていたのだ。

もちろん全員が身分を明かしていただいている訳ではないし、明かしていただいた方も素性をここに書く事は許されない。 だが、さすがはプロの方々である。IPSパネルについて熱く語って頂いた方、VAパネルのメリットを力説していただいた方、 それぞれに説得力はあったと思う。2)

ただ、多くのプロの方々に共通して評価していただいた考え方がある。それは、シャープ、松下がそれぞれ液晶パネル、プラズマパネルで リーディングカンパニーに成り得たのは大規模投資に対する経営陣の判断力の結果であり、 選択と集中の成功例であるという当サイトの理解である。 投資判断が事業の勢いを左右するという考え方はプロの方々の眼から見ても間違っていなかったようだ。

実際、あの記事を書いて以降、液晶パネル業界では業界再編が始まっている。報道によると 東芝・日立は液晶パネル製造から徐々に手を引き、IPSアルファテクノロジの経営権は松下が出資比率を上げる方向で話がまとまってきたようだし、 東芝とシャープの業務提携はさらに拡大するようだ。

ここで注意しなければならないことは、 東芝・日立のように液晶パネル製造事業から手を引く判断をしたことを、必ずしも「負け組」と判断できないことである。 たとえば東芝はそのおかげでフラッシュメモリに設備投資を集中できる。(当サイトの考えでは、 持てる資金を液晶パネルとフラッシュメモリに半分ずつ投資することこそが経営資源の集中投入という原則から外れるという意味で最悪の選択と考えている。 投資規模が大きい世界では「二兎を追うものは一兎も獲ず。」が鉄則と当サイトは考える。)

液晶パネル以外に別の勝ち組投資先があればという前提条件付きではあるが、撤退も勝つための勇気ある決断である。 選択と集中の正しい表れと考えるべきであろう。

というわけで、このネタの反響が良かったのは単に液晶テレビの評価をしているという訳ではなく、後半部分で 何というか日本経済新聞的な経済ネタへ振った事が理科系読者のツボを突いたという事ではないだろうか?3)

ともあれ、この記事がこのような感じで第一番の評価だったのは、当サイトの読者層がアマチュアとは言っても、 ご本業は製造業の方々が多いのだなということだ。 自作PCというのはいつの時代も本業が理科系の方々の趣味というわけですな。(実は当サイトも場末の三流企業とはいえ一応は製造業勤務なんだけど。)

余談だが、購入したレグザの印象が結構良かったので、実家の両親にも37inchのレグザを1台プレゼントした。 今年のボーナスは親孝行と景気回復がキーワードで、これなら秋葉原での散財とは違って無駄遣いとは 言えない...と自分に言い訳している。(ちなみに、当サイトは東芝の回し者ではありません。)

☆皆様、良いお年を。   
今年の総決算はこれでおしまい。 使い慣れたキーボードが壊れたことで、来年からは筆も新たに...いや、キーボードも新たに文章を書き込んでいく事になる。 (来年は早速Majestouchを買いに行かねば...)

というわけで、今年の更新は今回で終了。 来年こそは新キーボードで気分も一新。 頑張って良い内容に仕上げてみたいと思う。

では皆様、良いお年を。



1)
論文は正確なデータに基づいて感情表現の一切無い客観表記を行うのが鉄則である。 従って、正確ではあるが無色透明な文体になってしまう。 唯一の例外は論文を書くに至った背景や経緯を説明するイントロダクション部分であり、 従ってここをいかに上手く表現するかが論文の格調高さを決める腕の見せ所と言われているそうだ。 これは、大学時代のお師匠様から聞いた話。

2)
余談だけど、IPSパネルを推す声が多いのは当サイトの声ではなく、あくまでPCマニアの平均的な声としての話である。 当サイトの評価はWebに書いたとおりで、「もはやIPS、VA共に必要なレベルに到達している。」という判断。 当サイトの意見としてIPSパネルを推薦している訳ではないので、その点は誤解無きようにお願いいたします。

3)
かといって、当サイトでこの手のネタを本ネタにするのはおそらく間違っているだろう。 変化球は直球を交えて投げるから効くのである。直球のレベルを上げずに変化球だけ連投すれば通用するはずはない。 というわけで、この手のネタは申し訳ないけれど当面は変化球ネタとしていきたいと思う。