マザーは修理完了だが...(不思議な挙動編)   

2007年12月10日



☆一部で有名な銚子電鉄のぬれ煎餅を発見。   
またも電源ネタとは無関係な余談から。

週末にお昼ご飯を食べに例の蕎麦屋 に出かけた。ついでに近くのスーパーに買い物に寄ったところ、何か見覚えのあるぬれ煎餅が売られているのを発見。 おぉ、これは 「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」で有名な銚子電鉄のぬれ煎餅ではないのか?

「電車修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」で有名な銚子電鉄のぬれ煎餅を購入。
別に銚子まで行った訳じゃなくて、安食のスーパーで偶然発見。お茶菓子にグー。

銚子まで出かけたのならともかく、こんなところで偶然見かけるとは...これは天の声と思って買ってやらねばなるまいて。 (引用記事の末尾にもあるけれど、こういうのはブームが去ってからが問題だから、 今またぬれ煎餅の話題を持ち出すのはある意味で良い作戦かも、と思ったりして。)

帰ってから早速食べてみたけど、これがしっとりとしてなかなか美味しかった。 存続支援なんて大上段に振りかぶらなくても、純粋にお茶菓子として美味しい。

それにしても、あれから1年もたったんですな〜。 ここ千葉では...いや、千葉だけではないけれどローカル線は銚子電鉄に限らずいずれも苦戦していて、 先日もいずみ鉄道が経営危機で民間から社長を公募して再建を目指すという報道があったばかりだ。 お隣の茨城では鹿島鉄道が廃線になったばかりだし...

ちなみに、去年死ぬほど働いた当サイトは幸いにして「マザーボード修理代を稼がなくちゃ、いけないんです。」なんて事はなかった。 なかったけど...でも、通常の低ESRコンデンサと違ってOS-CON系のコンデンサは値が下がったとは言ってもまだまだ高いね〜。 当サイトの財政状態ではまだまだ痛いですな。

本人はトリ頭で会社の業績を引っ張っているだけの窓際族なんだけど、幸いにして勤務する会社の業界は各社増産の続く好調業種。 というわけで、貧乏人とはいえボーナスも出たことだし、ようやく目的のコンデンサを秋葉原の千石電商で購入してきた。

☆電源が不完全だとビデオカードを認識しない?   
コンデンサもそろったことだし、まずは当サイトもマザーの修理から。 破裂したコンデンサはもちろんのこと、兆候のあるコンデンサ(底面のゴムキャップが膨れかかっている奴)を交換。

秋葉原では導電性高分子コンデンサと確認できるものを探したが見つからず、購入したのは導電性高分子タイプと有機錯体タイプが両方存在するOS-CON。 低ESRである事には違いは無いが、導電性高分子コンデンサと有機錯体コンデンサは固体電解質の組成がちょっと違うのね。 (OS-CONはOSの名の通り低分子系有機錯体を使用しているタイプが存在する。)

購入しておもしろいなと思ったのは、OS-CONには破裂時の安全弁の役割をするアルミ容器トップの刻印が無い事。 写真の通り、容器のトップは完全にフラットな状態なのである。 つまり、OS-CONではガスが発生して内圧が上がるという最悪の事態を想定する必要がないということだろう。 なるほど、高信頼性の証がこんなところにも現れているのだな。妙に納得。

OS-CON(左)には、アルミ容器トップに通常のアルミ電解コンデンサ(右)のような刻印がない。
容器トップの刻印は万が一爆裂の際にはせめてここからコントロールされた状態で割けるようにという意味だが、
そもそも爆裂の可能性がきわめて小さいOS-CONでは、そのような刻印をする必要性がない。

で、需要が少ないためか思ったより秋葉原価格が高かったので全部をOS-CONに置き換える事はあきらめて、 オンボード電源のアウト側のみに使用する事とした。 イン側のコンデンサは低ESRタイプのアルミ電解コンデンサを使用して価格を抑えることに。 OS-CONはなんせ高価なので、全部をOS-CONで修理するとすると新品マザーが半分買える位の修理費となってしまうからだ。

で、修理しながら気づいたのだが、破裂している電解コンデンサは一定の種類だけなのね。 このマザー(AK77-333)には低ESRタイプのアルミ電解コンデンサが数種類使われているのだが、 破裂しているのは耐圧10V容量3300μFの物と、耐圧6.3V容量1500μFのものだけのようだ。

この2種類は搭載箇所にかかわらず全滅。他は破裂の兆候かどうか微妙なものが数個あっただけで、あとは見かけ上は問題なし。 つまり、バッタもんの電解液が使われているロットがこの2製品だけだったということかと最初は思った。(あとで後悔する羽目になる判断だけど。)

CPU用のオンボードレギュレータのアウト側には耐圧6.3V容量2200μFの製品が使われているのだが、 このコンデンサは見かけ上は問題なし。 ただし、後述するが見かけ上は問題なくとも、実際のコンデンサ特性は劣化していた可能性が高いようだ。

というのも、破裂したコンデンサを交換しただけでは挙動不審だったからだ。

OS-CONを使用しないで破裂したイン側のコンデンサのみを低ESRタイプのアルミ電解コンデンサに交換した場合 とりあえずBIOSは立ち上がようにはなったのだが、なぜかビデオカードを認識しないのである。 カードを挿してあっても「ピー、ピピ。」とカードが無い旨のビープ音が鳴る。

最初はカードの相性かと思って手持ちのビデオカードを数種類試してみるも、問題は解消せず。 で、次はAGPスロットの接触不良を疑ってPCIのビデオカードを挿して見るもやっぱり問題は解消せず。

ここで修理は迷宮に入ってしまって、これでせっかくの週末を無駄に1日費やすこととなった。

☆OS-CON搭載でビデオカードを認識。なぜ?   
ビデオカードの認識問題にCPUのオンボード電源が絡んでいるとはまさか思わなかったから、 この問題点の解消には本当に手を焼いた。 結局いろいろと調べたけど問題は発見できず、 去年1年は仕事が忙しくて半田ごてを握って実験なんてことは全然やっている暇がなかったわけで、 腕も落ちカンも相当に鈍っている模様。 「やれやれ、我ながら落ちたもんだ。情けねぇ。」と、その晩は少々やけ酒。

問題が解消されたのは本当に偶然だ。 何をやってもダメなんで、「最初はまったく起動しなかった訳だし、とりあえずビープ音が鳴るようになっただけでもマシ。 だから、CPU用オンボード電源のアウト側のコンデンサ交換実験を先にやってしまおう。」と考えた。

CPU用オンボードレギュレータのアウト側に使用されている耐圧6.3V容量2200μFのアルミ電解コンデンサのうち、 膨れているかどうかの判断が微妙な2個だけ同容量のOS-CONに交換してみたわけだ。

CPU用オンボードレギュレータのコンデンサを2個OS-CONに交換。
同一容量でもOS-CONはちょっとサイズが大きめ。
CPUソケットの横から伸びているのは、電源ノイズ測定用に取り付けたSMAケーブル。

と...なんとビデオカードを問題なく認識するようになったじゃないの!

CPU用オンボードレギュレータはビデオカードに電力を供給している訳ではない。 だから、当然ここを修理してもビデオカードには無関係な理屈な訳で、 なぜもって認識するようになったかは未だによくわからない。(なぜ?)

だが、下記の写真の通りOS-CONへの交換で認識するようになったことだけはウソ偽りの無い事実だ。

OS-CONへの換装でビデオカードが問題なく認識された。
一見無関係なような両者だが、なぜOS-CONへの換装で直ったのか...う〜む、よくわからん。

そこで、オンボードレギュレータの出力に含まれる高周波成分のスペクトラムを測定してみた。 例によって使用したスペクトラムアナライザはアンリツのMS2601Aである。

今回使用したスペクトラムアナライザ。
なぜか不可解な測定結果ばかり得られて、今回は解釈に困った。

写真の通りにCPUファン固定用のねじ穴を利用してSMAコネクタを取り付け、 それをマザー裏面のCPUソケットの半田面と接合している。

電源に重畳された高周波成分のスペクトラムは、もっと不可解なものだった。 なぜって、下記の通りOS-CONに差し替えた方がノイズ成分のレベルが高かったからだ。

OS-CON換装前(左図)と換装後(右図)のCPU電源スペクトラム。
まともに起動するのはOS-CON換装後にもかかわらず、ノイズレベルは換装後の方が大きい。なぜ?

二つの写真は同一スケール設定となっている。 設定は下記の通りだ。

電源ノイズという意味ではOS-CONを搭載しない方がノイズレベルが低いというのはどういう事だろうか?

これは通常のアルミ電解コンデンサの方がOS-CONより性能がよいという意味ではもちろん無い。 なぜって、OS-CONの搭載によりビデオカードが正しく認識され問題なくマザーが動くようになったわけだからね。

ということは、一見アルミ電解コンデンサの方が低ノイズのように見えるのは、 何らかの要因で電源負荷が下がった状態で異常動作しているからだと考えるのが妥当なように思える。 (もちろんビデオカードは認識されていないわけだが、見ているスペクトラムはCPU用レギュレータの出力側だから、 ビデオカードの負荷やノイズはそれほど大きな影響を及ぼさないハズだ。)

それならOS-CONの搭載量をもっと増やしたらスペクトラムの状況が変わるのかと思って、 搭載量をもっと増やしてみたのが次の写真である。 2個の状態から、1個ずつ付け替えてみた。

OS-CON3個換装後(左図)と4個換装後(右図)のCPU電源スペクトラム。
さらに追加してもノイズレベルは低下しない。
いや..それどころか4個目では微妙に増えているような気も...これまた、なぜ?

見ての通り、搭載量を追加してもノイズレベルはあまり変わらない。 電解コンデンサ容量というものは必要容量以上搭載してもあまり大きな効果は無いようだ。

ただ、OS-CONを1つも追加搭載していない状態で挙動不審状態なのに、 なぜかノイズレベルが低いのはちょっと理由付けが難しい。 安定動作していない状態なんだから、まともに議論できない状態だと言ってしまえばそれまでなんだけど、 コンデンサの状態がおかしくて挙動不審になっているのなら、もっとノイズが暴れて当然なように思える。

OS-CONを1個ずつ追加搭載し、最終的には計4個に。
チョークコイル間近のコンデンサもOS-CONに交換。

また、低ESRによってPWM制御回路が異常発振しているわけでも無いようだ。 電源出力の交流成分をオシロスコープで観察してみたがデューティー比の異なる通常の三角波であり、 デューティー比と電源電圧から計算された出力電圧もCPUの電圧とほぼ一致している。 ノイズは三角波の頂点で集中的に発生しており、これも教科書的な挙動だ。 異常発振してしまった場合は三角波のシェープが乱れるわけだが、それらしい兆候も無かった。

OS-CONは低ESRであるが故に制御パルスエッジでのリンギングを招きやすいという効果がある。 パルスエッジではデッドタイム中のノイズが目立つのでリンギングの影響が見えにくくなるが、 このノイズ増大はリンギングの影響なのだろうか?(それにしては周波数成分が拡散しているような気もするが...) それとも、OS-CONではエージングの影響があるそうだが、オーディオ用ならばともかくPC用オンボードレギュレータでも エージングの影響がもろに出るのだろうか?(現段階ではまだ完全に低ESR化していない?)

ともかくもマザーがちゃんと動くようになったのは良いのだが、 ビデオカードの認識に問題が出る事といい、起こっている現象がちょっと納得できないのである。 今しばらくは少し様子を見てみよう。

☆今回の現象はうまく説明できない。もう少し追加検討してみますわ。   
というわけで、電解コンデンサの交換によりマザーは何の問題もなく起動するようになり、とりあえず修理は完了した。 完了はしたのだが...なんとも納得しがたいような結果となってしまった。 だが、事実は事実だからしょうがない。

これを検証するためには、一度OS-CONを外してアルミ電解コンデンサで同一容量の新品と交換して、 スペアナ観察してみる必要性がありそうだ。 だけど、せっかく安定稼働するようになったマザーをまた分解するのも、ちょっとリスキーかな?

ともあれ、次回はこのあたりをもう少し真面目に調査してみようと思う。 (同じネタが続くので次回は別ネタにするかもしれないけど。)