我ら、宿敵、北条を倒すまで!(南総里見祭り編)   

2006年10月29日



☆仕事なんてオラ知らね。   
さて、まだまだ仕事の忙しさが続く今日この頃であるが、 ようやく目処がついてきた。少なくとも今年は全然ダメだが、 来年は暇が増えるかもしれない!?

しかし、逆に言えばこの状況が今年中は続くわけである。 「あ〜、今回の週末に至っては土日一切無しっすかぁ〜。南総里見祭り見に行きたかった〜。」 とブーたれていたら、この状況をさすがにかわいそうと思ったのか後輩が日曜1日分仕事を代行してくれる事になった。 それじゃあまりにも申し訳ないので、館山の地酒+おみやげ一式で話を付けて早速ご厚意に甘える事に。

と言うわけで、今回は息抜きネタ。「仕事なんてオラ知らね! 南総里見祭りの旅。」である。 ここ1年はこれだけ働いているんだから、一度くらいこんな台詞言っても許されるというのはネタじゃない!?

早朝は6時に会社に寄って、そのまま房総半島へ直行。 館山へは外房回り(R128)、内房回り(R127)、半島の中央経由(R410)、の三つのルートがあるが、 今回は往路:外房回り(R128)、帰路:中央経由(R410)を選択。 仕事との兼ね合いで朝が早いので、それを逆手にとって早朝の九十九里海岸〜外房黒潮ラインを気持ちよくドライブという魂胆。

途中でR128からR410に乗り換えて、房総半島の先端を堪能しながら房総フラワーラインを経て館山に入った。 房総半島の先端まで来ると、いかにも海辺の町というローカル感が心地よい。 早朝の太平洋の波しぶき、それにこの時間帯でもサーファーが勢揃いである。

☆宿敵、北条を倒すまで!   
館山では北条海岸が臨時駐車場になっていて、観光客はここに車を無料で止められるのが嬉しい。 ここからはJR館山駅を目印に駅を通り抜ければ10分もかからずにお祭り会場にたどり着くことが出来る。

駅に到着すると、早速いくつかの山車に出会うことが出来た。 特徴は舟形の山車が多いことである。

おぉ、早速、山車に出くわした。
舟形の山車が多いのが、海上交易で栄えた里見氏の本拠地らしくて良い雰囲気。

館山は房総半島の先端にあり、某戦国覇権ゲームでは里見氏の根拠地としてつとに有名であろう。 また、江戸時代の小説家、滝沢馬琴の出世作「南総里見八犬伝」でも有名である。 八犬伝に出てくる「仁義礼智忠信孝悌」1)の八つの玉に書かれた文字は、 八犬伝を読んだことのない人も知っているのでは無かろうか。 (実際、後で掲載しますが祭りの山車には「仁義礼智忠信孝悌」の旗がいっぱい掲げられてました。)

というわけで、館山は南総里見氏の拠点なのであるが、ここ南総地方は大きな河川が無くて 治水に恵まれず、米の石高は決して大きくはなかった。 このため、本来ならば里見氏は小さな一豪族で終わるのが普通であり、 戦国大名として名をはせる立場ではなかったハズである。 (当時は多くの国では米の石高と動員兵力は比例していた。)

では、その里見氏がなぜ対岸の三浦半島や関東一円を制する大大名北条氏と覇権を争うことが出来たのか?

それは半島の先端という地の利を生かした海上交易で巨万の富を得ていたからである。 東京湾と太平洋を結ぶ浦賀水道を抑えることで海上交易の利権を握っていたわけだ。 これが里見氏の経済力の源泉であったというから、 そうすると山車に舟形が多いのもうなずける話である。

出陣式を待つ各種山車の列。
このほか、武者行列や御輿もありました。

また、里見氏の収益源が海上交易の利権にあるとすれば、宿敵が対岸の北条氏なのは理の当然となる。 実際、里見氏と北条氏は東京湾や浦賀水道の制海権を巡って陸上でも海上でも何度も合戦を繰り返していた。 海上交易の利権を手中に収めるためには制海権は欠かせない。

おもしろいのは、この祭りの武者行列と山車行列に出陣式があり、 何年か前に訪れたときの出陣式では、武者代表挨拶で「我らぁ〜、宿敵ぃ〜!!!、北条を倒すまでぇ〜...」 と対岸の三浦半島に向けて勝ち鬨を上げていた事である。 (今年の挨拶は模範解答的でしたけど、こういう歴史的背景を含んだ味のある挨拶の方が観光客としては盛り上がるね。)

出陣式が終わると、武者行列、御輿、山車の順で勇壮に練り歩いていく。
八犬士役や伏姫(八犬伝のヒロイン)役の方も居ました。さすがに玉梓が怨霊はいませんでしたけど。(笑)

さて、山車が動き出したので武者行列に付き従って、館山城まで歩いてみた。

お城は山の頂上にあって、館山市を一望できる。 海上もよく見えて、海上覇権を握る交通の要衝としては地の利がある。 里見氏にふさわしい城であろう。

祭りの方も最高潮。地元の地酒を後輩のおみやげに購入して、館山を後にした。

武者行列、山車行列の終点は館山城。
館山城まで武者行列に付き従って歩いてみた。

☆日本の原風景・棚田見物   
さて、帰り道は半島の中央R410経由で戻ることにした。 寄り道は日本の原風景・棚田である。

見学した棚田は2カ所。星ヶ畑棚田大山千枚田である。 実際はより南にある星ヶ畑棚田から訪問したのだが、まずは有名な大山千枚田から掲載してみよう。

有名な大山千枚田。
日本の棚田百選にも選ばれた美田。だが、残念なことに刈り入れ後でした。

ここ大山千枚田は 日本の棚田百選にも選ばれた美田である。

南総里見祭りとの時期的な兼ね合いから刈り取りが終わった後の訪問となった。 なので残念ながら写真写りがイマイチではある。(写真の腕が悪いせいも、もちろんあるけどね。) だが、これが田植えや刈り入れの時期だとアマチュア写真家が押し寄せる絶好の撮影スポットとなる。

実際、刈り入れの時には臨時駐車場が設定されたらしく、 道端に石灰で臨時駐車場の白線を引いた跡が残っていた。 棚田の上には棚田クラブなる施設もあって、棚田が本来の農業収入だけではなく 地域交流や観光で成り立っている事がわかる。

ちなみに、ここ大山千枚田ではオーナー制度を導入しているそうだ。 (「農業収入だけで棚田を維持。」という根性論はもはや成り立たないのであるから、 都会の人にオーナーとして日本の原風景を堪能していただくとか、 新たな方向性を模索してゆくのは正しいと思う。)

大山千枚田の解説掲示板。
ここ大山千枚田は首都東京から一番近い棚田だそうだ。
逆に言えば、棚田がいかに貴重なものとなってしまったかを示しているとも言える。

せっかくだからぶらぶらと周囲を歩いてみた。秋風に虫の音...良い癒しである。 仕事の忙しさもあって、こういう時間がゆっくり流れる生活に最近は憬れてるね〜。

お次は星ヶ畑棚田。 こちらは大山千枚田より規模が小さいのであまり有名ではないらしく、 他に観光客は居なかった。ただ、地元の人たちが小さな収穫祭をやっていた。

地元の人しかいないので、収穫祭に入り込んで良いものやら何やらよくわからなかった。 なので、ちょっと遠くから見ただけだが、なにやらおいしそうな匂いが...

日本の原風景の一つ・星ヶ畑棚田。
規模は小さいが味の良い田舎の原風景である。

当サイトはPCマニアサイトなのでPCネタが多い。 こういうネタはPCネタの合間に書く息抜きネタなのだ。

だが、実は当サイトがWebを覗くとき、非PC関連のお祭り系サイトや旅行系サイトを見ている時間は長い。 こういうサイトはかなり良質なサイトが多いので、 自分のサイトで旅行ネタ・お祭りネタをメインで掲載する意味がないのである。

しかし、自分に芸術系の才能(写真とか文章とか...)がもしあったら...とか、フっと思う事があるね。



1)
八つの文字の意味のうち、「悌」の文字だけ意味がわからなかったのだが、 今回の旅行でようやく意味がわかった。 「悌」は「孝」とほとんど同じいたわりの感情を意味する。 ただし対象が両親や目上だと「孝」、弟妹や目下だと「悌」である。