2005・脱ドッグイヤー・汎夏祭り主義   

2005年8月11日



世間はお盆休みに突入...ということで、当サイトも夏休み。 お盆と言えば夏祭りと言うことで、今回は非PCネタ夏祭りバージョンである。

今年最初の祭シリーズと言うことで、PCネタは1回休みで息抜きネタとさせていただきたい。 (PCネタご希望の方、すみません。)

☆辛口三羽鳥   
先日、口の悪い仲間と飲んだのだが、オタク度について話題になった。

当サイトはPCマニアではあるが、祭り好きであり、旅行好きであり、 アニメオタクではないし、元体育会系(居合道)出身で、オタクとは呼べない面が多い。 (と、自分では思っている自覚症状の無い奴である。)

ところが、PCオタクである面を除けば結構健全であるはずの 当サイトについて、「オタク度高し。」の判定を出してくる。

「いや〜、祭り好きなんてオタクというよりヤンキー系に近い存在だし、 そもそもオタクなんて部屋に籠もって祭りなんかには出てこんでしょう。」 と言ったのだが、相手も口の悪さでは当サイトにひけは取らないだけに 反論してくる。

「祭り好きなんて、所詮カムフラージュでしょ。カ・ム・フ・ラー・ジュ!
「祭り好きといっても夏祭りばっかりじゃないの。 こっそり浴衣美人ばっかり撮影してるんじゃないの?
「XXがオタクじゃなかったら、秋葉原なんてとっくにゴーストタウンだよねぇ。

おっ、おまえらな〜。(怒)

さすが激辛系、酒も入ってまさに言いたい放題の集中砲火じゃのぅ。 しかし、なんで友人は口の悪い奴ばっかりなんだろう? 類友?

というわけで、祭りなら何でも見物に出かける証拠の品々をWebサイトに展示しておこう。 例えて言うなら汎夏祭り主義である。

☆2005・成田祇園祭   
成田祇園際は毎年7月初旬の週末に行われる。 今年は7/7〜7/9だった。

成田祇園際は北総地域の祇園際だけに基本的には佐原文化圏の祭りだ。 だが、新勝寺が歌舞伎界や相撲界とのつながりが強かったせいもあって 江戸文化の影響も色濃く受けているのが特徴である。

山車は佐原系の生き人形搭載型と、江戸系の山車文化がそれぞれ混合して存在する。 お囃子も佐原囃子と江戸囃子が混在し、基本的に北総地域は佐原囃子がほとんどだけに おもしろい。

成田祇園祭は佐原系祭文化と江戸系祭文化の融合

初詣客数トップ3でよく名前が挙がる新勝寺だが、その門前は薬師堂に向けて急な坂になっていて、 山車はその坂を上ったり下りたりする。 しかも、坂が途中で曲がっているため、引き綱の前の方の力は山車に伝わらない。 このため、山車の近くに力自慢の若い衆が集合して坂下で一息入れ、 気合いを込めてから一気に山車を引っ張って駆け上がっていく。 この山車の駆け上がりは非常にパワフルで一見の価値ありだ。

坂が途中で曲がっているため先頭の引き手の力は山車に届かない。 (なんで、引き綱の先頭は子供や女性が担当。)
このため、薬師堂までは山車近くに若い衆が集まって気合いで一気に引き上げる。

坂の途中には門前町故に旅館があり、2階の客が釣竿を使って ご祝儀を渡す風景が成田らしい。 山車の屋根には若い衆が乗っていて、 お礼の曲を囃子ながら釣竿に付けられたご祝儀を回収していく。

山車の右上にある宿から釣り竿でご祝儀が...
山車の屋根に若い衆が登って、ご祝儀を回収。この後、お礼のお囃子を演奏。

成田祇園祭は佐原と違って山車の運行範囲が狭いため、 初めて行った初心者でも山車との遭遇確率が高いのが嬉しい祭りである。 また、JR以外にも京成電鉄でも行けるため、東京からのアクセスが楽なのもグーだ。

☆2005・佐原の大祭(夏祭り)   
佐原の大祭は当サイトでも何度も取り上げているが、 関東三大山車祭りの一つだけにやはり何度行ってみてもいい。 今年の日程は7/15〜7/17である。 特に提灯に灯が入る夕暮れ時以降がお勧めである。

提灯に灯が入るため、夕暮れ時から夜にかけてが特に映える。

今年の祭りは、去年展示だけで動かなかった鷹の山車が引き回されていたのが 嬉しい違いだ。鷹の山車は鯉の山車と同じく藁で作られたお手製のものだけに 秋の大祭とは違った趣がある。

佐原の古い町並みを山車が行き来する。
今年は鷹の山車も動いた!(写真左)

佐原の大祭は北総地域の山車祭り文化圏の中心と言われるだけあって、 規模・レベルともにグッドである。 文句なしに当サイトお勧め。 だまされたと思って一度見物に出かけてみてはいかがだろうか?

夜の山車は幽玄で特にお勧め。
左は「金時山姥」、右は「太田道灌」

☆2005・久喜の提灯祭り   
そして三つ目は少し遠出してみた。 埼玉県久喜市の天王様。通称、久喜の提灯祭りである。 自宅からは車で約2時間半。

この祭りの特徴は夜の部にある。 (昼間も山車が出るのであるが、こちらの方は通常の山車祭りである。) 山車の周り4面に提灯が山と掲げられ提灯山車となる。 提灯祭りと言われる所以である。

行ったときはちょうど昼用の山車から夜用の提灯山車への 組み替えが行われている最中であり、作業風景もおもしろかった。

「久喜の天王様」は別名「久喜の提灯祭り」とも言う。

提灯山車は「提灯祭り」と言われるだけあって、提灯に格別の思い入れがあり、 提灯の明かりはすべて正真正銘のロウソクである。 (他の祭りでは最近は電球を入れている場合がほとんどである。)

この山車は上半分が回転できるようにピボットがあって、 提灯をグルグルと回すことができる。 これは通称「ぶん回し。」と言われる山車の見所の一つである。

祭りのハイライト「ぶん回し。」
山車が交差点の中央で止まる(写真左)と、提灯ごとグルグル回る。(写真右)

しかし、提灯が本物のロウソクであるため、山車の運行には苦労が多い。 ロウソクの火が提灯に燃え移り危うく火災になるようなシーンが見られた。 これは頻繁にあることみたいで、提灯担当の係がいて、 提灯の火消しと燃えた提灯の交換を行っていたのが経験上の知恵という奴だろう。

これがぶん回しの最中だと、遠心力で提灯の火消し係が 満足に動けないだけにとんでもないことになる。 幸い、ぶん回しの最中では燃え移るようなことは無かったが、 電球では心意気に反するという意気込みが、このような気苦労の多い 純正ロウソク提灯を維持させているのだろう。

ちなみに、提灯の灯がロウソクであるため光が弱く、他の祭りより 写真写りがイマイチである。 実際は、ロウソク提灯の方がゆらゆらと灯が揺らめくだけに 電球提灯より格段に幽玄で情緒に溢れている。 本物故のデメリットであり、この点はご容赦いただきたい。

久喜の提灯祭りでは本物のロウソクが使われる。
なんで、写真は画像処理して見やすくしてある。
まんまだと、こんな感じにしか映らない。

☆2005・江戸崎の祇園祭   
江戸崎は土浦と成田の中間くらいに位置する霞ヶ浦近くの古都である。 江戸崎の祇園祭は三百年の歴史を誇る由緒正しい祇園祭でもある。

江戸崎町は旧市街と新市街が分かれていて、祭りは旧市街の商店街で行われる。 旧市街は駐車場がほぼ皆無だけに、新市街のスーパーの駐車場が 祭り用として解放されているのが嬉しい気配りである。

江戸崎祇園祭の山車が商店街の駐車場に集合
佐原の山車とは異なる形式。

江戸崎の祇園祭は地政学的に土浦・石岡系の山車文化圏と佐原系の山車文化圏の ちょうど中間に位置していて両者の融合した混交祭となっているという指摘が 山車マニアのサイトで指摘されていたが、全くその通りである。

山車の形状は石岡系、お囃子は典型的な佐原系ということで、 地域の特色がよく現れていると言えるであろう。

山車の上半分は回り屋台となっている。
しかし、お囃子は明らかに佐原囃子。

☆2005・助崎天王様   
このお祭りは小さな田舎町の小さな祭り。 有名なお祭りもいいけれど、こういう地元の小さなお祭りも大切にしたい。

このお祭りであるが、戦国時代に助崎城という小さなお城があった地区で開催される。 その場所近くに須賀神社という氏神様が祭られており、その須賀神社の祭礼である。

お城にはおてんばなお姫様が住んでいたそうで、 城に敵が攻めてきたときには薙刀を振り回して奮戦したそうな。 その姫の振り回した薙刀を先頭に、 無病息災・五穀豊穣を祈りながら御輿が練り歩く。

地元の小さな祭礼・助崎天王様。
左の写真が姫の薙刀。これを先頭に神主様が続く。御輿は後方で大暴れしているため遅れている。

☆2005・潮来祇園祭   
潮来祇園祭は素驚熊野神社の例大祭であり、その歴史は約800年もあるそうだ。 今年の開催日は8/6〜8/8であった。

潮来祇園祭の山車。
左と中央はそれぞれ某大河ドラマで活躍中の義経と弁慶
山車は佐原系で、お囃子は「潮来囃子」だが佐原囃子に非常に似ている。

北総地域のお祭りはいわゆる佐原系として分類されるが、 佐原と潮来は利根川を挟んで隣町だけに山車の形状からお囃子までとても似ている。 (実際に交流がある。)

ただ、潮来囃子は佐原囃子に似ているものの、演奏のニュアンスは微妙に異なる。 まったく同じメロディーながら演奏の味付けが微妙に異なるのだ。 野球の球種に例えて言うなら佐原囃子がカーブなら潮来囃子はストレートかな?

山車が駅前通りに大集合中。 左は神武天皇の山車。

駅前通りは総踊りや年番引き継ぎ等が行われる場所で、山車との遭遇確率が 一番高い場所である。特に、潮来駅前は引き回しの場所でもあり、 住宅街で山車を探すよりここで待っていた方が良いだろう。

色々な山車が出るのだが、今回一番のお気に入りはこの福俵白鼠の山車かな?  何故、福俵と白鼠の組み合わせなのかは由来があるのだが、それを抜きにしても とてもかわいらしいよくできたデザインである。

今回の一番のお気に入り福俵白鼠

なお、開催日は8月初旬で大変暑い。夕刻以前に見物に行かれる方は熱中症に注意して 帽子と十分な水分補給を欠かせないように注意したい。

☆2005・四万八千日   
最後はこれも地元の小さなお祭り。夜祭りである。

この日に参拝すれば四万八千日参拝したのと同じ御利益があるというので、 「四万八千日」と呼ばれている。

四万八千日は地元の小さな夜祭り。
この日1回参拝すれば48000回参拝したのと同じ御利益があるという。

このお祭りは夜店が出るが、この夜祭りの風景は何となく子供時代を思い出させる。 たこ焼き、大判焼き、リンゴ飴...みんな懐かしいノスタルジーの味がする。 北総地域は地域文化の継承が比較的良好な地域であり、 忘れ去られた日本の原風景が残っていると言えよう。

☆お祭り趣味   
考えてみれば、お祭りというのは地域文化に直に触れられる意義があり、 露店で飲み食いするくらいで見物料金がかかるわけでもないから費用も安い。 もちろん、地酒でも買ってくれば地域経済に少しは貢献できるわけだし、 レジャーとしては本当に安上がりだ。

最近の日本人は地域文化との密着が薄れているとも言われている。 パソコン系趣味も自作系であればスキルアップの御利益があるが、 お祭り文化というのもれっきとした日本文化の一つであるわけだし、 ただお祭りを見に行くというだけでも地域文化と地域経済に対して十分意義あることだと思う。

いや、表現がちょっと大げさになってしまったが、ただボーっと見ているだけでも本当に楽しいですよ。 ドッグイヤーの中、失われた時を取り戻す癒し系のひとときである。