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 集権と分権という一見現代的なトピック。だが実は極めて古典的なトピックでもあるのだろう。唯一公開されている論文「占領改革における集権と分権」(『行政社会論集』6-3、福島大学行政社会学会)からは、そんな思いが湧き上がってくる。講義資料が部分的に公開されているが、文献案内が特に印象的だ。挙げてある一冊一冊にその書籍が執筆された背景や事情が注記されている。現在の視点からすれば、過去の書籍の限界やそこに潜まざるを得ないバイアスは当然あらわになってくる。そうした点への敬意を持った指摘を含む、いわば解題つきの文献案内である。ここを貫いているのは、読書に関する発信者の明確な考えだろう。本を教科書のように読んではいけない、著者の論理を受け入れた上で、自身の判断を下す、著者や自分の間にある違いを感覚的に処理しない。プロフィール欄に添えられた学生向けのアドバイスを読むと、解題を附した文献案内となって現れてくるこだわりが見えてくる。(2002-11-11記)


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