クリーンではないというイメージだけが先行し、とかく環境問題とだけ結びつけられがちな琵琶湖。しかし、この日本最大の湖の全貌は、より広く、より深い。その一端を伝えるのが、発信者がライフワークとする琵琶湖研究の成果をまとめたこのサイトだ。湖流の詳細な解説から、風、湖水の濁り、温暖化の概説、そして1997年以降一貫して記録されている水温データ等々。琵琶湖をめぐる様々な視点とデータが示されている。「びわ湖調査ハンドブック」のように琵琶湖に臨む滋賀大学ならではの発信もうれしい。欲をいえば、同じく滋賀大学ならではの講義「びわ湖」の内容をより詳しくうかがい知れるような発信があると、言うことないだろう。世界の巨大湖沼に関するデータ集も公開されており、「びわ湖だけでなく世界の湖における水文・物質循環機構を解明したい」（「研究テーマ」）と述べる発信者の意気込みがうかがえる。研究そのものと、その成果公開の今後の進展がますます楽しみだ。（2002-10-03記）