早くからその名を知られたネットワーカーの一人である。機能美を感じさせるシンプルなページから、その来歴がうかがえよう。BibTeX形式で公開されているキェルケゴール邦語雑誌文献リストやキェルケゴール国内文献目録についても同様だ。情報の公開と共有が、理念にとどまらず、現実の形に結び付けられた発信といえるだろう。「歴史的な経緯で置いてる」と形容されているPublic Domain Dataにも歴史を感じる。いまでこそ電子化されたテキストは多く、方々で公開されている。だが、その原点の一つはここにある。1996年に「奥の細道」や「徒然草」のhtml化に取り組んだ発信者のような人々こそが、現在のインターネットの基盤を、少なくともその一部を、つくりあげてきたのだ……。覚えておこう、決して忘れてはいけない。（2002-09-24記）