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江上敏哲さん(えがみ・としのり/ライブラリーリテラシー、女性研究者の改姓問題)
江上敏哲 open index<http://ha6.seikyou.ne.jp/home/egami/openindex.htm>
公開日:2000-09-07?

 巷にあふれる様々なリテラシーに対して、ライブラリーリテラシーを掲げたリソース集「LLResource」が中心。目的と用法として次のように述べている。

・ライブラリー・リテラシーのためのリソースを、効果的にかつ効率よく収集する。
・すでにあるリソースを手引きとして、さらに新しいリソースを作成する。
・リソースをブラウジングすることによって、新しい企画・発想を生み出す。
・みんなこんだけやってるんだったら、うちも、という心強さを手に入れる。
・大学図書館の”教育”という社会的役割を常に忘れない。みなさんからの期待と信頼を裏切らない。

 有用なサイトを集めるところで終わっていない。そこで完結していない。リソース集の作成は、ときとして目的と手段が入れ替わりがちだ。それだけに、こうした目的意識、つまり集められたリソースをきっかけに新しい何かを生み出そうという意識は嬉しく、そして見習うべき点でもある。こういった目的意識や現役の図書館員としての役割意識は確固たるものだ。「主に女性研究者の改姓・旧姓と目録・書誌 について」をはじめ、各コンテンツに設けられた趣旨説明の端々から、そうした意識が伝わってくる。
 だが決して使命感に縛られているようには見えない。「あれば使う、なければ作る、というのがインターネットの基本精神です。ないんだったら、じゃあいい、自分が作る、それだけの話」(「情報発信、しない理由が見つからない」)という言葉にうかがえるように、あくまで自然体を貫いている。このスタンスの根本にあるのは、「ホームページの公開、イコール即、全世界への情報発信である、のような物言い」(同上)に対する懐疑だろう。この点での発信者の指摘は重要だ。やや長くなるが抜粋して引用しよう。

「情報の"発信"と"アクセス可能化"とはちがうということです。個人でWeb上にホームページを載せる、という程度であれば、それは単なる"アクセス可能化"です、「情報発信」とは言い難い。……。ほとんどの個人ホームページの類は"アクセス可能化"であり、待機の状態、あくまで受身的な情報発信にすぎません。  それを踏まえた上で言うならば、もちろん、"アクセス可能化"はインターネット最大最高のメリットです。  ……Web上では、"発信"なんて大それたことする必要はない、"アクセス可能化"さえしておけば充分なんです」(同上)。

 深い洞察と鋭い指摘。情報のプロフェッショナルとして、あるべき図書館員の姿がある。(2002-06-28記)


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