「フランスという共和国について、わたしたちは何を思い浮かべるでしょうか。フランス料理、葡萄酒、シャンソン、プロヴァンスの花々やコートダジュールの青い海… それだけでなく、フランスは、あの大革命を経験した人権宣言の母国として知られています」。
ついつい忘れがちな事実を、トップページに掲げられたこの言葉が思い出させる。ついには1789年の人権宣言にいたる大革命期だが、騒乱に終始していたわけではない。後に人権宣言で高らかに謳われる憲法について、検討が深められた文化の時代でもあった。明治学院大学図書館のコレクションを書影と書誌で紹介するフランス法文献コレクションにそのことがうかがえる。
人権宣言の母国としてのフランスに気づかせるトップページ。また文化の成熟を経て人権宣言を生み出したフランスに気づかせるコレクション紹介のページ。ここからは、文化や自然だけにとどまらない人権宣言の母国としてのフランスの姿が、あるいは逆に人権宣言の背後に豊かな文化的深みを持つフランスの姿が、伝わってくる。
数編の論文がPDF形式で公開されているが、いずれも画像データであるのが惜しまれる。実用性のあるテキストデータでの公開を望みたい。2講分だけではあるが、憲法の講義での配付資料も公開されている。穴埋め式のレジュメには一瞬驚くが、案外有効なのかもしれない。発信者は1970年代生まれ。フレッシュな意欲があふれる試みというべきだろう。(2002-05-23記)