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跡上史郎さん(あとがみ・しろう/セクシュアリティと表現、澁澤龍彦研究)
跡上研究室II<http://www.toyama-u.ac.jp/~atogami/>
公開日:1997-08-29

 まずは、セクシュアル語彙解説(増補Webページ版)に注目しよう。これは『國文學』1999年1月号(學燈社)の特集「セクシュアリティ革命−近代の」に掲載された「セクシュアル語彙解説」のウェッブ版。「訂正前と訂正後の違いなども解るようにするのが有益と考え、このようなページを設けました」(「「セクシュアル語彙解説(増補Webページ版)」について」)との言葉通り、これまでの補綴の経緯が丁寧にまとめられている。それに加えて、補足事項、訂正事項の幾つかには他のサイトへのリンクが含まれている。単なる増補版ではない。増補Webページ版と称するにふさわしい。だが、それも自然なことだろう。そもそもこの解説自体が、現在は「まるじなりあ」と改称された旧「マルジナリア」のコーナーの記述にうかがえるように(1998-09-04、1998-09-07、1998-12-24、1999-02-15)、「インターネット上で収集した情報に基づいてい」るのだから(「この記事を書くにあたって参考にしたもの」)。  セクシュアル語彙解説(増補Webページ版)の公開(1999-01-11)に至るまでの過程を追える「マルジナリア」だが、随所に濃厚な読み物としての顔をのぞかせている。たとえば、「『インターネットと研究』について」(1999-10-25)や「ページの性格の公的私的」(1998-12-16)は、自身の体験に基づいた一つの試論といえるだろう。「余白のメモのようなもの」と注釈されている改題後の「まるじなりあ」も継続中だ。圧倒的に澁澤龍彦の話題が多いが、それは当然。発信者は数々の澁澤龍彦論を著している澁澤研究者でもある。過去の記録として保存されている旧「跡上史郎のWebページ」にまとめられた「澁澤龍彦のページ」も必見。(2002-09-25記)


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