「これまでに書いた文章を紹介・掲載」していくコーナーがメイン。過去の文章を公開する場合、補足や解説を附すものと、特になにも追加せず発表時のまま掲載するものとがある。ここは後者のスタイルだ。現在公開されているのは、拒食・過食といった摂食障害やダイエットを社会問題という視角で論じたエッセイが中心。論文も数本ある。しかしエッセイや論文そのものだけではなく、自身の言論姿勢を決意を込めて語った「はじめに」にも注目してほしい。特に「私自身も、そのような現実を知ることによって、怒りや恐怖、そして、無力感や絶望感を感じてきました。時間はかかりましたが、「おかしい」という意思表示を社会に向けて、あるいは信頼できる人に向かって発信できるようになってから、自分自身の力を取り戻してきたと感じています」という独白は、何よりも雄弁な解題であるだろう。
なお、論文がdocファイルで公開されているのはいささかつらい。せっかくの公開であるだけに、より多くの人がアクセスしやすいhtmlファイルでの公開を望みたい。(2002-02-11記)