講義へのコンピュータ導入にかなり早くから取り組んできたようだ。「計量経済学教育におけるコンピュータ利用の試行錯誤」(『私情協ジャーナル』1996年7月)という報告の存在がそのことをよく物語っている。この報告は発表からかなりの時間が過ぎたいまでも新鮮さを失っていない。たとえば「コンピュータを使うメリットは、最初に最後まで見せてしまうことで講義の目的を明確にできること」という指摘がある。同時に「レジュメの作成方法や、時間の割り振りなど、いまだ試行錯誤を続けている」と語られる苦労がある。文字通りに伝わってくる試行錯誤のさまに、うなずく同業者も少なくないだろう。なお近年の講義資料のほとんどが公開されている。数年分、数種類の資料に発信者のこの数年の試行錯誤の過程をうかがうことができるだろう。(2002-03-06記)