金融論への学生の関心を高めることをねらった発言。休むことなく続けられたオピニオン解説は、既に150回を超えている。授業と同時進行でその時々のキーワードを扱っているとなれば、相当の苦労があることがうかがえる。さて論説の内容は、研究者としてというよりは実務経験豊かなアナリストとしてのものだ、との意見もあるだろう。だが一つ考えたい。そもそも「茶話」とは、リラックスした雰囲気でのおしゃべりだ。当然ときには思い切った言葉も飛び出す(講義中の小話もこれに似たところがある。それだけに講義よりも記憶に残ることがある)。それをあえて公開し、さらには過去の発言をとどめておくということ。それが学者の矜持というものと言われればそれまでだ。しかし、実行すること、実行し続けることは決して容易ではない。時の経過とともにリアルタイムで検証される自らの発言を衆目にさらし続けるというその姿勢に敬意を払いたい。(2002-03-18記)