メインコンテンツは東洋史研究リンク集。文献検索や漢籍目録といった種別ごとに分類されたリソースには、このリンカーならではのコメントが附されている。なかでも「研究者必見」といった、見方によっては「思い切った」表現が目につくだろう。聞くところでは、リンク先への先入観を与えたくないといった理由から、リンク集にはコメントは必要ないとの考えもあるという。だが厳正中立はどっちつかずともいえる。そもそもリスト化の時点で中立性は失われるものだ。であれば、むしろ作成者の価値判断を明確に打ち出したリンク集、つまりリンカーならではのコメントが附されているリンク集のほうがはるかに好ましく、そして有用だ。一つひとつのリソースへの価値判断をめぐって、附されたコメントにうなずいたり、首をかしげたりする余地があっていい。あたかも読書のときのように作成者との対話が始まる余地があったほうがいい。このような余地があってこそ、リンク集はリンク集たりえる。その意味で、この東洋史研究リンク集は実質を備えたリンク集の一つである。東洋史への関心の有無を問わず、一度は訪ねたいリンク集の一つである。（2003-06-01記）