予習事項を伝えるレジュメが圧巻だ。圧倒的な濃密さを持ったレジュメが扱うのは保険法。免責条項を中心に保険約款条項の解釈を扱う講義では、「問題意識をもって、自分の考えを述べ」ることを求めるという。ここには講義の厳しさとともに、発信者の信念がうかがえる。特に判例の理解と自身の考えの双方を重視するスタンスに注目したい。
個人の思い込みを戒めつつ、単純な答えのない問題について「自分の考えを述べ」ることを求める姿勢。相反するようにもみえるこのリクエストは決して矛盾しない。同じ問題 ‐さらにそれは発信者自身「まだ未解決の問題が残されている」と述べる故意免責という難問‐ を繰り返し定期試験で問うのはこの信念ゆえだろう。試験の具体的内容だけではなく、答えに迫る思考の過程を問う信念。公開されている資料は決して多くない。だが、ここからは発信者の確固たる信念が伝わってくる。（2002-02-24記、、2002-03-18補訂）