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天野徹さん(あまの・とおる/都市社会学、社会統計学、自治体行政)
天野研究室<http://moon.edogawa-u.ac.jp/>
公開日:不明

 江戸川大学での社会調査、早稲田大学での社会統計学、そして自治体の施策情報の公開をまず評価したい。いずれもその先駆性においてだ。特に江戸川大学では1996年度から学生の研究成果をウェッブ上で公開し、1997年にはそれまでの4年間を総括する「高等教育におけるマルチメディア環境活用の可能性について ―江戸川大学における四年間の実践をふまえて―」と題した一文を発表している。現在にとらわれず、当時への想像力を持って、この発信の重みを感じ取る必要があるだろう。新宿区都市マスタープランや防災カルテ、景観計画の公開も同様だ。トップページにある「但し書き」によれば、1996年10月28日時点でデータ数はこの1件のみ。その後の進展や拡大はない。しかし、この場合、その後がどうであったかよりも、そのときどうであったかに関心を持つべきだろう。いまほど自治体のサイトが充実していなかった当時、自治体の施策情報を電子化し、公開したその先見性と行動力から学べることは少なくない。
 さて別サイトの趣きがあるが、「地域づくり運動情報システム」における活動もアクティブなものだ。これは「あしたの日本を創る協会」の情報基盤整備検討委員を務めていた関係から、ボランタリーに構築したものということで、現在は「ふるさとづくりネットワーク」として同協会が正式に運営するに至っている。システムの構築と並行してまとめられた同委員会の報告も公開されている。どの年の報告書でも、地域づくり運動の情報化の意義が熱く語られているのが印象的だ。こうした熱意が、「CG体験講座」として授業の一部を地域住民に開放する姿勢につながっていることがみてとれる。これまでの取り組みが、地域の現場で着実に生かされつつあるということだろう。今後の進展を見守りたい。(2002-02-11記、2002-03-03補)

[追記]
 天野さんにうかがったところによると、天野さんの側から新宿区に話を持ちかけてスタートした試みという。当初はマスタープラン関係の資料の公開から始まったが、話が広がり都市整備課の出している報告書をすべて公開することになった。さらに、このデータは「ふるさとづくりネットワークCD-ROM」(あしたの日本を創る協会)に収録され、全国に配布されたという。このCD-ROMが各地の自治体にどのような影響を与えたのかも興味のあるところだ。なお、データの量については、当時すでに充実したリンク集が存在していたため、自前で公開しているものの紹介にとどめたという事情を教えていただいた。今後も基本的には同様のスタンスをとるということだ。
 その他、天野さんにうかがった事柄を参考に、「さて別サイトの趣きがあるが」以降のパラグラフをつけくわえた。またそれ以外の部分でも一部加筆している箇所がある。天野さんのご厚意に感謝したい。(2002-03-03記)


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