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秋山陽一郎さん(あきやま・よういちろう/中国古代の目録・書誌学)
過立齋<http://www.karitsu.org/>
公開日:1999-08-27

 書斎の名は過立齋。「漢書」楚元王伝にある前漢末の大儒の言葉「與其過而廢之也、寧過而立之。」(「其の過って之れを廃するよりは、寧ろ過って之れを立つ。」) にちなむという。これを座右の銘とする発信者は、「商君書解題」などの公開資料が示すように古代中国をフィールドとする研究者。
 彼の書斎は研究者はもとより、一般の歴史愛好家にも開かれている。「当サイトでは「そんなことも知らんの?」は一切禁句とします。僕自身、いわゆる世間で「常識」と言われることを知らなかったりすることがしばしばありますし、それは何も僕に限ったことではないはずだからです」という言葉には暖かみを感じるだろう。そして同時に自分自身の姿勢を強く省みさせられるはずだ。
 さて、この書斎の特徴はレファレンス用のツールが多く備えられているところにある。蔵書の代表格は澁澤尚さんがまとめた「支那學工具書提要」だろう。これは「中国学研究のための基本文献案内」という副題が示すとおり一種のレファレンスブック。中国の伝統的な分類法である四部分類にしたがって、基本的なテキストや注釈書を紹介している。そのほか、中国歴代目録分類区分表やATOKとMS-IMEに対応したユーザー辞書「漢語詞典シリーズ」などを利用できる。いずれも極めて有用かつ便利な資料だ。しかし、便利さを生かしつつ、便利さに取り込まれないことが、これらの貴重な資料を提供してくれている人々への恩返しだろう。「支那學工具書提要」の「前言」で述べられている次の言葉を決して忘れないようにしたい。
 「ゆめゆめ學問と便利とは相性の惡いことを忘れてはならない」。(2002-03-03記、2002-03-18補)


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