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秋岡陽さん(あきおか・よう/日本近代音楽史、キリスト教音楽)
akioka's bulletin board<http://home.p05.itscom.net/akioka/>
公開日:1998-12-09

 西洋の芸術音楽を「輸入」してきた日本の近代音楽史。こうした洋楽受容史の見直しに挑む研究者による発信である。手がかりは、その人生が「そっくりそのまま、日本における洋楽受容の歴史と一致する」という山田耕筰。彼の生涯と業績の検討は、いま新しい意味を持つという。こうした問題意識から始まる研究の一端は、数編の論文の形で公開されている。ただし、惜しまれるのは「日本近代音楽史研究の必要性」がやや説明不足であることだ。この点は今後の充実を期待したい。
 キリスト教音楽に関する新刊紹介も力が入っている。だがもう一つ、インターネットにおける音楽資料の扱いに関する発言も力作だ(「インターネットと音楽情報資料」『IAML国際音楽資料情報協会Newsletter』第6号所収、1997-02-20)。「行き着く先にあるにはただの「幻 illusion」かもしれない、ということ。しかし全部が全部「幻」なわけではない」。引用という形ではあるが、この言葉に明らかなように、インターネットをいたずらに否定するわけでも、逆に称揚するわけでもない。当たり前ではありながらも貴重な姿勢だ。また情報更新の容易さをインターネットの利点ととらえ、実際に共訳書『改訂版 新音楽史』(ミラー、東海大学出版会)の正誤表を公開するという姿勢もうれしい。
 さて、この文献への入り口には次のような問いがある。
「インターネットと音楽情報資料」を読みますか?: はい・いいえ・どうしようかな
選択の結果は自分で確認して欲しいが、ここに込められていると思われる発信者の自負と願いもまたうれしいものだ。(2002-04-02記)


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