「わかばというトラッドな煙草を1日平均30本吸い、新聞と雑誌と書籍を山のように読み、テレビや映画を観て、ゲームを遊び、インターネット空間をさまよう……」。
海外ドラマの冒頭に流れるナレーションのようなこの言葉がなんともいい。そしてこの言葉は、いつわりではない。「メディア観察日記」とも称される「わかば日記」には、発信者の飽くなき好奇心が満ち溢れている。1996年3月21日に「メディア・ウオッチ日記」として始まったこの日記は、ウェッブ日記の先駆の一つ。過去の日記を時系列に、あるいはランダムに読んでいこう。意外なまでに現在でも、いやむしろ現在にこそ有効な指摘を目にするのではないだろうか。「日記を私は研究ノートみたいなものと位置づけている」とは、日記をつけ始めた頃の発信者自身の言葉(1996-03-31)。またこうも語る。「日記=ジャーナルこそが、アカデミズムとジャーナリズムの原点と鶴見俊輔に教わった」(1996-03-31)。研究者からジャーナリストへ、ジャーナリストから研究者へと、アカデミズムとジャーナリズムの両方の世界を歩んできた元・ジャーナリストの自負がのぞく。(2002-06-19記)
[追記]
上記の文章を書いた当時は、赤尾晃一のホームページ