朝、昼、夜、深夜と、アクセス時間に応じて挨拶と画像が変わるトップページがロシアの世界へと誘う。「山形大学で「ロシア」を学ぶ法」はもっぱら同大の学生向けだが、「夏休みのオススメ - 楽しく有意義に過ごすために -」と題された「Chef's Suggestion」は誰もが一冊は気になる本をみつけられそうなブックガイド。同じくここで公開されているエッセイも力作ぞろいだ。もう一つ、「マトリョーシカ」のコーナーで公開されている研究論文の存在に気がつきたい。「学術的厳密さよりも文章の面白さに留意した」という「時の息子たち」からは文学研究の醍醐味が十二分に伝わってくる。ツルゲーネフの『ルーヂン』を糸口に、プーシキンの『人生の荷馬車』とゲーテの『馭者クロノスに』とにうかがえる朝、昼、夕(夜)という時間のアレゴリー(寓喩)を読み解くさま、それはまさに物語りの世界の奥深さそのものであり、我々への誘いでもある。事実、一読後、ふとトップページの挨拶と画像が朝、昼、夕、夜ごとに姿を変えることも一つのアレゴリーかと深読みしたくなる自分がいるのだ。(2002-02-11記)