《リンクは自由》

No.021




ACADEMIC RESOURCE GUIDE

Science, Internet, Computer and ...

"Ask not what the net can do for you-ask what you can do for the net."



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◆◆目次 - Science, Internet, Computer and ...

 

羅針盤「ワンストップサービスとしてのOReL」(上村圭介)
Web発信再録「学術情報のインターネット・アーカイブの必要性」(鵜川義弘)
小特集「アーカイブの試み ―研究文献編」
NEWS Flash
サイト更新情報
編集日誌
奥付

 

等幅フォントでご覧いただくことをお薦めします。情報の提供や投稿を歓迎します(自薦・他薦不問)。
ご意見・ご感想・ご要望をお寄せください。本誌は無料です。ご友人・ご知人にご紹介ください。バックナンバー公開中。マガジンの講読もお願いします。http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/

□本誌は「プロジェクト杉田玄白」に賛同しています□
  

    

◇◇羅針盤 - Science, Internet, Computer and ...

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「ワンストップサービスとしてのOReL」

かみむらけいすけ(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員)

 

■OReLの目的

OReL(Online Resource Locator;本当は「オーレル」と読みたいが、本人も恥ずかしくてなかなか読めない)は、インターネット上に散らばる学術リソースを集約したディレクトリです。OReLは、ワンストップで学術リソースにたどり着ける一種のポータルサイト、一言で表せば「あそこに行けば、どんな論文があるか分かる」サイトを目指しています。そして、最終的には、インターネット上で一次資料が公開されるための環境づくりへ貢献することを目的としています。

 

■OReLのサービス

OReLのサービスの根幹は、インターネット上で提供されている論文の一覧を提供することと、個々の論文のメタデータをもとにした検索機能を提供することです。そのため、OReLでは、リソースそのものではなく、リソースへのポインタと、リソースに関連する「メタデータ」を保持しています。情報が分散して管理されるインターネットでは、情報は発信源のサイトで管理されるほうが、柔軟性が高まり、また利便性も向上します。しかし、その一方で、個々のサイトが全く独立して情報を提供していたのでは、情報が分断され、かえって情報の流通を妨げてしまいます。そこで、リソースそのものではなく、ポインタを一つの場所に集約して保持することが必要となります。

インターネットによる情報発信がもつこのような特性のため、リソースの効率的な検索・発見はインターネットで最も古い問題であると同時に、常に最も新しい問題でありつづけてきました。そして、この問題は、主として検索エンジンと、手動ディレクトリという二つのアプローチで取り組まれています。検索エンジンには、検索効率を向上させるために様々な技術が応用されていますが、ある一定レベル以上の向上は望むべくもありません。また、検索エンジンには、本文に書かれていないことは抽出できないという問題があります。文章の意味を分析する技術などが最近は注目されているようですが、このような技術がどこまで実現されるかは、今の段階では何とも言うことができません。

OReLは、手動ディレクトリ型のサービスですが、対象とする領域が人文・社会科学の分野の学術リソースであり、数も限定されるため、手作業による検索が有効に機能します。また、OReLの趣旨に合致するリソースだけを登録し、また後述するメタデータを抜き出す作業が必要です。OReLを手作業によって構築することには、作業を自動化することが困難である、という消極的な理由だけでなく、人間の主体的な判断によってリソースが整理される必要があるという積極的な理由もあるのです。

OReLでは、検索したリソースに対して、先ごろRFCにもなったDublin Coreの枠組みを使用してメタデータを与えています。メタデータとは、オンラインリソースのいわば「書誌情報」です。メタデータには、リソースの作成者、題名、作成年、種類など、解釈によって異なる可能性の低い「内在的」なメタデータと、リソースの分野、主題など、解釈によって異なる可能性のある「外在的」なメタデータがあります。OReLでは、内在的なメタデータを中心に登録していますが、インターネット上のリソースの中には、内在的なメタデータであっても記載されていないことがありますので、OReLではそれを著者のページなどから探し出し補っています。

OReLは、趣旨に合致したリソースを登録するという方針ではありますが、現在のところは、OReLは査読機能をもたないため、OReLの管理者がその判断を行なっているわけではありません。また、OReLが収集するリソースの対象は、人文・社会科学の諸領域に及びます。インターネット的分業パラダイムでは、査読や評価といった作業は、その領域の専門家集団に任せ、OReLのようなサービスが、メディエータとしての役割を果たすことこそが必要であると考えています。

現時点では、インターネットで公開される学術リソースは、書籍や雑誌の形で既に公開されたものが大半となっています。そこで、OReLでは、既刊か否かということを記述にリソースの選択を行なっています。いわば、外部で行なわれた判断をもとにしているわけですが、いずれインターネットで一次資料が公開されるケースが増えた場合、リソースの評価という問題は改めて検討しなければならないでしょう。

 

■今後の展開

OReLに登録されているリソースを見るためのインタフェースとして、現在は、

検索(自由検索語を入力して該当するリソースを取り出す)

閲覧(予め用意された語彙に基づいてリソースを取り出す)

の二つがありますが、さらに現在、閲覧インタフェースの機能向上版としてキーワードのリンク構造をもとにしたナビゲーションツールを開発中です。このナビゲーションツールでは、OReL内に登録されているリソースをキーワードの間にある一種の階層構造を利用して、類似キーワード、上位キーワード、下位キーワードをメタデータとしてもつリソースを閲覧できるようになっています。キーワード間の階層構造を利用はしますが、この世の概念や事象を一つのツリー上に矛盾なく配置し、世界を普遍言語によって記述するような遠大な試みではなく、あくまで、ナビゲーションを容易にするための一つの道具としてキーワードの階層性を利用しています。従来のHTMLのリンク機構は、リンクの情報がリソースの中に埋め込まれてしまいますが、このナビゲーションツールでは、リンクとリソースが分離される、XMLのリンク機構に近いものと言えるかもしれません。

このツールの試作版がhttp://www.glocom.ac.jp/arc/orel/banana.aspにありますので(3月末まで)、是非お試しください。このツールについても、ご意見やご感想をお聞かせいただければ幸いです。

Copyright (C) KAMIMURA Keisuke 1999- All Rights Reserved.


[ワード]

「RFC」:インターネットで使用される規格群の一つ。"Request for comments"の略。

「Dublin Core」:文書またはそれに類するリソースのメタデータを記述する枠組みの一つ。「ともかく使えるものを」という発想で、最大公約数的な項目を規定している。参考 http://purl.oclc.org/dc/

「XML」:WWWだけでなく、データベースなど様々な分野に応用可能なマークアップ言語。xTensible Markup Language(拡張可能なマーク付け言語)の略。

 [データ]

Online Resource Locator:http://www.glocom.ac.jp/arc/orel/index.html

 [筆者の横顔]

かみむらけいすけ(上村圭介)。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員。ネットワークにおける情報発信のあり方に関する研究活動を行なう。最近の主な活動としては、World-Wide Vision(http://wwv.glocom.ac.jp/)プロジェクトなどに関わっている。

個人ページ http://www.glocom.ac.jp/users/kmmr/index.html


 

 

◇◇Web発信再録 - Science, Internet, Computer and ...

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 以下は、「農林水産研究情報センターニュース」No.55(1998年7月15日発行)に掲載されたものを、執筆者である鵜川義弘さん(農業生物資源研究所遺伝資源第2部DNA管理情報科長)、並びに農林水産研究情報センターのご厚意により、本誌上に再録するものです。鵜川義弘さんをはじめ本誌への再録にご助力くださった農林水産研究情報センターの方々に感謝いたします。

 

「学術情報のインターネット・アーカイブの必要性」

鵜川義弘(農業生物資源研究所遺伝資源第2部DNA管理情報科長)

 

 学術系を中心に発展してきたインターネット。民間の利用が主になったとはいえ、研究情報は、依然として大きな割合を占めている。研究者にとって業績にカウントされるその一番は研究論文だが、インターネットで論文に相当する情報を公開した場合、その内容は、信頼性が十分で、いつでも参照可能なものと認められるだろうか。

 もともと、研究の内容を公開するために論文を学術雑誌に投稿しているのだから、Webの論文は、それを世界に広めるという効果では断然、紙の論文にまさる。また、著作権が出版社ではなく、Webぺ一ジを持つ研究者のものになるメリットもある。紙の論文では参考文献をあたることによりその研究の過去を探れるが、Webの論文なら、リンクチェックにより、そのぺ一ジを参照してくる新たな論文(その研究の未来へのリンク)を見つけだすことも可能となる。このようにWeb論文には利点がとても多い。

 しかし、残念ながら現在のところ、従来の紙の研究論文ほどは、権威がない。それは、玉石混交というか、遊びのページと論文のページが渾然一体となっているインターネットの現状もあるが、Webの情報があまりにも頻繁に更新され、また、消えていくせいもあるのではないだろうか。

 消滅、移動はともかく、Webでは、サーバに置いたデータを著者がいつでも直せるので、間違いを見つけたら即、直すことが可能である。一方、紙の研究論文は必ず受理日が書かれ、Webのように簡単にはアクセスできないかわり、印刷され、大量に配られ、図書館に所蔵されるので、後で改変ずることは不可能である。

 クローン牛の開発など、先陣争いの渦中の研究者たちには、Webで発表したとき、あたかも先に成果を上げたかのごとく書かれたり、間違いがあったのを後でこそこそ直されたりしては問題であろう。もちろん、誤りを正そうとするのは、本来あるべき姿なのだが。

 このように、いつのまにか改変されることについては、学会などがWebサーバを持ち、論文の著者ではなく、編集者がWebページを作成することが、一つの解決策である。私は、日本コンピュータサイエンス学会で学会誌の電子出版に協力しているのだが、学会誌のWebページでは、元の文書は消さずに、何月何日にこれこれと直したとのメモをつけて、直している。

 また、どこの馬の骨かわからない(?)個人のWebページで公開するより、学会のサーバに論文を置き、そこで公開することで、論文に学会のお墨付きという権威を与えることも可能である。

 これを一歩先に進め、失われがちで変化の激しいWeb上の研究情報を公的機関で保存(アーカイブ)しようというのが、私の考えているインターネット・アーカイブである。

 例えば、ある研究者が論文を自分のサーバで公開し、同じサーバに置かれている資料のURLを参考文献として記したとしても、個人の事情でパソコンサーバが移動し、URLの参考文献を探せなくなる可能性がある。そこで私は、論文の参考文献の中にURLがあった場合には、URLおよびそのWebページを学会としてアーカイブしてはどうかと上記学会で提案しているところである。

 まずは、Webページの参考文献からアーカイブする。そして、さらにこれを押し進め、論文自体もアーカイブする。こうすれば、Web論文が、見つからなくなることがなくなり、誰のどの研究が先に発表されたのか判然とし、改変の記録もとれる。Web論文が紙の論文と同様に信頼でき、しかも、いつでも参照可能なものとなるだろう。

 技術的側面の問題は少なく、すでに学術情報を含む一般インターネット・アーカイブについては、http://www.archive.org/ が活動を開始しているが、個々のWebページの著作権の問題もあり、なかなか進んでいないようである。その点、学術関係のデータは研究発表を目的としたものだからアーカイブし易いのではないだろうか。

 研究論文が必要とする根拠は、紙の論文だけとは限らない。研究に隣接する諸分野の情報もインターネットに数多く存在している。企業のWebページのマニュアルさえ、研究に必須のものになる可能性がある。企業の倒産もあろうし、個別学会のWebページといえど、いつまで存続しているかわかったものではない。Webの論文の信頼性、研究の利便性を考え、是非、公的機関である図書館がこの機能を持つことを希望する。

Copyright (C) UGAWA Yoshihiro 1998- All Rights Reserved.


[データ]
本文所在URL:http://www.affrc.go.jp/Cinfo/news/ric/55/55-3.html

本稿のオリジナルは上記URLにて公開されています。なお、著作権法の範囲で引用等を行う際の制限事項等につきましては、必ず上記URLにてご確認くださいますようお願いいたします(編集部)。


 

 

◇◇小特集 - Science, Internet, Computer and ...

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「アーカイブの試み ―研究文献編」

 

Online Resource Locator

http://www.glocom.ac.jp/arc/orel/index.html

「学術的価値のあるオンライン論文、文書、雑誌、統計資料等を集めたディレクトリ」。新規登録も可能。国際大学グローバル・コミュニケーション・センターにて公開。

 

二村一夫著作集

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/nk/

労働運動・社会運動の研究者である二村一夫氏(法政大学大原社会問題研究所研究員)の主要著作を電子化。

 

社会学電子文献目録

http://risya3.hus.osaka-u.ac.jp/Papers/

電子化された論文、報告、書評等の諸文献を公開。未公刊論文も収録対象となっている。登録申請可能。

 

教育社会学関連オンライン文献

http://kokeshi.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/kyosha/link/#bunken

高橋一郎氏(大阪教育大学教員)によるオンライン文献の一覧。広範なリンク集の一部。

 

中国の環境研究文献集

http://www.glocomnet.or.jp/criepi/

中国の環境研究に関する文献約80件を電子化し収録。電力中央研究所・有識者会議・環境研究グループの活動の一環として公開されている。

 

全文掲載

http://itass01.shinshu-u.ac.jp:76/TATEIWA/1990/0.htm

立岩真也氏らが運営するサイト《生命・人間・社会》にある。障碍学、生命倫理等を中心に幅広く文献を収録。

 

電子アーカイヴ(The Dickens Archive in Japan)

http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/dickens/archive/archive.html

ディケンズ・フェロウシップ日本支部が作成しているアーカイブ。

 

社会・労働関係E-textリンク集

http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/dglb/etextlink.htm

最近新設された法政大学大原社会問題研究所電子図書館にあるリンク集型のアーカイブ。

  

◇◇News Flash - Science, Internet, Computer and ...

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《新規掲載》

社会学系WEBサイト全文検索サーチエンジン開設
http://jinbun1.hmt.toyama-u.ac.jp/socio/kensaku/query3.htm
佐藤裕氏(富山大学人文学部教員)による意欲的な試み。来る022号にご本人による書き下ろし原稿を掲載予定。

 

衛星通信遠隔授業実験『市民の権利と法情報』
1999.03.15(月)13:15〜15:00
東京会場=明治大学駿河台校舎リバティタワー1階リバティ・ホール(1013番教室)
http://www.meiji.ac.jp/erss/sat99/index.html
講師は夏井高人氏(明治大学法学部教授)と米丸恒治氏(立命館大学法学部教授)です。体調さえよければ、編集子は受講するつもりです。

   


この欄への情報の掲載は無料です。掲載を希望される個人、団体はご連絡を。ただし、掲載はサイトがあるものに限ります(ごく簡単なもので構いません)。連絡はメールにてお願いします。添付ファイルの送付は事情を問わずお断りします。
 

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◇◇サイト更新情報 - Science, Internet, Computer and ...

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=前号発行(1999.02.15)以後の更新箇所=

リンク集に以下のサイトを追加(随時)


このメールマガジンは「まぐまぐ」〈http://www.mag2.com/〉と
「Pubzine」〈http://www.pubzine.com/〉を利用して発行されています。

◇◇編集日誌 - Science, Internet, Computer and ...

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[1999.02.16]

私事で恐縮だが、インフルエンザのため、この日から一週間寝込む。皆様も健康にはお気をつけください。

 

[1999.02.21]

ふと思い出して、岩波書店等7社による共同復刊プロジェクト「書物復権」のリクエスト葉書を書く。私の一押しは鹿野政直氏の名著『「鳥島」は入っているか』(岩波書店)。以前、朝日新聞でみすず書房編集部長の守田省吾氏が「創造的復刊」と語っていたことを思い出す(http://book.asahi.com/fcg/books/rddoc.cgi?doc=89608997)。願わくば、景気の波に左右されることなく、永遠にこの試みの続かんことを。

ちなみに、参加している7出版社のうち、5社がなんらかの形でサイトを開設しているが、オンラインで復刊希望を出せるのは東京大学出版会だけというのはいささか悲しい(http://www.utp.or.jp/bulletin/fukken.html)。

 

[1999.02.25]

幾つかこの欄を使って書いておきたいこともあるのだが、結局書けないまま、書かないまま発行するといういつものパターンに。自分の思いや考えを言葉にするということの難しさと、毎回本誌にご寄稿くださっている方々の真摯さを共に思う。反省、そして自戒。

 

皆様からのお便りお待ちしております。とくに上村さん、鵜川さんの論文へのご感想・ご意見は大歓迎です。

 

編集子  

 

◇◇奥付 - Science, Internet, Computer and ...

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ACADEMIC RESOURCE GUIDE
[ARG-021] 1999年02月25日
(毎月5日・15日・25日発行)
【発行者】岡本 真("ACADEMIC RESOURCE GUIDE"編集部)
【編集者】岡本 真("ACADEMIC RESOURCE GUIDE"編集部)
【発行部数】1911部
【E-Mail】 zd2m-okmt@asahi-net.or.jp
【Web page】
http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/

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