北米カナダ西部の旅紀行

カナディアンロッキー&バンクーバー気まぐれ旅


ピロローグ>
時は1999・6・5、念願のカナディアンロッキーの旅にでる。

本来なら昨年の9月に出かける予定が不運にも航空会社のストライキに遭遇し、フライト前日に
キャンセルになってしまった。そこで、今回はストライキのなさそうな6月に計画。
しかし、厳しい経済環境の中、思うように休暇がとれず、僅か1週間の旅となってしまった。

*****色のついた個所は写真へリンクしています*****

カナダへ入国

17時15発、関空より約9時間のフライトで北米カナダのバンクーバーへ現地時間で10時30分到着。
日本との時差17時間。12時30分、国内線に乗り継ぎカルガリーへ14時30分到着

ここでも約1時間時差があり実際のフライト時間は1時間。
入国、税関チェックを終え到着ロビーで現地旅行社の出迎えを受ける。

今回の旅行は半個人旅行。出発、到着のアテンドもあり気楽である。
現地に着いて行動予定を決める予定。

ロビーで出迎えてくれたのは日本語の話せるカナダ人のガイドMrローレン。
どうやら今日の便で到着したツァー客は私たち3人だけのようである。

カルガリー空港から
バンフまでは2時間弱の車のドライブ。
早速ワゴン車に乗り込み、道中の案内を聞きながら広大な景色に長いフライトの疲れも、オリジナル時間では真夜中(日本)ということも忘れ心が浮きたって来る。

ガイドの彼は日本に3年ほど生活した経験者。しかも住まいは私の住む街の隣りの市ということもあり、自然と話しも弾む。
翌日からの行動にも親切にアドバイスをしてくれ、偶然とは思うがバンフでの4日間の内3日間は彼のガイドで過ごすことになった。しかも、いずれも私たちのみ。まるでオーダーメイドツァーのようである。
ラッキー!\(^o^)/
以前からの知り合いのような気さくさで色んな事が話せて楽しかった。
おまけにオプショナルツァー以外の観光地まで付き合ってくれ大感激!

コロンビア大氷原へ

さてバンフでの2日目は、今回のカナディアンロッキーのハイライトでもあるコロンビア大氷原への旅である。
今日は別のツァーとの同行となり、賑やかである。
ガイドは現地の日本人ガイドの可愛くて素敵な女性(レイミさん)と新米のカナダ人ガイド(トーマス君)。

カナダ西部を南北に貫くカナディアンロッキーはジャスパー国立公園・バンフ国立公園・ヨーホー国立公園・他など計7ヶ所の国立公園が想像を絶する広大な中に位置する。
ちなみにカナダは日本の27倍の広さである。
:::::::::ジャスパー国立公園 11000平方キロメートル

:::::::::バンフ国立公園 6641平方キロメートル
:::::::::ヨーホー国立公園 1313平方キロメートル
:::::::::クートリ国立公園 ???
:::::::::その他 ?????

そして何よりも3000mを超す高峰が800ヶ所以上! 驚きです。

コロンビア大氷原へはバンフからジャスパーへのアイスフィールドパークウェイ上にあります。
面積は325平方キロメートル。氷河の厚みは約350mという北極圏を除く北半球で最大の氷原である。
そして氷原からは太平洋・大西洋・北極海へ流れ出す分水嶺としても有名である。
その大氷原から流れた氷河の1つである
アサバスカ氷河の最先端に降り立つのが今回の旅の目的であるが、そのスケールの大きさは立ってみても、ここが氷河の上とは理解できない広さである。
唯一氷河と判るのが大きなクレパスからのぞむ神秘的な色の氷の壁である。

氷河とは高い峰や高原に降った雪が夏の間わずかづ溶けながらも年々蓄積されていくと、氷原が形成されます。この雪が30メートルほどの厚さになると、下層部の雪は圧縮されて氷になり、上部の積雪が増えて氷がさらに厚くなるとついには谷からあふれて氷が流れ始めます。これが氷河の誕生です。

早朝7時30分にバンフを出発。国道93号線を北に向かって車が進みます。
事前のチェックよろしく車では左側の車窓に席を陣取り雪を抱いた
岩稜のロッキーの山々にもう圧巻。
どこまでも、どこまでも果てしなく氷河の山が続くのです。
あまりに沢山の山に名前を記憶するのはとてもじゃないが困難。中でも特徴的な山だけでも覚えて帰ろうとガイドの話しに耳を傾ける。

最初に飛び込んできた山は「
キャッスルマウンテン」。ヨーロッパの城壁が立ちはだかったような男性的な岩山であり、ロッククライマーにも人気があるとのこと。

ここから約40分で
レイク・ルイーズに到着。
ビクトリア山を湖面に映したルイーズ湖は本当に美しい。
例年に比べ夏の訪れが遅くこの
ルイーズ湖も先日氷が解けたとの事。
湖の色が一番美しいのがこの解けたばかりの頃だということで、ガイドのレイミさんも今日はカメラを持参しましたと話していた。
何てラッキーなんでしょう。私たちって!

そして、いくつかのビュースポットを過ぎ、ボウ湖へ(ボウ川の源流)。
ここはロッキーでも一番氷の解けるのが遅いところということで、湖はまだすっかり氷の中。

この頃になると流石に山岳地帯。急に雨が降ったり雪が舞い出す。コロンビア大氷原近くでは吹雪きである。
このままだったら氷河に降りる事も無理かもと不安がよぎる。
しかし、バンフに来てからは何故か「ついてる!」私たち。やはり
雪上車に乗り込む頃には、何と快晴。
太陽を浴びた
氷河の上はサングラス無しでは歩けない。

とにかく「広い」「でかい」迫力満天。クレパスを恐る恐る覗き込んでみるとこの地が氷である事が判る。
感動で言葉にならない。何億年もの前に積もった雪が氷河期を越え今自分がその地に足を踏み入れている。
大自然の驚異、悠久のときの流れを身体で実感。

興奮の中後ろ髪を引かれる想いで帰路につく。

ここまでの道中で幾度か鋭い岩肌に米粒のように、マウンテン・ゴート(山やぎ)やビッグホーン・シープ(山羊)の姿も発見。
野性のエルク(シカ)も道路脇に出没。しかし、何よりも驚いたのは黒クマを発見したこと。
見る事があるかもしれないとの事であったが、まさか本当に発見できるとは感激!
何と翌日もまたクマには出会うことになる。カナダならではの経験であろう。
残念なことにカメラに納めることはできなかったがビデオにはちゃんとクマの姿もゲット。

カナダの日没は夜の10時過ぎ。夕方バンフに戻ってからは、もう1ラウンド。
バンフの街
ダウンタウンへ繰り出すことにする。

カスケード山に包まれるようなバンフの街は歩いても充分まわれる小さな街である
遅い夕食を終え今夜も眠りについたのは深夜の2時(体力いるーーー!


ヨーホー国立公園・他へ

初日のMrローレンのガイドで出発。
ヨーホーとは先住インディアンの言葉「畏れ」を意味するとの事。
その謂れは、かつてこの地に探検の旅を続けていたジェームス・ヘクター卿がヨーホーを流れる川で馬に蹴られ意識をなくし、インディアンがこの地に葬ろうとした時に卿が蘇えった。ということから「畏れ」=ヨーホーとよばれるようになったとの事。そして、この川を
キッキング・ホース川と呼ぶ。
険しい峡谷や湖、木々に被われた谷の中に壮大な頂きがそびえたっています。
その中の一つにエメラルド湖がありますが、湖面に映し出されバージス山の姿がとても美しく深いエメラルドグリーンの神秘的な姿に引き込まれそうな魅力を感じます。
周辺にはロッジなどもあり、落ちついたムードのリゾート地といった感じであった。

次に
モレーン湖へ。
荒々しい10個の峰(テンピークス)正式にはウェンクチュムナ・ピークというそうだが、荘厳な静けさの中でひっそりと姿を見せる姿は強烈な印象で胸を打つ。
湖面はまだ半分程度しか氷が解けていない。
完全に解けたときのモレーン(堆積物)の例えようのない深いブルーが見れないのが少々残念な気もするが、私はこのモレーン湖が一番のお気に入りである。
このまま、ここに留まって湖面の解けるのを待ちたい衝動にかられる。

そして、最後に訪ねたのはマーブルキャニオ。谷底までは30m位の奥深い渓谷美を楽しむ。
ヨーホーへのオプショナルツァーはここまで。

後はMrローレンの好意でサルファーマウンテンへゴンドラに乗って登る。
標高2285mの山上からは、バンフの町並みが見渡せる。
しかし寒い。雪もちらついている。
山上でも
リスの姿が見える。Mrローレンの差し出す手に寄ってきて指をかじっていった。
可愛い。思わず写真のシャッターを押してしまう。

この後はバンフスプリングすホテル(バンフの豪華ホテル)のすぐ側にあるボウ滝へ。
マリリンモンローとロバート・ミッチャム共演の映画「帰らざる河」の撮影された場所ですが意外に大きな滝で少々驚き。

Mrローレンとはここで別れて、一旦ホテルに帰館。実はこのお城のようなバンフスプリングスが今回の私たちの宿泊所。

超リッチ!こんなの初めてです(笑)
いつもは、YHやモーテル・ロッジなどで自炊しながらの旅だから。
やっぱしホテルはいいもんです(笑)

時刻はは夕方の5時過ぎ。まだまだ太陽が燦燦と輝いています。しばし休息の後は例によって、バンフのダウンタウンへ・・・・・・

カルガリーへ

4日目今日でバンフはお終いです。
午後にはバンクーバーへ移動です。まだまだ、見てないところが山のようなのに悲しいかな旅行者には・・・。
最後の半日のドライブをしっかりと心に止めカルガリー空港から別天地へ飛びました

バンクーバーでのこと

バンクーバーでは3日過ごしました。
ロッキーとはガラッと赴きを変えて港町。高層のビルの建ち並ぶ都会の喧騒。
しかし、やはり広い国土に反比例した少人口。街はすっきり
同行の友人たちのように、ロッキーから頭を切り離せない私は、この街に順応できず、1日をホテルの中でダウンして過ごしてしまった。
でも、ちっとも損したなんて気分はない。
やはり、私は自然相手の旅が向いているんだと改めて実感。
リュック背負って山の中に入ってるのが一番落着く。
今度はもう少し足を伸ばしてロッキーを楽しまないと・・・・
ある人がスイスを20個集めたのがカナディアンロッキーだと話していたっけ。

そして

ここの景色はあまりに素晴らしく夢中になってしまいます。
なにかセンチメンタルな音楽さえもバックグランドから聞こえてくるようで、目をそらすことができませ ん。
「ナポリを見て死ね」という言葉を信じてる方はナポリへどうぞ。
でもバンフは死んでしまうよりはむしろ戻って来て住み着いてしまいたくなるような所なのです


同感!!!!

<エピローグ>

拙いHAMAの旅行記を最後まで読んで頂きまして、本当にありがとうございました。
いつもながら、大自然の中にいると自分の小ささを真のあたりにします。と同時に無限の宇宙に対して
果てしない夢が膨らみます。
いつも自由気侭が許されるものではありませんが、機会があればこれからも色々なところへ出かけて
行きたいと思います。こんな私の願いを快く受け止めてくれた夫や子供に感謝の気持ちで一杯です。

「ありがとう!」

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