雨飾山(1963m)
2001年10月12〜13日

大阪より北陸線の糸魚川経由大糸線南小谷下車。約20分で小谷温泉へ到着。
この日は移動のみ。

小谷温泉には村営の雨飾山荘の他3軒の旅館があるが、シーズン中は、予約も立込んでおり、1ヶ月前にも係わらず、唯一予約ができたのが山田旅館である。
夕方、5時に旅館に到着した私たちを、地元の農家の方たちがシーズン中、お手伝いをされているのだろうか?
白い三角巾にエプロン姿のおばさんの懇切丁寧な持て成しに感激。
山小屋での雑居寝に慣れてる私たちは当然の様に男女の区別なく予約をとっていた。
親切な女将さんは、すかさず「もう一つお部屋を用意しましょうね」と忙しいにも係わらず、準備して下さる。

長旅で疲れた身体を早速、温泉で癒し、夕食。
登山のための宿泊でもあり私たちは最低料金(8500円)で予約。という訳ではないが、全く期待してなかった夕食のご馳走に、またまた感激!
すっかり明日の登山も忘れ、アルコールで良い気分。
それでも、明日はやはり早朝より登山ということで、星空を楽しんだ後、温泉に浸かり10時には寝る。

時を過ぎるといつものごとく、早立ちの登山客のざわめきで目が覚める。
朝の温泉に浸かり、登山の支度を整え、5時30分出発。

小谷温泉から雨飾山登山口のキャンプ場までは、約4k(1時間半)の林道歩き。
車がない私たちは、歩くしかない。
旅館の外へ出ると、女将さんが、キャンプ場まで送ってくれるとのこと。
「うっそ!そんなお願いしてないですよ」の仲間の声に「昨日車で送って行くってお話してるでしょう」との返事。
何だか訳わからないけど、私たちには、ラッキーな話で、旅館の息子さんだろうか?その方のワゴン車で一気に登山口に到着。

6時30分
キャンプ場で朝食を済ませ
出発。

登山道はいきなり急登ではじまるが両脇の林の紅葉に心も浮き立つ。

明け方までの雨で、粘土質の道は滑りやすく、歩きにくい。

平坦な歩き易い登山道を想像していが意外に厳しい雨飾山に驚き。

山に慣れないメンバーの一人は、どうしても遅れがち。

8時30分
荒菅沢に到着。
ここからの雨飾山の雄姿はなかなか見応えがある。
空に向かって、凛とした姿に「へぇーもっと優しい山容だと思ってたわ」と思わず声がもれる
 
ガスで山頂は隠れてしまっている。
雲も厚く、この調子だとこの先は雨かもしれないと判断し、早目に昼食にする。
時折カラっと晴れ渡り青空が見える。
その度に太陽を浴びた紅葉の山肌が輝いてとっても奇麗。
慌ててカメラに納める。
9時15分
荒菅沢を出発。登山道は相変わらずの急登
10時20分
笹平で一休みと思ったが、
何!?この人、人、人・・・・・・・・
この調子だと予定時間とおり山頂にはつけないと判断し早々に山頂を目指す。

山頂直下は一方通行のガレ場。
ツァー登山の集団が何組もあり、前にも進めず、立ち往生。
険しい岩の登下山は危険そのもの。うっかり足を踏み外したどこかの登山客が滑落。
運よく3Mほどの笹の中であったため、無事なようであるが、ドキっとして、他人事ではなく気をつけないと、とあらためて気を引き締める。
前述の不慣れな我がメンバーの一人は恐怖で足が完全に固まってしまっている。
ラッシュのおかげで平均タイムの倍以上を費やし山頂へ11時到着。ガスで展望は全くなし。残念だが仕方ない。

12時15分山頂出発
下山は、新潟県側の梶原新道を雨飾温泉へ。

山頂から笹原までは岩場のピストン。登りの混雑ぶりは多少緩和されたものの、相変わらず人・人・人・・・
12時40分
小谷温泉と雨飾温泉の分岐に着。
私たちは新潟側の雨飾温泉へ下山。ひとまず冷えた身体に温かいスープを作りお腹を満たす。
分岐からはゴロゴロとした岩で歩きにくい谷筋を下山することになる。
このルートは人も少ない。しかしあまり整備もされていないルートでうんざりする。

稜線からは高妻山の勇姿を終始仰ぐことができる。なかなか魅力的な山で、メンバーとあの山のルートはあるのだろうかとまた新しい山への虜になってしまう

←左の高い山が高妻山

予定タイムでは3時頃には下山し温泉で汗を流し、その日の内に大阪へ帰る予定であるが、完全にバテて動きの鈍ったメンバーの様子から、温泉はおろか、その日の帰阪も危ぶまれる。
とにかく無事に下山しなければと、慎重にメンバーを励ましながらゆっくりと下る。

5時20分
雨飾温泉登山口に下山。
小屋でスケジュールの調整をしてみるが、糸魚川への最終にはどうしても間に合いそうにない。
幸い山小屋は宿泊可能との事であり、相談の結果、この日は泊り明日朝一番で帰る事にする。
そうと決まれば、安心して温泉に浸かれる。

とはいえ、山小屋では消灯は9時、翌日登山の予定のない私たちには、酷な話。
まぁ疲れもあるし、おとなしく寝ることにした。

翌朝はゆっくり寝ようと思っていたが、例によって早朝から山小屋特有のざわめきが・・・
6時までに朝食を済ませないといけないとの事でもあり5時に起床。
朝食後に、温泉に入って疲れた身体を揉み解し、朝一番の電車で大阪へ帰ってきました。
100名山ブームでか、また色んな山岳雑誌への掲載もあってか、訪ねる人が本当に多いが、山岳ガイドで見るのとは違って意外に厳しい山であることを痛感した山であった。
なにはともあれ、メンバー全員無事に山を楽しめたことを喜びたい。
そして、また新しい山へ・・・・

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