.実はメタボや認知症予防にも
お茶の先生と聞くと、高齢者を想像しませんか?
私の周りにも80、90代の現役教授が何人も。
みなさん、さすがに、20代のように飛び跳ねはしませんが、
実年齢からは、全く想像できないほど、颯爽としていて、しかも笑顔が美しい。
どうしてなんでしょう?
茶碗や、その他の道具を...始めは5つ、次に3つ、
腕は2本しかないのに、一度に持ち出す。
「点前」はそこから始まります。
この状態で姿勢を正して、立ったり座ったり。 もちろん、
手を離して、机や壁につかまることは出来ません。
さらに、身体の向きを替えたり、廻ったり。
一つ一つの動作は、ゆっくりですが、だから尚更、支える力が必要になります。
具体的には、太ももの筋肉と、腹筋・背筋、を適度に使っているため、
お腹周りの脂肪がつきにくいのです。
私がこれを知ったのは、健康診断で、腹部CTスキャンの画像を診ながらを、
医師から掛けられたコメントがきっかけです。
「何か、やっておられますか? バレエとか...前後・左右非常にバランスが取れていて、この結果は、大抵バレリーナさんなんです。」
私が「茶道なら長年...」 と答えると、
「そうそう、お茶の先生たちの画像も、これなんですよね。」と納得の様子。
加えてバランス感覚は...内耳から...脳神経にまで繋がっているとのこと。
腕の力も、足の運びも、挙げていくと、全身運動であることが分かります。
また一椀の茶をお客様に差し上げるという行為は、
初心で学ぶ、基本パターンでは、わずか15〜20分のものですが、
細かく細かく査定すると、100を超えるチェックポイントが存在します。
これらの一つひとつに神経を集中しているので、身体も脳もフル回転。
いつまでも健康で、現役でいたい人に、おすすめしたいのは、こういう理由です。