05年度- 2 読 者 便 り から  
06/01/09
代用教員の辛苦

農村の悲惨な状況が一層分る気持ちです。
都会の急速な近代化とは余りにも大きい差ですね。
南方週末の記事では、農村の悲惨さを拝見するのですが、
いつもそこに、まだまだ純朴な人々が生活している事にも
気ずかされます。中国という国の苦悩が感じられます。
訳者注 でのご説明で、中国にとって人権問題が一層急務
である事を感じました。

毛沢東の真実

同じ共産主義国家でも、例えばスターリンと毛沢東はイメージ
としても違うし、毛沢東は温かみのある英雄のように感じていま
したので(毛沢東時代の終期では、耄碌したのか?と囁かれは
しましたが)次第に真実が明るみに出てくるのは、良い事では
あるのですが、淋しくもあります。著者を隠し通せるのでしょうか?

訳者:
  この本は香港紙に連載されたものを日本で製本しています。
  つまり全世界がこの記事を読んでいます。
  ここで当人を逮捕したら世界から糾弾されるのではないでしょうか?
  それにしても歴史を隠して国家を独裁するというのはご苦労なことです。

06/01/23
  貴方の家にチーパオありますか

「チーパオ」なるものは、全く知りません。
「50年経った今でも、つやつやしている」とあり、戦後60年
経つ今、50年前の中国で娘のために作ったと言う記者の
母上のチーパオは、愛しい娘のために、人目を避けて母親
が手作りしたのであろうか?と物語めいた想像を掻き立てら
れます。
解放前の中国では、女性の地位は、日本以上に低かった
のではないかと思うのですが、多分活動的ではない衣服で
あろうと想像します。

解放と同時に、女性が社会に進出、作業服の様なズボン姿
で、化粧もせず、子供を保育所に預け、共同食堂で家族一同
食事を済ませ、労働に精を出している姿は、日本にいて、ニュ
ースとして知る限りでは、非常に健康的で、その鮮やかな変身
ぶりに驚嘆しました。
現在中国は男女格差の点では、農村部を除き日本より進歩的
なのではないかと感じていますが、実態はどうなのでしょう?
ともあれ、多分革新系であろうと感じている南方週末がチーパオ
を記事として採り上げていることに、なんとなく安らぎを感じます。

 「李昌平」その後

本当に素晴らしい人物であると思います。そして、社会主義態勢
の国でも、李昌平のような人物が出現する余地があるのだな、と
そのおおらかさにほっとします。
訳者注に「建国後55年して初めて農民の実態が国民的に討議
される社会とはどんなものか」とありますが、それが真実だとすれば、
「社会主義国家」の理念との矛盾を感じます。
「大男総身に知恵が廻りかね」と云う言葉が昔のカルタにあったのを
思い出してしまいますが、そんな、のどかなものではありませんよね。

 松花江の汚染で中国重工業の配置に疑問

「南方週末」の記事で、中国の工業と汚染の問題については、かなり
読んできましたので、今更驚きませんが、国内のニュースが伝える「中
国」との格差の大きさに考えさせられます。
日本のメディアが伝えるところによると、今やアメリカに次ぐ大国(軍備を
除き)となりつつある中国ですが、工業汚染と農民問題に関しては、
南方週末を読む限り、後進国も良い所で、特に工業汚染については、
地球にとって非常に迷惑であると思います。その実態を国連の議題に
しても良いぐらいかと思います。また日本の復興期と似ているような気も
します。
松花江公害で辞任した「国家環境保護局長 解振華氏」の辞任
直前の公演では、環境対策についての正しい理念を持ちながら、職務
上どうにもならなかった気配が感じられ、国家体制に問題がありそうだと
感じざるを得ません。
訳者注 の
「新京報」の編集長、副編集長が解雇され、2000名の記者がストライキ
に入った、との報道には関心を持たざるを得ません。中国の知識層に知的
良心があったことを頼もしく拝見しました。

訳者から 
感想文有難く拝見しました。
 中国のことについて日本のマスコミは真実を何故か伝えず、良い面だけに限ってい
るように思います。
 それは他の国でもそうなのでしょうか?
 
 
06/02/21
  阿珍という女性の人生

 現在の実話とは思えないような話だと感じました。勾麗もそうですが、
日本にはもうこのような例は無いのではないかと思います。
男は何故働かないのでしょうか?日本では、幼児虐待のニュースが
時折問題になっていますが、どちらも悲惨ですね。
現在の中国は一人っ子政策で、子供は4人の大人に囲まれて、王様
の様に育っている、とも聞きますが、都市部と農村部の格差が酷いので
あろうと思います。私は一人っ子達が中国社会の中枢を占めるように
なった時の事も気になります。

 訳者注の「中国と日本を比べてどう感じましたか?」の質問には、日本
にはこのような悲惨な女性問題は現在存在しないのでは?と思います。
然し「男女が対等でない」という環境は今もなお一般的なのではないか
と思います。経済では、世界のトップクラスの日本も、「女性の地位」に
関しては、かなり下位にランクされているようですね。
男女の問題は、人間性というよりは、より教養の問題ではないか?と
感じますが、いかがでしょうか?

訳者の意見:ご指摘の通り男女の問題は教養が大きく関係しているでしょう。
 中国で小学校制度だけでも実施されればずいぶん変わるでしょう。
 では日本は今後何が変えてくれるのでしょうか。教育レベルは世界一高いのに!
 
 
 私も現在少しずつではありますが中国語を勉強しております。
最近はブログ等で中国関連の記事を拝見していますが
現地の新聞から情報が得られる事は嬉しい限りです。
『南方週末』楽しみにしています。
C
 中国経済の奇跡的発展

経済を学問的に考えたり勉強した事も無い私ですので、南方週末
のこの記事を分析する事はできませんが、この記事が、経済学者の
書いたものだとすれば、ちょっと幼稚な感じをうけます。
「中国が衰退の一途を辿ったのは、中国人が劣っていたからであろう
か?・・・いや、そうではない。制度が悪かったのだ」と言っていますが、
「制度」だけに原因を求めるのは無理があるように感じます。
制度は人が作るものであり、つまり国民の総合的な素質が今日を
作っている訳で、そう言う意味では、一旦社会主義国家としての洗礼
を受ける事によって、現在の資本主義的市場経済発展につながるよ
うな国民性、民族性を本来持っていたのではないか?と感じています。
また、「経済」も「政治」と常に繋がっていますし、単純に「中国の経済
発展」を論じることは出来ないような気がします。

阿片王

旧満州国の建国に関わる内情が暴露されているようで、この類の本が
新潮社から堂々と出版されているとすれば、やはり、日本の国にはまだ
自由があるのだな、と感じました。
 内容が概略紹介されていますが、余りにも酷い話で「汚れた手」の助け
を借りて政治家のトップにのし上がった首相をもった我々国民は恥ずべき
であると思いました。
「阿片戦争」で英国が中国に阿片を売り込んだ事は歴史で幾らか知って
いましたが、日本の汚いやり口は知りませんでした。「五族協和」という言葉
も記憶にありますが、何たる欺瞞でしょうか!

時間があれば、「阿片王」満洲の夜と霧は読んでみたいですね。
D
21世紀最大の問題は老齢化

人口問題は確かに日本にとっても、又地球規模の問題としても
大きい問題である事は確かだと思います。総てに影響を与える
事柄でしょうから。地球が次第に様相を変えつつ生きている姿を
観るような気持ちです。
この記事では、自国、つまり中国の人口問題については触れて
いませんが、「中国の一人っ子政策」はどうなのでしょうか?実行
されているらしいので、中国は政策的に人口を減らしている訳で
すが・・・。ともあれ、文明の発達とともに出産率が低下する傾向
は宿命かもしれませんね。根幹をじっくり見つめて、良い政索を
打ち出すべきであると思います。
移民の問題は、これもまた非常に難しい問題であると思います。
訳者ご発言の通り、「世界の何処も国際的になる」傾向にはある
と思いますが、トラブルも多くなるのではないでしょうか?

 訳者の意見:中国は一人っ子政策を続けていますが、2030年頃まで増加を続け
るそうです。
 16億人まで伸びるのでは。 今は増加を弱める段階です。

正月帰省始る

人口大移動の数字は凄いですね。この記事を読むと涙が出ます。
中国の方達の素朴な家族関係、親子兄弟姉妹の絆が暖かく結ば
れ、稼いだお金を持って年老いた親を喜ばせたい、幼い弟や妹に
何かお土産を買っているのであろう・・・と行列に並ぶ帰省労働者達
の顔が見えるようです。ただ、その実態は異常ですね。中国はまだ
開発途上にあると思わざるを得ません。
中国の素朴な労働者達の幸福を祈りたいと思います。

中国の農民保険を考える

農民の社会保険のことのようですが、同じ中国国民であり
ながら、都市住民にある社会保険制度が農民にはないの
でしょうか?国の政策が一部の国民にのみ適用されている
ということのようで、中国という国家のレベルの低さが分ります。

「社会主義」の勉強もした事の無い者が発言などする場合
ではないのですが、社会主義というのは、平等に分かち合う
姿に限りなく近づく社会なのかな?と思っていました。
お国の事情があるとはいえ、中国の農民の悲惨さを知ると
中国の政治家の人間的冷酷さを感じ失望します。
「都市に住む権限の無い農村出稼ぎ者」の実態をあきらかに
して、世界中で討論のテーマとして採り上げて欲しいと思います。

訳者の意見: 
 社会主義にもいろいろあるようで、大昔、その言葉が生まれた頃の意図は
 確かに「平等・相互扶助」等を目指したものでしょう。
しかしソ連や中国のマルクス的社会主義は「階級のない社会」を目ざし、
 「平等」という考えは資本主義的として排斥されています。
そこの構想があまりにも非科学的・非人間的だった、と言うことでしょう。
 
性愛大帝国

性産業の発展と旺盛な消費額、と拝見すると、この現象が果た
して健康的なのか、それとも不健康なのか?と考えてしまいます。
2020年頃には5対1の割合で男子多数に偏る、とありますが、
私は、それは無いであろうと思います。人間の叡智が適度に妥当
な数に調整してゆくであろうと思います。
「神の摂理」という言葉も遠くなりましたね。

訳者の意見:
 中国で男子が尊重されるのは、社会保険制度が無く男子に老後を頼むからです。
 世界と繋がりが強くなれば、中国政府も考えるでは。

06/03/16
  私も中国でビジネスした経験をもち、現在も二月に一度ほど上海などへでかけて
おります。
 中国にはそれなりの関心もあり、関係の本なども読んでおりますが、このように
 淡々としたそれでいて、深い洞察にみちたものを読んだ覚えはありません。
 地味かもしれませんが、すばらしいお仕事かと存じます。

 孫武勝の一日

孫武勝という人は素晴らしい人物だと思います。
優秀である事は勿論ですが、純粋性が高く可愛い人間で、
日本人には中々いないタイプだと思います。訳者注の「まさ
に英雄誕生」は同感で、彼の生い立ちが知りたくなります。
良いDNAももっていたのだと思います。珍しく明るいニュース
ですね。

 出稼ぎ農民の請負工事が語る悲劇の20年

「訳者注」で「この記事は中国社会主義の変化の本質を
描いた貴重なものです」とありますが、とにかく中国社会の
悲惨さ、悲劇的な部分が分るだけで、変化の本質までは
難しくて分りません。
中国の方達は大抵口を閉ざして、自分の国の真の姿を
語りませんが、幾らか真実の情報を得ると国情の奥は深いですね。

(訳者の意見  
中国社会主義変化の本質と書いたのは、
 歴史上、農民達が血判を書いて耕作したり出稼ぎに行った1982年が
 中国社会主義の実質の崩壊と言う意味で書きました。)
 
 民間人が南京市の住宅購入に団結

素朴な民衆の集団を想像できますが、然しインターネットが
役割を発揮している事や、民衆が一致団結している事に
明るさを感じます。
2月11日の日経新聞で「訳者注」にある中国政府の「報道
規制」に関する記事は読みました。IT業者(アメリカ)達は揃
って批判には反発していましたね。自由を標榜するアメリカで
も商売となると利益計上が何よりも優先するという事でしょうか。
「自由を守る」のもなかなか難しいですね。

06/03/28

河南省の地域差別
 以前,新聞に河南省出身者はペキンでは『南のほうから来た』と答えると書
 いてありました。
 汽車の車内放送にはあぜんと、でも笑ってしまいました。河南省の方々には申
 し訳ないことです。

 広州在住の女性のブログにはウイグル人は悪事をはたらく人ときめつける記事
 もありました。
 私の住む大阪には戦前から沖縄の方達がかたまって暮す地域があります。
 その頃の差別はひどかったそうです。
 戦前の田舎ものを見下す街にすむ人達が、21世紀の中国にビク ともせずにあるのですね。