02年度 読者便り から  

02/07/30


いつも中国の最新情報を送っていただいて、有難うございます。興味深く読ませてもらっています。今回の「農民の本当の姿」、信じられないような話しで驚いています。深刻な問題ですね。次回のニュースも楽しみにしています。

02/12/01

「秋菊物語」

ですが、3年前(’99年)雲南省の奥地の少数民族の村々を訪れたときの風景を思い出しました。後進性といってしまえばそれまでですが,まあとにかく中国は広く面積は世界で3番目、日本の25倍以上あり,人口も世界一多い。
この国の全国的な近代化は至難の業ですね。制度的にももともと議会制民主主義が発達してなく三権分立でない。権力が党や政府機関に集中している。したがって地方自治も弱い。日本の江戸時代的なところが奥地に行けばいくらでも残っている感じですね。
娘がビデオを横目で見て「お父さんそんな辛気臭い映画なんで観てるの」と笑いながら言いました。
しかし,一方では市場経済を取り入れ都市や工業地区では急速に近代化が進み,外国資本がどんどん入り,大きく変貌しつつあります。10年後にはGDPが日本を追い越し世界2位になるだろうと推定する人もいます。それは無理はありません。いずれはそうなるでしょう。何しろ人口が日本の10倍あるのですから。しかし一人一人の水準が日本のようになるにはもっと長い時間がかかるでしょう。
しかし,GDPが日本を追い越すことに脅威をもつ政治家や資本家もいて中国進出を牽制する人もいるようですが,私は馬鹿げた話だと思います。もう戦争なんかできっこないのですから共存共栄を目指したらよいと思います。
しかし,中国国内は市場経済によって経済発展は目覚しいが、一方で地域差や貧富の差が激しくなっているようで、社会主義を目指す限りは大きな矛盾となってどうするのか今後の成り行きに興味をそそられます。

それから,「公民身分証」の話ですが、近代社会では当然のことですが,日本が明治維新で近代化,工業化を目指す中で,江戸時代の身分制度をはずして住民がどこにでも行けるようにして労働力を確保したように,今中国も市場経済の工業化の中でそうせざるをえない状況になってきたのだと思います。
また,今度の中国共産党大会で,資本家も党員になれることになったと報じられているようですが(もっとも中国では資本家とは言わないのかも,企業家かな?)、これなどもおかしな話で,歴史的段階が違うのか、先進国の政党では階級によって入党を縛るようなところはないのではないでしょうか(調べたことがないのでわかりませんが)。
「馬燕日記」、日本でも出版されているとは読んでみたいですね。探してみます。 
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訳者:
「馬燕日記」、については他に読者の何人かから連絡をもらいました。
まだ見つけた人は居ません。国会図書館にも有りませんでした。

02/12/09

訳者:

 先日中国人夫婦が家に遊びに来ました。故国を離れてフランスに行き、20年近くなります。現在40代半ば。そこで前回の「档案」について確認しました。

以前居た企業から「档案」を買い戻した後、それは次の企業(単位)に移りますが、その間も個人がその中身を見ることは出来ないそうです。
もし留学生のように外国に行ったときは、档案は大使館が管理します。
個人が档案の中身を見ることは永久に出来ません。
現在は国家(党)が転職者に対し強請り(ゆすり)をかけ、賃金10ヶ月分ほどの金をせびっていますが、これは最近転職者が多くなって、儲かるからでしょう。しかも領収書無しに。(と言うことは国家が国民に対し悪事をしているのを自覚していると言うことですね)

客に来た中国人に「仏国でこの様な制度があり得るでしょうか」と聞いたら、フランス人は権利意識が高いので「あり得ない」とのことでした。

その夫婦も若いとき「文革」に出会いました。もう20年以上経つので、忘れましたか?と尋ねたら、2人揃って即座に「忘れられない」との回答でした。
私が「南方週末」を読んでいると言ったら、あの新聞なら各種事実を書くでしょう、とのことでした。

この夫婦は学生時代に知り合い、仏国に渡った後、結ばれています。
現在の国籍はフランス。と言うことは、学生恋愛が禁じられていたのに、巧くやった人もいるのですね。負けそう!