2/12,13の夜、NHKで「国民審判員制度」の特別番組がありました。これはその記録です。
 国 民 審 判 員 制 度
                            05/02/1
 4年後から、国民を無差別に選択して指名が来て私達の誰かが裁判員になります。
13名に一人の確率だそうで、これはかなり当選?の率が高いです。
そして殺人犯などの刑事裁判に出席し、刑期の判定をします。
 2/12の番組ではホームレスがいつも世話になっているコンビニエンスの店主を誤って殺した例で、判決を下す模擬的な番組でした。
 裁判員に選ばれた市民は6名、それに本職の裁判官3名が加わり、全員の多数決で、有罪・無罪、刑期の判定がされます。
 人の罪を決定するのは嫌だとか、発言の毎に意見が変わるとか、責任が重すぎるとか、ストレスがたまるとか、いろいろな会話が交わされていました。

 裁判員に選択されるとき、それを原則として拒否は出来ません。
 土曜日の番組では殺人の現場をモニターで記録が残っているかどうかを調べることになり、裁判の会議が2週間延期され、その間外国へ行くことになっていた会社員が、外国へ電話して仕事の延期の申し入れをしていました。
 最も簡単な事件で、判定が可能なときは2日で終わるそうです。
2/13日の番組はその制度への質問が主でした。

  番組に登場した市民の疑問の中心は「何故この制度が必要か」でした。
 その答えは「これまでの国民は裁判というものが”お上”のすること、と言う考えが強く、 自分達がこの社会を作っているという自覚を育てること」というのが、弁護士会の答弁でした。
 そして現在世界の国はどうなっているかの地図が表示されました。
なんと中国とアフリカ以外は全て既にこの制度を採用しています。
  各国少しずつ中身が違うようです。アメリカは判定の席には専門の裁判官は参加しません。市民だけで刑期を判定します。

 そしてあのロシアも既にこの制度を採用しています。ソビエトの時はもちろん司法の独立が無く、大統領以外はいつでも敵階級になって逮捕されていた国が、壁崩壊後すぐにこの制度を取り入れたようです。
やはり社会主義の人権無視の制度は国民にとって一番嫌なことだったのでしょう。
 スターリンは数千万の不法な虐殺をしていますから、もしこの法律制度が有れば、市民によって死刑が求刑されていたでしょう。
 毛沢東なんか建国直後に死刑です。江沢民は天安門であれだけ多くの殺人を命令したのに、今も元気です。

 イタリヤが70年と世界で一番歴史が古いと言うことでした。
 イタリヤの例で、学校の先生が仕事と両立できない、と指名を断ろうとしますが、周囲の人が「大事な制度であり、あなたの人間性を広めるでしょう」と勧められて、参加する場面がありました。
 このように海外の国では、”社会への参加”が良い意味で国民的に広く理解されており、これは日本にとって今後大いに学ぶべき点だと感じました。
                           再見