最近の中国における反日本運動について
                05/04/16

 最近報道される中国内の反日本運動についてその行方を心配しています。
 それに関して私の考えを書いておきます。

 先ず中国にはその社会に多くの矛盾を抱えており、例えば”民度”は世界でも低い方ではないでしょうか。
 そのことの解決には国民の政治参加が必要です。
しかし中国には労働組合活動が無く、また学生運動も有りません。本来はこれらの組織が運動を正しく組織することが必要です。
 しかし中国の国民が如何なる対応をするかの問題も大事ですが、日本が如何に対応するかについてが日本人にとって一番大事なことです。

 これまでも今後とも、日本は東南アジアの中で経済や政治、または文化の多方面で協力していく場面が増えることはあっても減ることはないでしょう。何よりも日本は外国と平和的・友好的に付きあって初めて経済活動が可能であり、日本人の生活が成り立つでしょう。
 そのためには対外的に先ず国際的に恥ずかしくない態度が必要です。一番の良い例はドイツです。ドイツは周辺諸国と付き合いが極めて重要である事を考えて、ヒトラーの侵略行為を徹底的に反省することを戦後一貫して実行してきました。そして、周辺諸国の理解が得られているのだと思います。

 戦前に日本だけでなく欧米が植民地行為をしていたという言い方もされています。しかし、先ず襟を正すのは私達日本人です。
 東南アジアであれだけの侵略をしながら、被害国に対して完全な理解を得る努力をしてきたか大いに疑問に思っています。
 中国では正月や各種の家族が集まる行事で”誰が何故死んだか”の想い出話が出ます。その時必ず「日本人に殺された」、あるいはこの言葉は「日本鬼(リーベンクエイツ)に殺られた」という言い方がされます。「天皇」や「日本軍」と言う言葉を聞けば震えると言う人もまだ大勢居ます。これは韓国やフィリッピンやシンガポールなどアジア全体で変わらないでしょう。
 
 私が中国から帰ってきた2001年の8月、NHKは戦後の特集番組を放送しました。初めは戦争に対して外国への謝罪があるのかなと思わせる進行でした。戦争は外国に被害を与えたことで始まっており、そのことを目的に闘いました。
  しかし、途中から突然内容が変わり、戦地で部下の安全を真剣に考えた隊長が居た、と言う話に変わりました。外国に被害を与えた事については全く触れませんでした。こんな内容の放送をNHKがして海外から理解されるでしょうか。日本人が外国人に信用されるでしょうか。
 
 ただ、中国の動きについて驚くことがあります。これまでは大衆運動は党によって指導されていました。実際は制限されていました。それは学生運動や労働運動がないからです。しかし今回は党の指導ではなく、インターネットで連絡を取り合っていると聞いています。もしこのような方法が今後続くと、独裁している党も大きく恐怖を感じるでしょう。
 中国ではインターネットも党が管理しており、実際にメールのやり取りを制限しているようです。

 今回の運動の盛り上がりは、日本の島根県議会の竹島領有宣言がスタートです、初めは韓国で火がつきました。そして中国では「扶桑社」が日本の歴史教科書書き換えで有名ですが、その扶桑社の教科書に表現が不十分だとして日本の文部科学省が「竹島は日本の固有領土」だと書き直させ、これが韓国の火を燃え上がらせました。これらのニュースは中国で放送されています。それが中国の学生を中心とした運動に火を付けました。
 このような各国の政府の対応の中で、私達は危険な状況に進まないように注意が必要です。今後何が起きるか解りません。そのような中で私達日本人自身の態度が先ず一番大事です。
「国際人として恥ずかしくない生き方」それを実行出来る政府に動かして行くことだと思います。