昨日見た映画
「アラバマ物語」の感想。
05/02/08
グレゴリーペックが弁護士を演じています。
これはアメリカの陪審員制度の問題点を突いています。
アメリカのまだ黒人蔑視の雰囲気が強い地方のことです。
白人の主婦がレイプされた事件が起こり、黒人が逮捕されます。
黒人の事件を白人が弁護すること自体その地方の人達から非難攻撃を受けます。
やがて判決の日が来ます。
そこで検察と弁護士との各種証言が始まります。
黒人は左手が使えないことが証明され、レイプされた主婦の傷の位置などから、
この黒人が犯人では無いことが証言されていきます。
そして裁判長が陪審員に対し評決を求めます。
白人ばかりの審判員が下した判決は「黒人有罪」でした。
映画ではさらに黒人を弁護したグレゴリーペックの子供が襲われる事件が続いた
りします。
そして黒人は2審が期待できず逃亡を図り銃殺され、この審判は終了となります。
今日本でもこの制度が採用され近々施行されます。
日本でこの制度を実施することを要求した日本弁護士会の意図は、
日本では一般人の意識が「お上」に対し、権利主張が弱く、泣き寝入りが多い、
或いは先祖の所為にしたりする風習が強く残っていたのを、弁護士会としては、
国民の権利意識を強化するために、国民自身が法律の施行の中に入ることによって、主体的意識が強化されることを求めたものでした。
日本ではそのような面では有効だと私も期待しています。
ところがアメリカでのこの映画の例のように、陪審制度で判決を下すのは陪審員の良識にゆだねられています。
その意識が黒人に対して極めて蔑視の気持ちが強いと、この映画の例のような結果を招きます。
さて皆さんは日本の将来にとってこの制度が如何なる役割を果たすとお考えですか。