中国映画 「再見」 のお知らせ
 

 恐らく現在日本で上映されている他の如何なる映画より、
感動的だと思います。
但し上映館が下記の url の様に、ただ3館しかやっていません。
6/26日まで。 
”  
アメリカで成功を収めた若き女性指揮者チー・スーティエンが20年ぶりに祖国の地へ
と降り立った。彼女には祖国での凱旋記念コンサートを行うという以外に、もうひと
つ大事な目的があった。それは、彼女が7歳の時に生き別れたきり音信不通となって
しまった3人の兄弟妹を探し出し、彼らと再会すること。20年前、彼女と兄イクー、
弟ティエン、そして妹ミャオの4人は、音楽教師をする父としっかり者の母に見守ら
れ、慎ましくも幸せな日々を過ごしていた。しかし、突然の悲劇が一家を襲い、4人
の兄弟姉妹はバラバラにそれぞれの里親へと引き取られていった…

http://moviessearch.yahoo.co.jp/bin/search?pr=&p=%BA%C6%B8%AB+%A5%C4%A5%A1
%A5%A4%A5%C4%A5%A7%A5%F3+%A4%DE%A4%BF%B0%A9%A4%A6%C6%FC%A4%DE%A4%C7&pro=theater

改行したので、全体をなぞって、インターネットエクスプローラ 等に貼り付けてください。 


    次は私の感想です。

 この映画は中国の30年前と現在とを交互に展開する物語で、
現在の中国がよく分かります。
 30年前とは文化大革命のことです。
そこで4人の子供の父親は「思想と経歴に問題あり」として、
教職を取り上げられ、荷車引きになります。
思想とは「現状に満足することなく常に夢を持て」と子供達に教えたこと。
経歴とは彼が音楽専門学校を出ていたことです。
「ブルジョワ階級」の資格が充分と言うことです。
映画ではこのことをさらっと流しています。
 兄弟の母は結核になっていたが、医者に行くと金を取られると言って、
ついに血を吐く身体になります。
両親は病院へ行く途中事故死、そして兄弟はバラバラになります。
この映画では、近代ビルの建った北京で兄弟姉妹が20年ぶりに再会する、
その場面を感動的に盛り上げています。
 確かに子供達の純粋さが画面に溢れて、それが観るものの涙を誘って充分です。
そして現在の中国にも人間的な美しい物語がいっぱいあると言っている様に受け取れ
ます。
でもそれはあくまで政治的お仕着せです。
最も肝心な、中国政府が建国直後からやって来た国民の人格を無視する政策が、
指摘されていず、
そして何故、建国後50年間、経済的に発達せず、
国民を貧窮の生活においたのかが、全く追求されていません。

この映画では、文化大革命で間違った思想教育をしたこと、
医療制度が国民に信頼されていないこと、
国民の命は民主的ではない独裁的権力で動かされていること、
等は読みとれます。
その面を挿入できたのは映画製作者の知恵だと思います。
でもこの映画を中国全体で宣伝して回ったのは中国政府が
美しい物語という面だけを強調したのではないとか思いました。
私は中国人の苦しさに感動して涙が出たけれど、
しかし中国政府は幼稚の極だと感じました。
少しでも良心有る政府なら、この物語が感動的で有ればあるほど、
素直に、これまでの独裁を謝罪すべきです。

この映画では11歳の長男が妹を拾ってください、と隣家に土下座しますが、
来週は、現在今年の4月に、農民達数十人が土地を返してくれと言って、
大雨の中を視察団に土下座する本当の話を訳します。