行政の違法な「費用徴収」取り締まりを

07/05/10 南方週末 陳倉

 建国以来ずっと、行政上での違法な費用徴収は全く止まるところがない。行政の違法な徴収金額は膨大でその取り方に基準が無く一律ではない。
 07年5月6日の「新華社」によると、05年度の行政による徴収額は4000億元を超えているが、どれも徴収の基準が無く、領収書を発行せず、徴収の根拠を明示せず、任意に徴収範囲を拡大し、その場で金額を上げたり全く適当な徴収で、徴収した後も政府が何も実行しないなどの現象が中国全体で普遍的に存在しており、群衆の怨念が積み重ねっている、と報道した。

 この問題に応えるため国家管理部門と関係する専門家達が行政の徴収について法律で制定することを提案している。
 だが、法律だけで完全に解決するだろうか、法律が実際は空文にならない方法を見つけなければ意味がないだろう。
 
 行政上の徴収が乱雑な現象を防ぐために中央政府はこれまでも帳簿は「収・支」の両方を記載するように指導してきた。しかし実際は直ぐに帳簿は片方だけが記載されるように変えられてしまう。
 徴収基準があってもそれは空しい”空文句”で、役人達は術を尽くして「実入り」を増やしている。行政上のこのような徴収による「積極的な姿勢」は止まるところがない。

 最近出版された「鳳凰週刊」によると、雲南省永善法院が「刑期」の長短を決める費用を取っていることを暴露した。これは権利や人権を暴力で奪うことに直結している。
 
 同様の、領収書無し、徴収費用の名目無し、適当に項目を増やして徴収、徴収基準を随意に格上げする、このような乱雑な徴収が何故いつまでも止まらないのか。
 その一つは違法な徴収に対する責任追及が不可能なことであろう。
 行政の徴収担当者達の気持ちには、違法な徴収が個人の懐に入れば違法であることを自覚していても、一端役所の抽斗を経由すればそれ以降は合法だと考えているようだ。
 個人の汚職と団体の汚職と同じ性質だと何故認識出来ないのか。

 行政による徴収は大衆から取り、公共のために支出する、この原則を守り私用に廻しては行けない。
 
 この原則を実現するために私は次の方法を提案したい。

 地方行政や司法機関が独自に決めている徴収項目を全て廃止し中央或いは”人民大会”で基準と項目を決める。
収支は全て一つの管理部門に集めそこが管理し、「収・支」の両方を記載する。
 これに反した場合の責任追及を可能にする。会計監査を実行し結果を公開する。そうして中国全体が統一された行政で行われるようにする。

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訳者注:

 現在世界中で中国商品の「有害」が話題になっています。これとこの記事と関係があります。役所の徴収基準が適当であり、また賄賂次第であることで、商品を造る側も「品質基準」を造って自分を縛ることをしません。
 薬品の4割が偽造品であるのも、ここに関係しています。
 この問題をもっと遡れば、大衆側から権力の責任を追及出来ない社会主義体制と関係しています。「党の絶対権力」で国家を指導するという思想が、「安全・公平」を不可能にしています。