中国とベトナムは”兄弟プラス同志”

06/08/31 南方週末  由珊珊

 今、中国・ベトナムの関係は極めて良好な時代だ。一時は複雑な問題があったが1991年以降改善がされ、正常化以来今年は15年を迎える。昨年末には中国の首相「胡錦涛」がベトナムを訪問し今回はベトナムの 党総書記「ベイチュンウ」が中国を訪問した。記者はその総書記を採訪した。
 
  かって両国は共に計画経済で外国とは途絶していた。現在は両国とも改革開放、(ベトナムでは革新開放)を唱え、市場経済を採用し、国際社会に溶け込もうとしている。
 現在世界は「全地球化された経済界」で、その中で経済発展を遂げつつある。
 さらに中国・ベトナム両国は隣国である。両国が共に改革開放の共同の道を子孫の代まで協力して達成していくことになろう。
 
記者:貴方は両国の関係を如何に考えていますか。特にアメリカはベトナムを楯にして中国を牽制しようとしているのではないでしょうか。
ベイ:ベトナムにとって中国は最大の貿易国で、中国にとってもアメリカにとってもお互いに重要な相手でしょう。
 かってアメリカとベトナムは戦争状態にありました。しかし現在両国に問題はありません。
 現在のベトナムは「独立自主・多様化・多方化」が目標で、対米関係も改善されつつあります。アメリカもベトナムの8300という大きな人口の市場に興味を持っています。
 
 非国営企業のあり方について

ベイ:ベトナムは革新開放以来20年になります。以前の糧食は輸入に頼るしかありませんでした。開放後は充分な糧食を国内で生産しています。その一部は輸出に回しています。お米の輸出は世界でも多い国でしょう。

 今後ともその成長を続けるために、党の指導者を教育し、国民の人的開発が必要です。
 
 記者:ベトナムは現在非公有部門経済が急速に発展しています。このことは社会主義との関係で如何に考えますか、例えば経営者の入党を認めるなどの問題が発生しませんか。
 ベイ:ベトナムのGDPの内、国営経済が38.4%、非国営経済が45.7%、その他は外国資本です。非国営部門の発展は今年の法律でも保証されています。今後ともその比率は増大するでしょう。

 中国が経営者の入党を認めましたが、ベトナムにはまだこの種の議論が出ていません。

 記者:ベトナムは「党の腐敗問題」について厳格な姿勢を持っていますね。外国政府に調査研究を依頼するなどの措置まで取っています。しかしこの方法は党の信頼に影響し、大変大きな勇気が必要でしょう。
 では現在党の腐敗について根治方法を発見されたのでしょうか。
ベイ:これは特に発展中の国家にとっては大きな普遍的な問題です。今年「反腐敗法」を制定しました。国連憲章の「反腐敗公約」にも参加予定です。実際はその問題は長期の複雑な経過を辿り、頻繁に発生し、簡単には解決しないでしょう。
 
記者:今回党が国民全体に「革新」の大討論会を呼びかけました。
ベイ:06年は開放以来20年です。党の報告を公開し、誰もがそれを読める様にします。 この様な方法は初めてです。大きな反響を呼んでいます。これは社会民主にとってとても重要な手段・選択です。 

記者:ベトナムは今年WTOに参加するようですが。
ベイ:既に28カ国から承認を得ています。今年5月にはアメリカの賛成を得ました。今後貿易・投資・企業・産業権利・開放市場等々の技術的問題を解決して年末には参加が許可されるでしょう。第150番目のWTO加盟国です。
 現在は経済が地球規模で一体化されており、その外に出て自立することは不可能です。国際社会に溶け込まなければ生きていけません。それは一つの挑戦でもあります。
 歴史的には遅れた国ですが、今後中国や多くの国から経験を学び、国際の大きな流れに参加し、世界の国と共に生きていく方法を選択する以外の方法はないでしょう。

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訳者注:
 社会主義の場合、社会問題を国民全体で討論し考えると言うことはありません。党が指導すると言うことになっています。まして国民に議決権は有りません。又社会問題を報道すると言うことも許可されていません。このことで民主主義が育たないと批判されてきました。
 当然その社会では党の腐敗が発生するのは必然的です。最近も中国の上海で幹部のかなり大型の腐敗が摘発されています。
 しかし計画経済を抜け出し、世界と交流することで、いくらかは民主主義が育っていくでしょう。
 ベトナムが国民大討論を実施するということですが、中国の建国時のような発言者を全て逮捕し(中国の教科書では60万人)「改造所」に入れるということが無いように期待したいですね。