公衆便所の料金は如何に
       (概略)
06/07/27 南方週末 蘇永通

 ”大5元、小1元”、美しい青海湖の周辺に来た旅人が公衆便所の料金表を見つけた。
 ハエが群がり黄色く汚れたトイレでお金を払って、受け取った領収書を見てそこには受取印が無いことに気づいた。
 
 5月の連休には1.2億人が旅行に出かけたと言われる。中国には13億の人口があり、普段でも1億人以上が出歩いていると思われる。すると公衆便所の収益やその維持がどうなっているのだろうか。
 
 1992年5月国務院は「都市の環境衛生条例」を発布した。そこでは公衆便所の管理に使用料を取っても良いこと、その金額は各省、自治区、市政府に委ねると記されている。
ただし翌年、飛行機と汽車については使用料を取らないことに変更された。

 南京市では3元出せば座る位置に囲い塀があり紙などが置かれている。
 1元では囲い塀がない。これが全国の標準のようで、多少の地方格差がある。
 
 青海湖では「本来公園内では無料にしたいが、囲い塀無しのトイレを汚す人が多いので管理員を置き料金を取っている」と言う。
 
 中国の300ほどの市の内28の市では公衆便所は02年から無料だ。それ以外でも黄山や昆明などの有名な観光地は無料となっている。
 一般に公共場所のトイレと住民用があるが、例えば上海の2000以上の公衆便所のうち80%は住民用で有料だ。広州市では681個ある内の56%が住民用で有料となっている。一部無料の地区ができつつある。

 06年広州市の党書記が公衆トイレを無料で管理人付きにすると発表した。それは経済面の成長がめざましく、税金で賄うべきだという考えだ。
 管理人付きというのは、便所を破壊したり内部で強盗をしたり、麻薬を吸ったりする事件が耐えないからだ。
 また、00年に一度無料にしたがトイレを壊す人が後を絶たず03年に有料に戻した例もある。

 政法大学のあるマスターは地下鉄の有料を問題として、政府は全て無料にすべきだとして起訴している。
 
 記者が調べたところ1平方キロに3個と言う国家設置基準を満たしている都市はまだほとんどない。それは経済的理由からのようだ。
そこで利用者から使用料を取って設置を増やすところが多いようだ。
     
 上海のある研究者によると、上海市の公衆トイレの建設維持費が年間4000万元超、水道代が2000万元超、管理人費用3000万元超、総計1億元ほどになる。その合計の20%ほどだけが使用料として入ってくる。その他は市の財政から出ている。

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訳者注:
 中国にとって公衆便所は文明開化や開国の為に重要で頭の痛い問題でしょう。
 何故トイレが重要問題かというと、現在のままでは日本の女性は中国への旅行を嫌がるからです。
 毛沢東は全てを共産主義的に共同生活するという思想で、住宅内にトイレや食堂や風呂場を設置せず共用としました。 
 北京でも共用トイレが屋外にあるので街を歩けば風向きですぐにその場所がわかるそうです。
 しかしそれでは2008年のオリンピックに外国人が来ないので、現在街の大改造をしています。しかしそのことでこれまでの中国の歴史的風景が消えることを惜しむ意見もあります。
 
 つまり日本人が考えればトイレは住宅以外の公衆が集まるところにあるはずですが、中国では住民が日常に使うのもあります。
 公衆便所はどこも0.5元などのお金を取り、そのために管理人を置いています。
 たしかに公共のものなのに領収書はありません。

 もう一つの問題は囲い塀が無いか低いことです。
座ったとき顔が塀の上に出てしまいます。
 日本でも戦前は似たような姿だったのでしょうか。いや、日本では囲い塀はあったという反論を聞いたことがあります。
 毛沢東死後は住居内にトイレが出来ましたが風呂場がないので、室内のトイレの上にシャワーの吹き出しを吊り身体を洗っています。
 日本で管理人の居るトイレは殆ど見かけません。(一時JRで有料を作ったようですが)

 この記事は結局何故有料なのかを問いかけているのでしょうか。