車両通行と通行人との関係


06/06/15 南方週末 孔シー

 上海の街角に立った一人の日本婦人が車道を渡ろうとしたが結局丸一日不可能であったことが新聞で報道された。
 信号が緑を示しているのに、左から来た車が通行人を無視して右折する。
また右からも寸刻を争って左折する車もある。車が通行人に譲ると言うことはほぼ期待できない。

 実態調査によると上海では通行量の少ない交差点でも信号だけに頼っていてはほとんど渡れない。かなり大胆で機敏な決心が必要だ。
 
04年の上半期だけで、大型車が曲がり角で死亡事故を起こした事例は1063回、死亡数31人に及ぶ。
 05年杭州で信号が緑で渡ろうとして轢かれた事件があった。信号が緑でも左から右へ曲がる車が有るのが主要な原因だ。
 中国では、信号の緑は通行人の安全を保証しない。しかし法規では通行人優先が書かれている。
 
 「上海早朝新聞」が調査したところによると、10人の運転手の内、”通行人優先”を守っている運転手は1人しかいなかった。
 都市住民の道徳水準からしても「通行人優先」を守る運転手は先ず見つけるのが難しいだろう。
 毎日起こる交差点の生々しい血汐の事件報道を見るたびに、上海という「国際大都市」の名前に恥ずかしくないように、管理当局が真剣に対策を立てることを期待したい。

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 訳者注:
 中国では車は右側通行です。法規上は人が渡るとき車は直進出来ません。しかし右折の為に赤信号を無視して進行してくる車は常時見られます。

 ここでは道徳が問題視されています。毛沢東在中の建国当初は密告制度で常に仲間を裏切らないと生きて行けなかったので公衆道徳が崩れ、その後の文革で若者が強烈な利己主義になった経過があります。また大衆の目の前で人命と名誉を汚すことを「革命」の名義で実行しました。その反動徳の程度は常識を超えていました。
 そこで現在の交通道徳も乱れているのでしょうか。
 でもそれだけではないようです。というのは私は台湾にいたときも道路横断では正に恐怖を感じました。タクシーでも。
これはひょっとして大陸的な民族性なども影響しているのではないかと想像しました。これは私だけの想像かも。

 それに反してニュージーランドではあまりにも親切な運転マナーに感心したことがあります。やはり社会の成熟の問題でしょうか。

 とにかくこの記事を充分に吟味して、通行に気を付けてください。