中国は日本へ
   即時無条件釈放を要求

04/03/26 新華NET 

 外交部伝達部の孔泉氏は25日記者会の席上、釣魚島の問題について「中国は日本へ中国公民の安全を確保し、即時無条件釈放を要求した」ことを述べた。
 孔泉氏は中国人が登島後中国の立場を考慮せず、日本の国内法を持って中国公民を強制的に逮捕し沖縄へ連行した、とのべ、これは国際法に違反した違法行為である、と述べた。

 またこの行為は中国の領土主権を侵し、中国公民の人権への挑戦である。
 よって中国政府は在日本の中国領事を通じて日本政府へ抗議することを指示した。
 この問題について中国はすでに9度の交渉を申し入れている。
 釣魚島とその周辺領海は古代から中国領土に所属すること、これは歴史上・法律上充分な根拠を有している。
 現在、在中国の日本大使館周辺で中国人が抗議の集会を開いていることは、全て日本政府の一連の行為が中国民族の感情を刺激しているためである。抗議の大衆は止むに止まれぬ気持ちから行動に立ち上がったものである、と説明した。


訳者注:私が台湾にいた頃、1996年、このときも日本の右翼が釣魚島に建てた旗を、香港人が取り外しに行き、台湾でも大きな関心を呼びました。
 台湾人は香港人の行為を賞賛していました。台湾と中国とが別の国であると主張する人達もです。
 そして台湾のテレビは日本と中国と台湾の軍事力を比較して、解説していました。当時私は中国語が全く理解できず、その場面しか覚えていません。でも確かなことは、各国はこの衝突を軍事的な問題へと発展することを強く意識していることです。
 「この問題は小さいことで、台湾はこの様なことで大事に至らせない」と、言ってくれる台湾人もいましたが。
 この島は台湾のすぐ傍に在ります。米軍が沖縄占領を辞めて日本に返還することになった、ずっと後になって、この島の周辺に石油資源が有ることが判ってきたようです。
 私はこの問題を見て大きな危機感を感じます。戦前なら戦争に発展するのではないかとさえ思います。
 何故日本政府は、特に現在の小泉政権は、アジアの人達を刺激するような政策を取るのでしょうか。
 東南アジアには今でも「日本軍」や「天皇」と言う言葉を聞くと身震いする人達が居ることを私はこの10年間に見てきました。朝鮮半島にも中国大陸にも、シンガポールにも、フィリッピンにも。
 世界大戦で家族を日本軍に殺された人達は毎年お墓参りをするたびに、日本軍の残虐行為を子供達に話します。中国の子供達の「日本鬼子」(リーベンクェイツ)と言う侮蔑の言葉は今後もなかなか消えないでしょう。
この気持ちを解きほぐすには長い年月だけではなく、日本政府と日本人全体が平和を求めていることを態度で示すしか有りません。今の日本政府は逆にアジアの人達を刺激しています。
 本当にこんな小さなことで日本の国家権力を振り回す必要があるのでしょうか。
 小泉首相が靖国神社参拝をしたことで、中国政府は、北京上海間の高速客運送線路を磁気浮上式を止め、日本の「新幹線方式」にしたいのに決めかねています。フランスやイタリアよりも日本方式が望ましいことが、中国の新聞に出ています。しかし国民感情を考えれば、小泉首相の靖国神社参拝の為、日本に注文しかねているのが現状です。そして今回の問題で日本に来ないのは決定的になりそうです。この巨大なプロジェクトが、一度決まれば50個程続いているという記事もありました。
 日本政府は東南アジアの問題を平和的に解決することをもっと誠意ある態度で示して欲しいものです。そのことが日本の利益になると思います。
 
 ところで話が変わりますが、この問題がNET上でも大々的に扱われているのかなと思い、YAHOO中国を見てみました。今日の話題には取り上げられていません。
 以前お話しした「文学城」.com(海外の中国人によるHP)を見てみました。
 しかしここでも全く「釣魚島」のことは掲載されていません。ほとんどの話題は「台湾の選挙」です。台湾側の発言(民進党側)もありますが、ほとんどは国民党側の主張を取り上げています。そして結論は「我が祖国へ復帰しよう」と言う論調です。
 かって最も敵対した共産党と国民党が手を繋いでいる状況は不思議です。
 海外で中国の民主化を模索しているはずのこの「文学城」が、実態は完全に現実の党独裁にほとんど言及していないし、批判的ではないのも不思議です。
 今回の選挙で民進党は0.2%の差で勝利しました。その支持者の争いは、内省人と外省人との反目が表面的に取り上げられていますが、その実は「台湾人意識」も強くありますが、もう一つはやはり中国の独裁への批判でしょう。国民党の組織も共産党と似ていて、職場や学校に細胞組織を作り、活動します。
 私が居た95,96年のころでも、大企業の資産は全て国民党のものでした。マスコミも国民党の宣伝しかしていません。
 台湾の独立に躊躇している人達の気持には、「台湾は中国への投資や貿易なしに自立できない」と言う考えが強くあります。
 でも、そのような環境で良くここまで民進党が伸びてきたと感心しています。民進党が居なければ、台湾の38年間の「戒厳令」は今でも続いていたかも居しれません。彼等は命を賭けて台湾の民主化を進めています。
そして昨日国民党の要求通り、即時開票のやり直しを約束しました。それは、「台湾の混乱を中国は黙視しない」という、中国側の宣言です。台湾に面した中国の海岸にはいつでも出動できる軍隊の準備がされています。 
 なんだか中近東のイラクなどの混乱より危険な雰囲気を感じるのは私だけでしょうか。