呂海翔事件_2
遺体検査の結果発表で更に疑念が増大

 04/07/22 南方週末  王小飛

 


 その結果は「呂海翔氏の水死と公安との関係は無し」であった。
簡単な検死結果の発表があり、公安との関係なしとして、その発表会は直ぐ解散となった。その間33分である。その夜市のテレビがこれを放送した。記者が街の声を拾ってみると、その結果に納得する声はほとんど無かった。それどころか更に疑問が広がったというのが大勢であった。

発表された原稿は2100字、2章に別れ、1つは死亡までの経過、2つは検察院の調査に関する3個の意見からなる。
 1つ目の死亡経過は事件直後の発表とほぼ同じである。
検察院の3個の意見は、
1.公安は法律に従って尋問を実行した。
2.公安は尋問に当たり暴力を使っていない。
3.遺体検査の結果は、公安との関係が無く、完全な水死である。
 以上の内容である。

その内容を詳細に見てみると幾つかの変更がされている。

a.呂海翔が娯楽所で女性と淫猥な行為を行ったとされる目撃者の内、彼と一緒に歌を歌っていた姚建国の証言が削除されている。
b.公安と呂とが争ったと証言した娯楽所の女経営者の証言も削除されている。
c.水中から引き上げられた遺体の姿が、公安は片手を上に片手を下にしてちょうど泳いでいる姿であった、と記している。これに対し、呂の父親が見た姿は右手が首の上から後ろへ回し左手を下から後ろに回し、後ろで縛られた形、(公安が行う拘束態)を示していた。
d. 呂が逮捕後道路際で立ち小便をするとき2人の警官が直ぐ横に立っていた、と書かれている。このような状態で何故呂が河へ飛び込めるのか。その疑問を解く説明はない。
e. 検察院長は当日の夜公安から連絡を受け現場を調査し、公安の行為は法律に基づくと発表している。しかし誰が現場へ行ったのか、それが事実かどうかの証拠がない。
f. 遺体解剖の結果、身体の多数の皮下出血や皮膚の剥奪などは致命傷のものではないとし、公安と呂との間に暴力的尋問の事実はないとも記しているが、ではそのような傷は何故出来るのか。
g. 呂が河へ飛び込んだ目撃者は公安の3名で、一つの記録では2人が席を外したときに呂が飛び込んだとされ、他の記録は2人とも同時に呂の後を追って飛び込んだと書かれている。


 遺体検査の結果を呂の家族は必死の思いで待ち望んだ。
 7/20日、呂の家族が検察院からの電話で遺体引き取りに当局に行ってみると、門が閉じられ、家族は中に入れなかった。家族はその日の太陽が強烈に照りつける門外で何時までも唇をかんで待ち続けた。
 テレビでは既に結果が発表されていて、報道関係者が検察院の門外に居る家族を取り囲んでマイクを向けると呂の父親が「一族郎党の財産を全て傾けても、息子の公平な検査結果を追求したい」と述べた。
 
訳者注:
 この事件はyahoo china で検索できます。幾つかの報道機関が掲載しています。
 民間人がこのためのホームページを作っています。
  8/19日現在これ以上の進展はありません。
04年7月20日浙江省海寧市政府は報道関係者の前で検察院による「呂海翔事件」の遺体検査結果発表を行った。