03年6月4日夜11時頃、2人の子供を傍に寝ていた王麗珍(仮名)の所へ、匕首を持った男が侵入し、彼女の上にのしかかった。ちょうど運良く横で寝ていた子供が目を覚まし、賊が慌てた隙きに彼女が電気をつけ賊は何もせず逃げた。
  しかしその翌日も賊が侵入し、彼女を脅して強姦して逃げた。
 連日の賊の侵入に彼女は近所の男性に相談し交番へ届けた。
 届けを受けた交番は、湖北省鮫城市の派出所。そこは数年前に「全国人民満足の派出所」と言う称号を受けた優秀な所であった。
所長の名は猿勝、副所長は葉先華と言う。所長は被害者の話を聞く内、賊は必ずもう一度侵入すると判断した。そして署内の警官達と相談した結果、犯人の証拠を掴むことが先ず第1に重要だと言うことで意見が一致した。そこで警察が彼女に頼んだ協力方法は、賊にもう一度強姦させ、想いを果たした時点で、彼女が2度の咳をする、それを合図に待ちかまえた警官達が賊を逮捕すると言う案だった。警官達は「先ず証拠を残させることが重要」と繰り返した。
 彼女はとにかく賊を確実に逮捕して欲しいので、深く考えず、その案に同意した。彼女は高等学校の教育を受けている。

 賊は証拠を残し素裸で逃走

 翌日の夜9時頃、派出所長猿勝と副所長ともう一名の警官と、相談に乗った近隣の人と4名が彼女の寝所から1メートル離れたところで待機した。子供には今夜は変な音がしても起きないように言い含めた。
 警官の予測通り、真夜中に黒い影が忍び寄った。賊はパンツ一枚の姿であった。
 賊は侵入すると電気を消した。彼女は警官に言われたとおり、抵抗しなかった。
そして賊が彼女の身体の中で想いを果たした時、彼女は2度の咳をした。それを合図に4人の男が飛び出し犯人を捕まえようとした。しかし真っ暗でよく見えない。賊はパンツを残して逃げた。 
賊の身長は約1.7メートル程であったことだけが分かった。
王さんは「こんなことなら、他の人に頼めば良かった」と後悔しきり。警察も他によい方法があったかもと近隣の人の集まりの中で後悔しきり。協力させられた近隣の男性も一度交番へ同行を求められ帰宅は朝方になった。


警察は賊の残した匕首と電球の指紋、パンツと彼女の中に残した液体とを分析しDNA鑑定した。
これら証拠品によって、警察は近隣の住民の中から怪しいと想われる人13人を逮捕。そして彼等の血液型などを調査した。きっとその中から犯人が出ると警察は予測したが、血液とDNAが合致する人は出なかった。
次に警察が目をつけたのは、最初に王さんに着いて警察へ届けた人である。
 かれは「馬鹿も休み休み言え」と苦笑する。「俺は当日の夜、警察と身体を引っ付けて居たのだ」という。
 しかし警察は彼に疑惑を持った。彼の血液と妻の協力で精液を提出させた。検査の結果犯人のものと一致した。
 DNA検査官は、王さんから取った証拠品には2種類のDNAが有ったという。と言うことは、王さんは当日の夜、他の男性と通じたのではないかと疑いをもたれた。
 とにかく警察は近隣の男性、李端慶を両耳を殴りつけ手錠を掛けて逮捕した。
 
警察では彼に煙草の火を手のひらの表側に乗せる拷問をして、自共書にサインをさせた。
 こうしてともかく一度警察は事件解決の発表をした。

しかしこの発表を近隣の人達は誰も信用しなかった。犯人は1.7メートルと言う。李さんはかなり低い身長だ。犯人は逃げ足が早かった。李さんはびっこだ。そこで数百人以上の人達が救済の署名をして警察に届けた。


 03年11月、法廷が開かれ、李さんはDNAの再鑑定を依頼した。その結果、証拠品の全てが一致しなかった。
 
警察はその鑑定に納得せず、04年1月再鑑定となり、再度不一致となった。
李さんは半年の牢獄生活に別れて出所。しかし鼻は曲がり顔は痣だらけ、耳はがんがんと鳴り、当分働ける身体ではない。
市の公安指導者が李さんの家を尋ね、謝罪し2万元の補償金を出した。

今年、04年7月16日、この事件がテレビで報道された。すると全国から轟々たる非難の手紙が公安へ届けられた。
 所長の猿勝と副所長と他の警官が、職権乱用・ 拷問による自共罪で起訴されることになった。

湖北省ではこのまま見逃すことが出来なくなり、3組の調査班が組織された。事件現場近くは普段は人影の少ないところ。しかし連日警官の姿が至るところで見られるようになった。
調査方法は絨毯式検査と名付けられた。近隣の住民全員の血液検査が行われた。次にDNAの鑑定も行われた。しかし確たる証拠は出なかった。調査班の人数だけでもその費用は莫大である。DNA鑑定もまた費用が鰻登りになった。ますます警察は引き下がれない。

 警察は元に戻って王女史に話を聞くことにした。そして7月24日「劉先勝」という男が逮捕された。
 
 調査の結果分かったことは以下の通りである。
 王さんの夫は劉さんに3000元を借りた。その費用が返せないで居るとき、王さんの夫は偽金を作って返そうとし、それがばれて逮捕された。劉は何度も王さんの家を訪れ返済分として王さんの家財道具を持ち出した。しかしまだ1000元ほど不足している。そこで劉は冗談のように「身体で返せ」と言い寄っていたという。

 記者が湖北省の公安幹部を採訪したとき、彼は自信を持って「今回は大丈夫だ」と胸を張っていた。


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馬鹿馬鹿しくて訳注なし!!!

 でも建国直後の大躍進政策で死屍累々と言うとき、各省の党幹部は農業の収量は前年以上と北京へ報告しています。その時の思想と言うか文化程度がこれと通じるものを感じます。
2度の強姦
04/07/29 南方週末 成功